DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBAフライ級:1993年6月21日)

2023年07月21日 05時08分58秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年と一ヶ月前にあたる1993年6月21日、大阪府立体育会館(現エディオンアリーナ大阪)で行われた試合結果です。
WBAフライ級戦:
王者デビット グリマン(ベネズエラ/帝拳)TKO8回2分38秒 挑戦者井岡 弘樹(グリーンツダ)

*南米の技巧師グリマンに、アジア人として初の世界王座3階級制覇を目指す井岡が挑戦。どちらが勝利を収めるにしろ、接戦が予想されていた一番でしたが、試合は王者の一方的な展開に。井岡が想像以上のタフネスぶりを見せ中盤戦まで試合を長引かせはしましたが、念願の3階級制覇達成はなりませんでした。

(井岡の世界3階級制覇が期待された一戦でしたが...)/ Photo: sushiproutah.com

この年の前年にあたる1992年11月に、柳 明佑(韓国)との再戦に敗れWBAジュニアフライ級(現ライトフライ級)王座から陥落したばかりの井岡。本来は左ジャブと華麗なフットワークで相手を翻弄するボクシングが身上の選手。しかし意識改革のためか、その柳との再戦から本来のボクシングを忘れ、あえて打ち合う姿勢を見せる試合ぶりが目につき始めました。

そしてこのグリマンとの一戦でも、試合前からあえて左ジャブを捨て強引なボクシングが目立ちました。グリマンは元々一階級上のジュニアバンタム級(現スーパーフライ級)を主戦場にしていた選手。その、元々の体格で上回っているグリマンを相手に、本来のボクシングでない打ち合いを臨んで勝てるものではありません。

接近戦での打ち合いでは体力負けし、持ち前の左ジャブを活かせないまま(この試合では放棄していた)グリマンに完敗を喫してしまった井岡。もし、井岡が本来のボクシングを貫き通していれば、ジュニアフライ級で長期政権を築いたり、世界3階級制覇達成の可能性も高かったことでしょう。

井岡の甥っ子で、現在WBAスーパーフライ級王者(当時のジュニアバンタム級)である井岡 一翔(志成)。体型では劣るも、攻防の技術の高さで大型の選手達を打ち負かし、世界4階級制覇を達成してきました。一翔の成功は、ひょっとしたら弘樹氏の失敗を糧に築き上げられたものかもしれませんね。

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チュー2世の弟、プロ7戦目が決定(スーパーウェルター級)

2023年07月20日 05時37分18秒 | 世界ボクシング

8月23日、豪州で予定される試合です。
スーパーウェルター級戦(8回戦):
ニキタ チュー(豪)対 未定

元統一スーパーライト級王者コンスタンチン チュー(露/豪)の次男坊で、3月に暫定ながらもWBOのスーパーウェルター級王座を獲得したティム チュー(豪)の実弟ニキタ(Nikita)が来月23日、プロ7戦目の実戦に臨みます。兄ティムと同じくスーパーウェルター級を主戦場とするニキタは昨年3月に初陣を飾り、その後勝ち星を重ねていき現在6連勝中(5KO)と順調にプロの水に慣れてきています。

ニキタの対戦相手は未定ですが、7戦目にして初の8回戦の試合に登場するようです。

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意見番(07‐19‐23)

2023年07月19日 05時34分51秒 | ボクシングネタ、その他雑談

*なんで一翔の勝利が飛ばされてるんだ?

Photo: Amazon.co.jp

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続「ボクシング 10年」PartXVⅢ(偉大なるアフリカ人王者たち)

2023年07月18日 05時43分03秒 | ボクシングネタ、その他雑談

このDaispo Boxingを始めた当初、不定期ながらも数回に渡り「ボクシング10年」という、自分(Corleone)がボクシングに興味を抱いてからの約10年の間のボクシング界について、ザっとしたものを書いていました。第一弾は2004年6月23日。当時引退したばかりのリカルド ロペス(メキシコ)がどれだけ凄いボクサーで、軽量級、特にミニマム(旧ストロー、105ポンド/47.63キロ)とそのひとつ上のライトフライ(旧ジュニアフライ、108ポンド/48.97キロ)の、その後の課題はロペスの後継者を生み出すことであると強調しました。

