勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

義理と人情

2012-02-15 22:37:00 | Weblog
 「義理と人情を 秤にかけりゃ 義理が重たい 男の世界」と『唐獅子牡丹』の歌詞にある。「義理がすたれば この世は闇だ・・・ 義理と人情の この世界」と詠うのは『人生劇場』である。

 「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」。そんな書き出しで始まる夏目漱石の小説「草枕」は、青年画家が詩を求め、人生について考える非人情の旅を描く。

 義理と人情は対で使われる言葉のようだが、我が大辞林によると、「人情」とは、人間が本来もっている人間らしい感情。特に、人に対する思いやりやいつくしみの心、とある。それに対して、「義理」とは、物事の正しい道筋とか、対人関係や社会関係の中で、守るべき道理として意識されたもの、だそうだ。

 1年のうちで最も「義理」が幅を利かす日がある。2月14日は、いわずと知れた「バレンタインデー」である。仕事柄、この日は多くの義理に包まれたチョコレートが届く。年々減る一方だった義理の包みが、今年は少しだけ増えたようだが。


 この義理チョコ、守るべき道理として意識されたもの、と勘違いしそうだが、「義理」の意味にはもうひとつ、他人(ひと)との交際上やむを得ずしなければならないこと、という意味もあった。そうか、この包みの中身は、やむを得ずしなければならないこと、が入っているのか。。。

 義理がすたればこの世は闇というが、義理と人情を秤にかけりゃ、味わうチョコもほろ苦く、義理の重さも感じるバレンタインデーではあった。