ギターの練習の過程で困ったことがある
それはしばらく弾かないと忘れてしまうということ
読者の皆さんにも少なからず経験があると思う
時間をかけて頑張って練習したのにすっかりと忘れているのだ
ギター練習は無駄なのだろうか?
答えはNOなのだ
一度弾けた曲は少し練習すればまた弾けるようになる
弾かなくなって忘れてしまっても大丈夫
復活までの時間がどんどんと短縮しているはずなのだ
もっとも効率が良い練習方法は『続けること』なのだ
忘れたくない曲やフレーズは一定のペースで練習を続けるのだ
結果として時間の無駄が省けると思うのだ
世には難しい曲やフレーズが山積しているが・・・
その中の一つがジミヘンの名曲『リトルウイング』だと思う
好きか嫌いは別としてもギター弾きにとって重要は位置づけの曲だといえる
ギターを始めたたばかりのギターキッズにはこの曲の良さが分からない
そもそも、ジミヘンの格好良さやプレイの凄さが理解できない
速く弾くということは思うほど難しくない
特に運動が得意で反射神経が良い人にとっては朝飯前だと思う
とにかく指が速く動くように訓練すれば良い
速弾きのフレーズを音楽的に昇華させるのはまた別の話なのだ
人間には限界というものがある
神経が鈍い人はいくら頑張って練習しても速くは弾けない
自身の限界を知ることもギターにとっては大事だと思う
私も加齢と共に速弾きが苦手になってきた
そもそも、速弾きやドンシャリな音に心躍らなくなってきたのだ
その時に最高だと思うものに素直にスイッチすれば良いと思う
巷の人気や評価などあまり気にすることはない気がする
我が道を進めば良いのだ
ジミヘンのリトルウイングは何回も挑戦して挫折した難曲なのだ
読者の皆さんは弾けるだろうか?
この曲が弾けるお友達がいるだろうか?
コード進行そのものはそう難しくない
同じ進行を繰り返すという構成なのだ
コード進行に沿ってアルペジオで弾けば何となく雰囲気は出る
しかしながら、すぐに飽きてしまうのだ
そもそも、イントロの入りから違うのだ
この曲のイントロには色々なテクが詰まっているのだ
ネックを親指で握り込めるか?
これがハード面の第一関門なのだ
手が小さい人と丸太のネックでは弾けない曲なのだ
上級者には極太ネックの使用を自慢する人がいるが・・
何の自慢なのだろうか?
難しいネックを操っているという自慢だろうか?
私も過去にレスポールを使っていた
ネックに惚れて買ったがネックが嫌になって売ったのだ
何とも微妙な経験があるのだ
何でも買って使ってみなければ分からない
ストラトで弾けるフレーズがレスポールでは弾けない
シングルとハムの違いに拘る人も多いが問題はそこではない
車に喩えるならばギターのネックはハンドルなのだ
トラックのような大きな外径のハンドルで攻めたいと思うだろうか?
指の長さに対して握りが太いハンドルは快適だろうか?
すべてはそこなのだ
プロには気に入ったネックを新規のギターに移植することも多い
クラプトンのストラトやジミーペイジのテレキャスなど有名なギターもある
ネックの移植は思うほど簡単ではないのだ
同じブランドの同型のギターですら合わないケースが多い
ネックを取り外してみると良いと思う
微調整の為にシムという板が挟まっていることがある
ボディとネックをセットした後で調整できる機構を持つギターもある
一流のプロには一流のテックやリペアマンが一緒なのだ
かくいうジミヘンにもそんな影武者がいたのだ
ジミヘンの機材を一手に任されていたエンジニアがいるのだ
現在も存命しているのだろうか?
ジミヘンの伝記において重要なコメントを多々残しているのだ
謎が多い部分もジミヘンの魅力のひとつだと思う
半世紀以上も経過した現在でも研究者が多いところも凄い部分なのだ
知れば知るほどに深みにハマっていくのだ
27歳で他界という短命だった
太く短いギター人生に心惹かれる
ジミヘンはすべてを出し切ったのだろうか?
もっと長生きしていたらロック界やギター業界はどのように変わっていたのだろうか?
想像するだけで心躍るものがある
リトルウイングは初対面のジャムでも良く演奏される
つまり、誰でも知っている曲ということの証なのだ
「え? 聴いたことはあるけど・・」
「弾いたことはないんだよねぇ・・」
では恥ずかしいのだ
イントロ終わりのヴァース部分でアドリブを弾き倒すのだ
YouTubeなどでもそんなジャムを見かけたことがある
スティーブヴァイなどの有名どころが参加しているのだ
この曲のコピーや解釈には賛否両論あるようだ
完コピ派とアレンジ派なのだ
プロでも大別される
個人的にはイントロ部分は原曲の忠実に弾いた方が良いと考える
そのくらい完璧な音選びなのだ
音を加えることも削ることも出来ない
不思議な間を持つイントロなのだ
先にも述べたようにイントロ部分を弾き易いようにアレンジしてはダメなのだ
試しに楽器店の試奏で弾いてみていただきたい
店員さんも他のお客さんにも冷笑されてしまうと思う
巷のギター弾きのジャッジはかなり手厳しいのだ
特に日本のギター弾きは他人に厳しいのだ
読者の皆さんはどうだろうか?
他のギター弾きに対して寛大になれるだろうか?