2020年9月に、夢にまで見たSuperchamp1991というものを入手。そこには私がボクシングに惹かれる直前、1991年春先の世界王者たちの顔ぶれが掲載されています。その顔ぶれを見てみると懐かしさと同時に、自分にとって新鮮味がある王者たちが載っています。あの時代から30年。「ボクシング10年」の続編的ものとして、各階級の世界王者たちを簡単に紹介しています。

今回紹介する階級は、58.97キロ/130ポンドを上限とするスーパーフェザー級/ジュニアライト級。日本人選手にとり、重いクラスのカテゴリーに属しますが、不思議と昔から継続的に日本人世界王者が誕生しているクラスです。

まずは1991年春先時点での同級王者たちの顔ぶれを見てみましょう。防衛回数は当時のものになります。

WBAジュニアライト級:ブライアン ミッチェル(南ア/防衛回数12)
WBCスーパーフェザー級:アズマー ネルソン(ガーナ
/5)
IBFジュニアライト級:トニー ロペス(米/2)

この階級を含め、ジュニア、またはスーパーのつく階級は、認定団体により呼称が異なっています。この階級はWBAとIBFがジュニアライト級で、WBCはスーパーフェザー級と呼んでいます。現在も英語サイトではジュニアとスーパーを使い分けており、日本のように統一して「スーパー」と呼ぶことは珍しいように感じます。私(Corleone)も、日本語と英語以外は読むことが出来ないので、これ以上の事は言えませんが...。

WBAタイトル保持者だったミッチェルは、さすらいの王者として知られていました。当時、彼の母国南アフリカでは、アパルトヘイトという歴史的に悪名高い白人至上主義が敷かれていました。これは白人と、それ以外の人種を徹底的に差別化した政策で、1948年から1994年まで続きました。

(同級でWBAとIBFのベルトを獲得したミッチェル。写真は同一人物です。)

ミッチェルが活躍した1980年代半ばの世界的動きは、当然の如く反アパルトヘイト。1986年9月27日にWBAジュニアライト級王座を獲得したミッチェルですが、WBAはその直後に、非人道的な政策を行っている南アフリカ政府に抗議するため「南アフリカ出身の選手をランキングに入れない」と発表。ミッチェルは王座を剥奪されるか、又は、南アフリカ以外の地で防衛戦を行っていくかという選択を迫られました。

ミッチェル自身は人種差別者どころか、母国の政策に反対していました。彼はWBA王座を保持することを決意しますが、ミッチェルの放浪の防衛記は世界王座を獲得した時から始まりました。強打者でもなく、飛び抜けた技巧派でもなかったミッチェル。しかし、敵地でも勝ち続けるボクシング能力と、強い精神力で防衛回数を伸ばしていきます。プエルトリコ、パナマ、フランス、イタリア、英国、米国のリングを渡り歩いたミッチェル。初防衛戦で引き分けるなど、リング内では苦しい戦いもありました。そして、リング外では反アパルトヘイト者にも関わらず、行く先々で反アパルトヘイトの集団に大ブーイングを浴びせられ続けます。

1986年の秋口に獲得した王座を1991年春までの間に12度もの防衛に成功。それらのすべての防衛戦を母国外で行っています。またこの間、ミッチェルは自国で無冠戦のリングに3度登場しました。

ミッチェルはちょうどこの増刊号Superchamp1991が発売された時期に、思わぬ形で王座と決別しています。1991年3月に、敵地米国カリフォルニア州に乗り込み、当時のIBF王者トニー ロペス(米)との王座統一戦に臨んだミッチェル。自分のペースで試合を進め、優勢のまま最終回のゴングを聞いたミッチェルでしたが、結果は彼にとって非常なドロー(引き分け)。ロペスの地元からも「ホームタウンデシジョンだ(地元判定)!」という非難の声が上がったほどでした。ミッチェルの不運はこれで終わらず。この試合に対し、IBFとの王座統一戦を認めていなかったWBAはミッチェルのタイトルを有無言わずに剥奪してしまいました。

