歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

ニッポンを食尽す大怪獣ジバニャン

2014年12月22日 | 日記
この頃こんなキャラクターが流行っているのを知っているだろうか。





名前はジバニャン。

2013年に発売されたニンテンドー3DS専用ゲームソフト「妖怪ウォッチ」に登場する主役級のキャラクターだ。

この妖怪ウォッチの人気が現在子どもたちの間で社会現象となっている。

まわりに子どもがいないので、流行ってからしばらくは知らなかったのだが、

もはや町を歩けばどこかしらで目にするオレンジ色の猫のフォルム。

そろそろ無視出来なくなってきた。



このキャラクターの存在を「くだらない」と言って一掃するつもりはない。

ただこのキャラクターの存在意義を考えるとなんだかやるせなくなるのだ。



最近仕事でよく映画館に出入りしていて、つい先日妖怪ウォッチの映画が公開されることになった。

公開当日も映画館に居合わせたのだが、その日は本当にいろいろと考えさせられた。

もともと妖怪ウォッチはクロスメディアとして売り出されたものであり、

既にゲームから飛び出しアニメやヘンテコな歌でかなりの経済効果を生み出している。

この映画もそのプロジェクトの一環といえる。



その日は朝から映画館のロビーが人でごった返していた。

人口密度70%くらいだろうか、身動きが取れないほどだ。

客の9割が親子か家族で、その半分以上は子どもだ。

早い時間帯からどんどん席が埋まっていく中、親たちが子どものために一生懸命になってチケットをとり、

一生懸命になってジバニャンカップのポップコーンを買い、妖怪ウォッチ限定メダルを確保している。



妖怪ウォッチに対する皆の信じきった目と子どものために妖怪ウォッチに従事する親たちの行動は、

見ていてとても違和感を感じるものであったし少しだが怖ささえ感じた。



何者なんだ、この猫は。

新興宗教の教祖的力を持っているのか?



多くの子どもがそろってジバニャンが好きだと言う分には、

与えられたものを素直に受け取った結果にすぎないわけでかわいいもんである。



問題はそれを何の疑いもなく与え続ける大人たちだ。

こうやって小さな頃から一部の大人の都合のいい様に育てあげられるのかもしれない。

ジバニャンはお金儲けのための最高のコンテンツにすぎないのだ。



映画館がこんなに込み合う事もそうないわけで、

興行収入とか構造的な話になると子どもにウケるものがてっとり早いわけで、

そういうものにお金をかけるとなると情熱的に映画をつくるマイナーな映画監督がつぶされてしまうわけで、

日本の文化水準がどんどん下がってしまう。

なんだかやるせないな。



メディアを通して一元化されていく価値。

妖怪ウォッチの映画の公開初日は危機感さえ覚える風景であった。

こんなうさんくさい猫にニッポンを乗っ取られてたまるか。



最近大事な選挙があったというのにその話が巷で話題になる事はほとんどない。

人々はジバニャンに夢中になり、東京駅記念Suicaがもらえなくて怒り、無心に仕事場に向かう。

これはいったいどういうことなんだろうか?
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