「花降る日」
これは、絵の題名です。
砂漠を移動する人々が迷わないよう建てられた石の螺旋搭。
海の灯台以前に造られた砂漠の灯台です。
その螺旋搭をモチーフに中世のいでたちをした女性が静々と搭を昇っていきます。
彼女の昇る姿に、天からはらはらと花びらが落ちてきます。
私がその絵の前に立ったのは、高校生の頃だったと記憶しています。
当時あった具象画家の登竜門である「安井賞展」が、絵との出合いでした。
日本画というか、フレスコ画というか、決して油絵の世界とは違うマチエール(画面の肌)、そしてルネッサンスの絵画を思わせるような構図。ビザンチン様式のような、緻密さと素朴さを交えたモチーフ(題材)。
それでいて日本人の持つ感性をどこか遠くから湧き上がらせるような安定感。
表現されている全てが心地良く、永遠にその絵から離れたくないという情動にかられたのです。
それから30年近くが経ちました。
事在る毎に有元利夫さんの絵を静かに観続けてきました。
西洋と東洋のエッセンスが、彼の浄化された精神から醸し出され、普遍性が表出されているのだと解釈しています。
だからいつ観ても心地良いのかもしれません。
有元さんは、38歳という若さで天に召され、既にこの世の方ではありませんが、絵に宿る彼の魂は永遠に生き続けています。
「有元利夫展」は、現在「横浜そごう美術館」にて、1月25日まで開催されています。
今年最初のお薦め展覧会です。
ひっそりと絵画と向き合い、御自身との五感の対話をお楽しみください。
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これは、絵の題名です。
砂漠を移動する人々が迷わないよう建てられた石の螺旋搭。
海の灯台以前に造られた砂漠の灯台です。
その螺旋搭をモチーフに中世のいでたちをした女性が静々と搭を昇っていきます。
彼女の昇る姿に、天からはらはらと花びらが落ちてきます。
私がその絵の前に立ったのは、高校生の頃だったと記憶しています。
当時あった具象画家の登竜門である「安井賞展」が、絵との出合いでした。
日本画というか、フレスコ画というか、決して油絵の世界とは違うマチエール(画面の肌)、そしてルネッサンスの絵画を思わせるような構図。ビザンチン様式のような、緻密さと素朴さを交えたモチーフ(題材)。
それでいて日本人の持つ感性をどこか遠くから湧き上がらせるような安定感。
表現されている全てが心地良く、永遠にその絵から離れたくないという情動にかられたのです。
それから30年近くが経ちました。
事在る毎に有元利夫さんの絵を静かに観続けてきました。
西洋と東洋のエッセンスが、彼の浄化された精神から醸し出され、普遍性が表出されているのだと解釈しています。
だからいつ観ても心地良いのかもしれません。
有元さんは、38歳という若さで天に召され、既にこの世の方ではありませんが、絵に宿る彼の魂は永遠に生き続けています。
「有元利夫展」は、現在「横浜そごう美術館」にて、1月25日まで開催されています。
今年最初のお薦め展覧会です。
ひっそりと絵画と向き合い、御自身との五感の対話をお楽しみください。
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