半年後に同じ会場でロペスとの再戦に臨み、今度は明白な判定勝利を収めIBF王座を獲得することに成功したミッチェル。ロペスとの再戦後に引退を表明。3年後に再起し、母国で2試合行い(2勝)、その後正式に引退をしています。

軽打からの連打と滑らかなフットワーク、そして丁寧な試合運びで勝ちに徹するボクシングを演じ続けたミッチェル。しかしそのボクシングで、敵地のみでの防衛戦で12連続防衛とIBF王座をも獲得するのですから凄いものです。ちなみの12連続防衛というのは、現在でもスーパーフェザー級史上最多です。ミッチェルと同じ王座を保持していた内山 高志(ワタナベ)も、大先輩の記録に迫りましたが、惜しくも12度目の防衛戦で王座から転落してしまいました。

当時のWBC王座には、ミッチェルと同じく、偉大なるアフリカの戦士が君臨していました。常にアフリカ史上最強のボクサーの一人として挙げられるアズマー ネルソン(ガーナ)は、非常に長い期間、世界のトップ戦線で戦い続けました。当時のネルソンは、こちらもボクシング史に残る名ボクサー・パーネル ウィテカー(米)の保持していた統一ライト級王座に挑戦するも判定負けを喫した直後で、スーパーフェザー級に戻り、再始動を始めた時期になります。

(アフリカを代表する名ボクサー ネルソン。)

ネルソンのプロデビューは1979年の師走まで遡り、1998年7月までリングに上り続けました。2008年6月に、一試合限定で試合を行いましたが、それはネルソンの偉大なキャリアのおまけの様なものでしょう。1982年7月に、米国ニューヨークのリングで伝説のサルバドール サンチェス(メキシコ)の持つWBCフェザー級王座に挑戦し、大善戦の末、最終15回(当時はまだ15回戦制でした)TKO負けを喫したネルソン。しかしその敗戦で評価を落とすことはなく、逆に自身の名前を世界に知らしめる事に成功しました。

1984年に敵地プエルトリコに乗り込み、こちらもまた伝説の雄ウィルフレド ゴメス(プエルトリコ)を失神KOし、念願の世界王座を獲得(WBCフェザー級)。その王座は1988年にスーパーフェザー級に転向するまでの間に、6度の防衛に成功しています。ネルソンに歯が立たなかったゴメスですが、スーパーバンタム級時代にはWBC王座を17度も防衛。しかもそのすべての試合を規定ラウンド内(KO/TKO)に終わらせた怪物でした。

スーパーフェザー級で2階級制覇を達成したネルソンは、2つの引き分けを挟むも10度の防衛に成功。その後王座を手放した後も37歳にして王座返り咲きに成功しました。世界の一線級で戦い続ける事15年。まさにアフリカの生んだ怪物ですね。野性的な強さで、ボクシング史に残る強豪たちと戦い続けたネルソン。38勝(27KO)6敗(1KO負け)2引き分けという終身戦績は、数字以上に内容の濃いものでした。唯一のKO負けはサンチェスに喫したもので、もう一敗はウィテカーに付けられたもの。残る4敗と2引き分けは、力が落ち始めたキャリア後半のものでした。

24度の世界戦に登場したネルソンでしたが、母国ガーナで行った世界戦は僅かに1度のみ。ガーナの経済的理由もあるでしょうが、ミッチェルのような政治的理由でなく、敵地、または第3国で戦い続けたのですから頭が下がります。しかし同時期に2人のアフリカ人選手が世界のベルトを腰に巻いていた当時のスーパーフェザー級。「ミッチェル対ネルソン」戦実現の話は出なかったのでしょうかね?