ギターを弾くうえで精神論は無用だと思う
しかしながら、この先も長くギターを続けていく為には精神も大事なのだ
心ないギター弾きは言動に表れる
ギターを弾けばその一音に表れる
この曲はストラトを小型のアンプに直結して弾いているという説がある
こんな感じだろうか?
マーシャルにファズというイメージが強いが・・
実はレコーディングでは小型のアンプを多用していたようだ
マーシャルはアンプの王道だが繊細な曲には似合わないと思う
私も宅録などでは使い分けているのだ
今回の音源も小型のアンプを並列に二台並べて弾いているのだ
アンプの前段に歪みペダルは配置していない
ジミーペイジもレスポールとマーシャルの印象が強いがそれは中期以降なのだ
初期を良く知るマニアにはテレキャスと小型アンプなのだ
中期以降もレコーディングではかなりの比率でフェンダー系のギターを多用していた
アコギも多用していたのだ
一本のギターで完結できるほど浅くないということだと思う
ストラトのイメージが強いジミヘンもハムを使うこともあった
『レッドハウス』というブルースではフライングVを使っていた
黒いレスカスを使っていた時期もあったようだ
何故使わなくなったのか?
諸説あるが・・
逆さまに持った時に使い難い(ハイポジなど)ギターは却下されたように思える
ストラトは逆さまに使ってもハイポジに手が届く
フライングVも然り・・
最終的にはストラトの音がジミヘンのツボにハマったのだと思う
テレキャスを使わなかった理由はレスカスと同じだと思う
アームを持たない構造もジミヘンには物足りなかったのだと思う
偉人の使用機材を色々と想像してみるのも楽しいと思う
実際に真似て弾いてみる時に色々と参考になってくるのだ
「○○の音作りってどんな感じですか?」
ネットのQ&Aで良く見かける微妙な質問なのだ
誰に何を訊いているのだろうか?
結局は自分の耳だけが頼りになってくる
自分が作った音が正しいか?を決めるのは自分なのだ
マルチでもアンプでも良いと思う
自分の耳に届く音が大事になってくると思う
そもそも、憧れのギタリストの音と大きくかけ離れているようでは気分が乗らない
音作りが決まれば気分も上がってくるのだ
「値段が高い機材じゃなくてはダメですか?」
答えはNOなのだ
そもそも、弾き手が低レベル(私を含む)なのだ
技術と機材のバランスの悪さはある意味で痛々しい
身の丈に合った機材でギターを楽しむのが正しい楽しみかただと思う
庶民派代表の私はそう思う
「ジミヘンのように弾きたいなぁ・・」
機材で寄せるよりも心で寄り添うことが大事なのだ
思い続ければその思いが指先に伝わってくるのだ
昨日まで弾けなかったフレーズがある日、弾けるようになっている
こんな奇跡が起こりうる
良いところでギターをやめて(飽きて)しまう人が多い
読者の皆さんの技術やキャリアは分からないが・・
行き詰まっている方がいるならば、もう一歩だと思う
「高いギターに買い換えれば上手くなるかな?」
「ピックアップが悪いんじゃねぇ? ピックか?」
違うと思う
伸び悩む原因は他にあるように思える
私の知り合いにもお宝を持ったまま腐らせている人が多い
場合によると10年くらい押し入れの中で熟成しているのだ
それを熟成と呼んでも良いのだろうか?
時間の経過で音が良くなると勘違いしている人がいる
経年の変化は訪れるがそれが良い方向に左右するかは微妙
ギターという楽器はとにかく弾くこと
弾きながら時間が経過するという流れが望ましい
ギターくらい結果が出やすい趣味はない
努力や工夫の成果が数年後に確実に現れる
「俺って何十年も変化してね~なぁ 何で?」
根本的な原因を追及しなければ、これから先も変化はしない
早い段階で何かに気づいた人は光のような早さで成長する
ギターくらい公平で平等な趣味はない
投資と結果が比例しないのも良い部分だと思う
アプローチ次第では廉価ギターの一発逆転も有り得ると思う
ギターの練習の過程で一番大事なことは楽しむこと
自分が楽しいと感じられるか?
に尽きると思う
幸いにも私はギターに飽きたことがない
いくらでも練習する曲や取り組むべき曲がある
上手い人の演奏を観れば、さらにやる気が増してくる
ジミヘンの曲で取り組んでいる曲があるのだ
ジョン・メイヤーの十八番になっているあの曲なのだ
キレキレのカッティングが心地良い
あのフレーズを半世紀以上も前にジミヘンが生み出していた事が驚異なのだ
ジミヘンの時代はブルースが全盛の時代だった
ジミヘンは良い意味で異星人だったのだ
名人と言われていたクラプトンが意気消沈するほどの天才ぶりなのだ
努力で上手くはなるが天才にはなれない
何度も力説しているが・・
ジミヘンは音選びの天才なのだ
普通の引き出しでは収まらない
ジミヘンの曲をコピーすることは必ずギター弾きの肥やしになる
試しに名曲『パープルヘイズ』のイントロ部分をコピーしてみていただきたい
耳コピした音と実際の運指の違いに驚くと思う
繰り返しになるがジミヘンは天才なのだ
今回もドラゴンテレキャスで弾いてみた
ハードロックからバラードまで音幅が広いギターだと思う
ここ最近はさらに気持ち良く鳴ってくれる😉