
細く強く弾力のある蜘蛛の糸は、他に類を見ないほどの優れた自然界の素材だという。蜘蛛は棲息範囲をひろげるため、晩秋のあたたかい日に、尻から出した糸でいっせいに風にのって空にとびだすという。飛行蜘蛛といって数キロ先まで飛ぶそうだ。そんな蜘蛛の糸もプッツンするときがある。

芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」の中で、お釈迦様は、罪人カンダタが一度だけ蜘蛛を助けたことに報いるため、蜘蛛の糸を垂らし地獄から助けようとする。しかしカンダタが自分だけ助かろうと、あとから登って来る多くの罪人を振り落とそうとしたそのとき、糸はプツンと切れて、彼は再び地獄の底へ堕ちて行く。

最近の僕には、張り詰めた糸が切れたように、緊張感が無い。どうもプッツンしているようだ。あの小沢一郎さんもプッツンしたとか。僕とは次元が違うが・・・。
長い人生を生きてきた。中途半端が嫌い、立ち止まるのが嫌い、振り向くのが嫌い、ましてや後戻りなど。いつも全力で駆けて来た。伸ばしたままのゴムは、弾力が無くなる。伸びきった我が気力、緩んで弾力もない。たまには歩を止めて、ゆっくり歩いてみよう。
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