海外で戦い続けたミッチェルとネルソンですが、IBFタイトル保持者だったトニー ロペス(米)は、故郷である米国カリフォルニア州サクラメントのリングで戦い続けた選手でした。「タイガー」の異名を持つロペスは、打ち合い好きで、会場は常に地元のファンで満員御礼。それでいて左ジャブを丁寧に突きながら基本的なボクシングを展開するボクサーでした。激戦王というイメージがあり、実際、幾多もの激闘を繰り広げました。初めてタイトルを獲得したロッキー ロッグリッジ(米)との一戦は、リング誌から1988年の年間最高試合に選出されました。その後も、同じ時代の打ち合い好きな選手たち、ジョンジョン モリナ(プエルトリコ)やホルヘ パエス(メキシコ)等とも熱戦を繰り広げました。

(激戦王「虎」と呼ばれたトニー ロペス。)

基本に忠実ながらも、激しい闘志を兼ね備えたロペス。1991年9月に行われたミッチェルとの再戦に敗れ、2度目のIBF同級王座から転落してしまいますが、翌年秋にはWBAライト級王座を獲得し2階級制覇を達成。1994年師走には、敵地メキシコに乗り込み、メキシコボクシング史上最強と言われるフリオ セサール チャベスの持つWBCスーパーライト級王座に挑戦。すでにピークを過ぎていたチャベスでしたが、ロペスとの技術差は一目瞭然。サクラメントの虎は10回TKOで散っています。

さて、まだまだマイナー団体だったWBOのジュニアライト級(スーパーフェザー)王者は、イタリアを主戦場にしていたアルジェリア人カメル ブー アリ(Kamel Bou Ali)という選手でした。45勝(31KO)5敗(2KO負け)3引き分けという素晴らしい終身戦績の持ち主でしたが、実力的にはインターや地域王座、またはマイナー団体の世界王座が限界だった選手のようです。

(第4の王者だったアリ。当時のWBOのベルトも、マイナー感が漂っていますね。)

ミッチェルとネルソンを中心に、アフリカ勢が世界を跨ぎ牽引していた当時のジュニアライト/スーパーフェザー級。残念な事に、私がボクシングに関心を持った当初、4王者揃ってピークを過ぎた選手たちでした。そして当時の日本には、世界レベルで戦える選手が赤城 武幸(新日本木村)ぐらいしかおらず、彼らとの対戦も実現しませんでした。そのため、これを書くまで比較的距離感を感じていた選手たちです。しかしこうして書き留めてみると、それぞれが非常に個性的で親近感が増してきました。

 

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あの試合から30年(2団体ライトフライ級:1993年7月17日)

2023年07月17日 05時42分43秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1993年7月17日、米国ネバダ州ラスベガスで行われた試合結果です。
2団体ライトフライ級戦:
IBF/WBC王者マイケル カルバハル(米)TKO7回2分23秒 挑戦者金 光善(韓国)

*30年前の真夏のラスベガスで、本場アメリカを代表するスター選手と、アジアが誇る実力者による世界戦が実現しました。

カルバハルと金にはいくつかの共通点があります。両者ともに、この試合から5年前となる1988年のソウル五輪に出場し、共にメダルを獲得しています。カルバハルはライトフライ級で銀メダルを、金はフライ級でその名に恥じぬ「金」メダリストとなっています。

両者にはウンベルト ゴンザレス(メキシコ)というプロでの共通の対戦相手がいます。カルバハルはこの年の3月に、当時WBCタイトルを保持していたゴンザレスと王座統一戦を行っています。2度のダウンを喫し、試合内容でも後手に回っていたカルバハルでしたが、その強打で大逆転劇を演じ王座統一に成功。金はこの試合の13ヶ月前に地元韓国でゴンザレスに挑戦。10回までは王座交代劇を思わせる内容で試合をリードしていましたが、11回にメキシカンの強打に捕まりダウン。最後は最終12回にパンチをまとめられTKO負けを喫してしまいました。

プロでの実績は王者が勝っているとはいえ、実力的には差のない両雄。挑戦者は初の海外での試合にもかかわらず、接近戦が苦手とされるカルバハルに対し、勇敢に前進していきます。鋭いジャブでポイントはゲットしていくカルバハルでしたが、いかにもやりずらそうな表情を浮かべます。

