アウシュビッツというものは
愛の極端な変形です
ナチス・ドイツによる大量虐殺
あらゆるテロリズムなどは
人類の愛の 極端な変形なのです
それは嫉妬と憎悪を燃やして起こる業火というもの
あなたがたは その
極端な愛の変形というものが
何を世界に引き起こすかと言うことを
学びましたね
しかしこれから あなたがたは
虚無 というものを
学びます
それは 愛の変形ではない
愛 では ない もの
です
あなたがたは 一つの愛を
虚無に追いやった
それゆえに これから
あなたがたのために
虚無 というところが
地上にできるでしょう
それはどういうところだと思いますか?
想像してみましょう
たとえば そこは
はてしないツンドラの大地だ
そのようなところに
あなたはひとりで立っている
大地は冷たく 硬い
風は動かず 空気はのどに詰まるようだ
家もない 人もいない
トイレや浴室など もちろんない
着るものは今着ているものだけだ
食べ物もない 水もない
あなたをののしる声もない
鞭打つ手もない
殺そうとする憎悪もない
助けてくれる見えない愛もない
空を見ても 神の気配はない
天使は とっくに殺してしまった
あなたは そういうところに
行くのです
虚無 というものは
とにかく 徹底的に
な い
と いうことです
それがどこにあるかは
きっと千万年の後でないとわからないでしょう
なぜなら 愛のないところには
亡骸をふりむくものもいないからです
しかし 人はいうでしょう
身近な所から 誰かがいつの間にかいなくなった時
ああ あの人は
虚無に 向かったのだと
確かに そうならざるを得ないことを
したと
虚無の町が どこにあるかは
そこにたどりついた人でないと
わからない だが
千万年の後
あなたがたが 地球上に
虚無の 遺跡を見つける時
あなたがたは
虚無を 地上に創った
神の表現力のみごとさを
思い知ることでしょう