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勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

空蝉

2010-08-16 22:05:51 | Weblog
 源氏物語の空蝉は小柄で容姿も美しいとはいえない地味な女性であった。しかし、控えめで慎み深く、立ち居振る舞いにも優れ、魅力的な女性だった。そんな空蝉に光源氏は心惹かれるが、彼の求愛に対し空蝉は一枚の着物を脱ぎ捨て逃げ去った。



『うつせみ』とは、「空蝉」「現身」とも書き、蝉のぬけがらであったり、現世をも意味するそうだ。


君故に
永き人生(ひとよ)を 霜枯れて
永遠(とわ)に春見ぬ 我が運命(さだめ)
ながろうべきか 空蝉(うつせみ)の
儚き影よ 我が恋よ


-「影を慕いて」より-

 数日間おとなしかった暑さも再び暴れだし、昨日今日と連日の猛暑に、残暑を惜しむ蝉しぐれが更に暑さを増す。風もない熱帯夜だった昨夜は、さすがに、暑いのが好きと豪語する僕も、とうとう冷房のスイッチを入れて寝た。このままでは空蝉ならぬ、親爺の抜け殻になりそうだったから。ここに住んで16年、部屋の冷房で寝るのは記憶にない。「冷房を節約した老人、熱中症で死ぬ」などという見出しで新聞には載りたくないし。。。

 そして今日の暑さは天然のサウナ状態。冷房に慣れた身体は悲鳴を上げた。再び冷房を効かせたが、2㍑入りの冷やしたペットボトルのお茶は、あっという間に身体の中に流れ込む。慎み深さなど皆無の僕は、シャツを脱ぎ棄て空蝉状態。夜になっても冷房を止めた部屋の温度は30度以上。さて今夜の冷房はどうしよう。今宵も熱帯夜になりそうなので、空蝉親爺にならぬよう、現身の暑さを避けてみようか。