(真夏のラスベガスで死闘を繰り広げたカルバハル(白)と金(緑))/ Photo: Asian Boxing

一進一退の攻防が続く中、中盤7回、カルバハルの左フック一閃し金が前のめりにダウン。一撃で試合を終わらせてしまいました。

苦しみながらも統一王座の防衛に成功したカルバハル。善戦むなしく敗れ去った金。両者には会場から大きな拍手が贈られていました。

この月には軽量級の代表選手、カルバハル、ユーリ アルバチャコフ(協栄)、そしてリカルド ロペス(メキシコ)がそれぞれ防衛戦を行っています。試合内容からすると、ロペスの圧勝といったところでしょうね。

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あの試合から30年(WBCフライ級:1993年7月16日)

2023年07月16日 05時33分29秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1993年7月16日、神戸ワールド記念ホールで行われた試合結果です。
WBCフライ級戦:
王者ユーリ アルバチャコフ(協栄)判定3対0(117-115、116-112、116-113)挑戦者イサイアス サムディオ(米)

*この試合が行われた僅か2年前まで、ソビエト連邦(ソ連)という国家が存在していました。そのため、当時はまだソ連とアメリカ合衆国、そしてこの2大強大国の関係諸国による「冷戦」という言葉が日常的に使われていた時代でありました。

(アメリカ合衆国とソビエト連邦が中心となり行われた冷戦)/ Photo: PopMatters

1991年末にソ連が崩壊し、いくつかの国が誕生(早い話がソ連から分離/独立)。その中の主要国が現在のロシアであり、ウクライナも含まれます。ゲナディー ゴロフキンの母国カザフスタンも、旧ソ連の一部でした。2023年現在は、世界が混とんとしていますが、大ソ連が崩壊し、新たな国々が誕生した30年前は、今とは比較にならないほど騒然として時代でした。

本題となる神戸で行われたWBCフライ級戦。この試合は旧ソ連出身のボクサー(ユーリ)と、アメリカ合衆国出身の選手(サムディオ)の間で行われた初めての世界戦という歴史的な一戦でもありました。指名挑戦者として来日したサムディオは、持ち前の技術を存分に発揮し、安定王者に仲間入りしようとしていたユーリをフルラウンドに渡り苦しめ続ける事に。

(中々の曲者だったサムディオ)/ Photo: BoxRec

右強打を中心に、攻勢の姿勢を貫くユーリ。しかしサムディオは、巧みなヒット・アンド・ラン(打っては離れるというボクシング技術の一つ)でユーリに決定打を許しません。しかしそこはユーリ。普段より、空振りが多く見られた試合でしたが、4回と10回にはサムディオをグラつかせ確実なポイントをゲット。小柄な挑戦者も最後まで粘りますが、最終的にはロシア人が僅差ながらも明白な判定勝利。3度目の防衛に成功しています。

(防衛回数を3に伸ばしたユーリ)/ Photo: RingSide Report

前年の10月に行った初防衛戦、対陳 潤彦(韓国)では「ユーリ 海老原」のリングネームで登場したユーリ。この年の3月にタイで行った2度目では「ユーリ 海老原 アルバチャコフ」に改名。そしてこのサムディオとの一戦では「ユーリ アルバチャコフ」としてコールを受けました。日本のジムに所属する選手が短期間の間にここまで名前を変更するのも珍しい事ですよね。

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今週末の試合予定

2023年07月15日 05時37分32秒 | 世界ボクシング

2023年7月第三週末の主な試合予定です(2023年7月15日から21日まで)。

*この期間、世界戦などの大きな試合は予定されていませんが、中小規模の興行が世界各地で行われるようです。

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左ボディー一閃、桑原が初防衛に成功(OPBFフライ級)

2023年07月14日 05時49分47秒 | 世界ボクシング

今週11日・火曜日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
OPBF(東洋太平洋)フライ級戦:
王者桑原 拓(大橋)KO4回2分10秒 挑戦者ウラン トロハツ(中国)

*昨年10月に同王座を獲得している桑原。今年の3月に無冠戦に出場し、51秒の瞬殺劇を演じています。今回の初防衛戦では、世界戦出場の経験もあるトロハツを初回から翻弄。最後は4回、大橋 秀行会長が現役時代に得意としていた左ボディーで挑戦者を一発でKO。見事な勝利で初防衛に成功しています。

