
林檎の皮をむくように
地球の皮をむけ
垢をこそげ落とすように
腐った闇をこそげ落とせ
あらゆるものを浄化せよ
もう黙っていてはならぬ
間違いを間違いとただすために
天使はまだ戦っている
それは空気の鐘のように聞こえないが
突然耳を割る火山の爆発のように
あちこちで浄化の炎が立ち上がり
死なねばならぬ魂を吸い込んでいる
天使が何をやっていたのかを
人間がわかるようになったときには
もはやすべては終わっている
十年前は高い価値を持っていたカードが
今は紙くずにしか過ぎなくなったように
突然人生が紙くずになる
終わりが来る前に
ガラスの船から降りろと言っておいたはずだ
滅亡の大烏賊は真珠様に光りながら
都市の空を泳いでいる
薄青い墨を吐きながら
水素の風に不思議な毒をまぜてゆく
風は生と死を裏返しながら
静かに都市を吹き抜ける
もうこれ以上は一歩も前に進めないと
まだわからないのか
人間よ
愚かなる人間よ
虹の雨が上がり
当たり前の朝がやってくる
それこそが終末であると
大烏賊が貝の声で歌う
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます