読者のみなさんはどんな環境でギターを練習しているだろうか?
ここ最近の私は特に練習と意識したことはない
気が向いたらギターを抱えているという感じ
気負えば疲れてしまうのだ
私は寝床の傍らにギターを置いている
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ギタースタンドに立てているのだ
エレキの時もあればアコギの時もある
いまはアコギを置いている
就寝前に横たわったまま暗闇で弾くことも多い
同じく起床時に弾くこともある
弾くというよりは音の確認なのだ
あえて指板を見ないことで指にフレットの間隔を覚えさせることができる
ほぼ無音の状態でギターを鳴らすことで音に集中することが出来る
音量のコントロールの練習にもなるのだ
力加減ではアコギでも囁くような音量で弾くことも出来る
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私はブルースのリックを組みたる時はいつもこんな感じなのだ
耳を澄ませば音の正誤が見えてくる
色々なスケールを連結させてみるのだ
「おぉ これってカッコいい!!」
となる瞬間があるのだ
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ギター上達には良い音楽を沢山聴くことが大事だと思う
耳を鍛えるのだ
自分のギターを評価できるのは自分だけなのだ
音楽は料理に似ている
美味しい料理を食べていない人は味の評価ができない
最近の私は新旧を含めて、ブルースを聴きまくっているのだ
レッドツェッペリンの曲もブルース由来の曲が多いことが分かる
先人のブルースをロック調にアレンジした曲も多い
ジミヘンも然りなのだ
ブルースはロックの礎になっているのだ
亡きエディもある雑誌のインタビューで語っていた
「ギターが上手くなりたければブルースを弾くんだ」
「そして沢山のブルースを聴くことが大事だと思うよ」
私も同感なのだ
私も何だかんだで40年くらいギターを弾いているのだ
途中に数年間ほど諸事情でブランクがあった
まったくギターを持っていない時期があった
アコギに始まり、アコギに落ち着いているという感じなのだ
アコギを始めた頃はフォークスタイルの弾き語りに夢中だった
コードを押さえてジャカジャカというアレなのだ
現在は一音を味わうようにギターを楽しんでいるのだ
廉価のアコギがこれほど自分にハマるとは思ってもみなかった
ギターとの出会いや相性は不思議だと思う
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”いつかはマーチン・・・”
という人も多いような気がするが・・
私はそうでもないような気がしているのだ
ローズ材のサイド&バックの高級な音は今の私の好みではない気がする
先日、ある知り合いのギターを少し弾かせてもらったのだ
とても鳴りが良いギターという印象だった
しかしながら、ブルースを弾いてみると音が好みではないのだ
高級過ぎるのだ
何とも贅沢な話だが・・
ギターの音の好みに正解はないのだと思う
高級なギターの音が自分の好みと合致する保証はないのだ
値段と音が比例しないところがギターの面白いところ
アコギに関していえば、いわゆる高級なアコギの指板はエボニー材
これもブルースには向かない
音の立ち上がりが早く硬質な感じに聞こえてしまう
生音がすべてのアコギだけに材の構成や作りが如実に音に反映される
そんなダイレクトな感じにも惹かれているのだ
ギター探しの旅が終わったわけではないが・・
今のところはこの二本で満足しているのだ
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いかにもブルースという佇まいが渋いと思う
スプルースの白板は私の好みではない
エレキにもいえるが見た目から入るのも悪くない
そもそもカッコいいと思えないギターは弾きたくない
弾かないギターが上手くなるはずもない
弾かないギターが鳴らない
いつまで経っても鳴らない
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非常に当たり前のことを言っているのだ
最近は弦交換への考え方が変わってきた
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時間で交換するのは意味がないことだと分かってきた
使用頻度と交換のタイミングが大きく関係していることが分かってきた
張った瞬間から劣化することも事実だが・・
そんな劣化は微々たるもの
むしろ、大事なことは『入力』
どれだけ弦が振動したか?
究極、サスティンが無くなるまで使っても良いと思う
演奏するジャンルにもよるが・・
私が好むブルースではむしろ音が伸びない方が好ましい
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劣化した弦のビリつきも味になる
ビビリ音とは区別したい
あえて出しているバズり音ということ
バチバチと弦をフレットに当てるのもブルースのお約束
スライドバーなどを使った時には少し派手に弦をヒットさせる方がそれっぽい
廉価のギターに恐いものはない
バチバチでガンガンなのだ
高級ギターに白手袋では一生上手くならない
読者の皆さんもご自分のギターをマジマジと眺めていただきたい
どんな感じだろうか?
長年使っているわりにキレイという方も多いと思う
大事にしているということもあるだろうが・・
そもそも使っていないということはないだろうか?
「だよね~ もう数週間くらい弾いてないわ」
弾かない人ほど良く磨く
これもギター道の通説なのだ
不思議とそんな傾向が見られる
良く弾く人はギターなど磨かない
ギターを邪険にしているのではない
さじ加減を分かっているのだ
どんな弾き方や使い方がギターにダメージを与えるか?を知っている
本能として知っているのだ
ここまでくれば、ギターと一心同体なのだ
ギター弾きの理想の形だといえる
”ギターが手に馴染む・・”
という言葉があるが・・
もっと言うならば
”ギターが体に馴染む・・・”
ギターの形状やサイズ感など、すべてが自分と融合するのだ
無心で弾いていれば、いつかはそんな瞬間が訪れる
鼓膜にギターの音が張り付くように感じる瞬間がある
伝わっているだろうか?
指板上の指の動きと音が連動すると感じる瞬間がある
特に生鳴りでそれを強く感じる
エレキでも耳を澄ませば生の鳴りが美しい
裏を返せば、生の音が良くないギターはダメなギター
「アンプを通した音はいいんだけどね・・」
良く聞く言葉・・
状態が良いギターは生でもアンプでも良い音なのだ
暗闇と無音の世界で自分のギターと向き合ってみるのも良いと思う
今まで気づかなかった世界に開眼できると思う