下記は2023年7月14日現在の、フライ級のタイトル保持者たちとなります。

WBA:アルテム ダラキアン(ウクライナ/防衛回数6)
WBC:フリオ セサール マルティネス(メキシコ/5)
WBC(暫定):マクウィリアムス アローヨ(プエルトリコ/0)
IBF:サニー エドワーズ(英/4)
WBO:ジェシー ロドリゲス(米/0)
OPBF(東洋太平洋):桑原 拓(大橋/1)
WBOアジア太平洋:空位
日本:飯村 樹輝弥(角海老宝石/0)

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対戦相手がようやく決定、等など(色々:07‐14‐23)

2023年07月13日 05時23分03秒 | 世界ボクシング

最近(2023年7月14日ごろ)のニュースです。

1)3団体統一王者オレクサンデル ウシク(ウクライナ)や、そのウシクに2連敗を喫したアンソニー ジョシュア(英)。そして、ジョシュアと1勝1敗のアンディー ルイス(米)との対戦に向けての交渉を行うも、結局は話がまとまらなかったWBCヘビー級王者タイソン フューリー(英)。異色格闘技家のフランシス ガヌー(カメルーン)と、10月28日にサウジアラビアで対戦する事が決まった模様です。

WBCはこの試合を容認する方針のようですが、この一戦にWBCタイトルが争われるかは現在の所未定です。

2)WBOアジア太平洋バンタム級王者西田 凌佑(六島)が来月11日、エディオンアリーナ大阪のリングに登場。21勝(14KO)3敗のメキシカン、クリスチャン ヒメネスと12回戦で対戦します。

3)元WBCジュニアフェザー級(現スーパーバンタム)王者畑中 清詞氏の実子建人(畑中)が、宝珠 山晃(三迫)と現在空位のWBOアジア太平洋フライ級王座を賭け対戦します。この試合は9月9日、名古屋国際会議場で行われます。

4)日本フェザー級王者松本 圭佑(大橋)が、8月30日、指名挑戦者リドワン オイコラ(平仲)を迎え初防衛戦を行います。この試合には日本王座に加え、現在空位のWBOアジア太平洋王座も争われます。

5)同じ興行には井上 浩樹(大橋)も登場。ハイバード アブドゥラスル イスモリロフ(ウズベキスタン)と、こちらも現在空位のWBOアジア太平洋スーパーライト級王座を賭け対戦します。

6)1月にWBOミニマム級王座を失っている谷口 将隆(ワタナベ)。来月5日、後楽園ホールで大ベテラン堀川 謙一(三迫)と10回戦で対戦します。

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エニス、圧勝で初防衛に成功(IBFウェルター級:暫定王座)

2023年07月12日 05時31分09秒 | 世界ボクシング

先週末8日、米国ニュージャージー州で行われた試合結果です。
IBFウェルター級戦(暫定王座):
王者ジャロン エニス(米)KO10回1分27秒 ロイマン ヴィラ(ベネズエラ)

*既に暫定王座を獲得しているとはいえ、いまだに注目株とされるエニス。26勝(24KO)の南米の強打者に圧勝し、1月に獲得した王座の初防衛に成功しました。

今月末に4団体王座統一戦が行われるウェルター級戦線。エニスが「その後」の主人公候補の筆頭と言って差し支えないでしょう。

昨日も記載しましたが、下記は2023年7月12日現在の、ウェルター級のタイトル保持者たちとなります。

WBA(スーパー):エロール スペンス(米/防衛回数0)
WBA(レギュラー):エイマンタス スタニオニス(リトアニア/0)
WBC:エロール スペンス(米/2)
IBF:エロール スペンス(米/6)
IBF(暫定):ジャロン エニス(米/1)
WBO:テレンス クロフォード(米/6)
OPBF(東洋太平洋):豊嶋 亮太(帝拳/2)
WBOアジア太平洋:佐々木 尽(八王子中屋/2)
日本:坂井 祥紀(横浜光/0)

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