いちばん好きだった
いちばん愛していた
それが あなたがたの
心を縛っている
闇だよ
愛することが苦しいなら
はじめから愛さなければ
何も苦しくはない
それが勝利者というものだと
あなたがたは
思いたかったのだ
あなたがたが
勝利したかったのは
好きだったのに
好きになるのがいやで
きらいだと言ってしまって
いちばん好きなひとに
行ってしまわれた
それが死ぬほどつらかったということなのだ
悲しいね
ほんとうのことというのは
わたしは
誰も愛してはいけないなどとは
一度も言ったことがないよ
それは あなたがたが
愛していた人に
勝ちたかったから
わたしの姿を借りて
言ったことばだ
おんななど くだらない
愛する必要はないと
言いたかった
それほど
愛していたのだよ
苦しいね
ほんとうのことというのは
そうして あなたがたは
とうとう
愛に勝利してしまったのだ
もはや二度と
あの
いちばん愛しているひとは
帰って来てはくれない
二度と会うことはできない
わかったかい
ほんとうのことが
さあ だが
生きてゆかねばならない
これからどこにゆく
なにをしにいく
自分で決めなさい
あなたがたが どこにいこうと
わたしはいつもそばにいよう
どこに迷おうと
ついていこう
愛しているよ