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ジェームズ・ワン祭り『死霊館 エンフィールド事件』『インシディアス』

2020年06月15日 | 映画
立て続きにホラー映画を3本観たのはこの方初めて。

しかも全部ジェームズ・ワン監督作品だ。

先日観た『死霊館』シリーズの続編でイギリスが舞台の『エンフィールド事件』と、

『ソウ』と並んでよく監督の代表作にあげられる『インシディアス』。

これがまた癖の強い映画でした。



以下ネタバレあり。



『死霊館 エンフィールド事件』

監督:ジェームズ・ワン
脚本:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ、ジェームズ・ワン、デヴィッド・レスリー・ジョンソン
原案:チャド・ヘイズ、ケイリー・W・ヘイズ、ジェームズ・ワン
製作:ピーター・サフラン、ロブ・コーワン
製作総指:ウォルター・ハマダ、デイヴ・ノイスタッター
出演者:ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン
音楽:ジョセフ・ビシャラ
公開年:2016



史上最長のポルターガイスト現象とされるエンフィールド事件を題材とした実話。

あらすじ
ロンドン北部に位置するエンフィールドで、4人の子供とシングルマザーの家族は、
正体不明の音やひとりでに動く家具が襲ってくるなど説明のつかない数々の現象に悩まされていた。
助けを求められた心霊研究家のウォーレン夫妻(パトリック・ウィルソン、ヴェラ・ファーミガ)は、
一家を苦しめる恐怖の元凶を探るため彼らの家に向かう。
幾多の事件を解決に導いた夫妻ですら、その家の邪悪な闇に危機感を抱き……。
Yahoo!映画より引用)



「ジェームズ・ワン」×「実話」×「ホラー」という方程式も2回目なので前作ほどの衝撃はなかった。

それでも全体的にまとまった質の高い面白い作品だと思う。



恐怖指数はズバリ、前作の『死霊館』より怖かった。

その理由は明確でシスターの姿をした悪魔のビジュアルが怖すぎたから。

あの顔はさすがに怖い。

それでも不思議なもので悪魔だと思うとホッとするこの矛盾。



前作と違うといえば、心霊現象が本物なのか自作自演なのかという世間的なジャッジが強く反映されていたこと。

わかりやすい構図として、標的の家族、彼らを無条件で信じる専門家、否定的な専門家、

それを見極めるためにアメリカから派遣されたウォーレン夫妻という4つの軸で語られる。

ウォーレン夫妻は少しずつ家族と打ち解けていくのだが、

相反して本物の心霊現象である証拠がなかなか見当たらず、ついには自作自演の証拠が出てきてしまう。

それ以上はかばいきることができず、後ろ髪を引かれつつも調査隊は家族の元を離れることに。

その時の家族の心細さを思うともう胸が張り裂けそうで、やっぱり泣いた。

しかしそれは調査隊を退けるための悪魔による自作自演だったのだ。



ってやっぱ悪魔悪魔って連呼するとリアリティが減少するな。

だって私怨ならまだわかるけど悪魔って馴染みがなさすぎる。

海外のホラーが日本人にとってあまり怖くない理由はいくつかあるけれど、

3作連続で見て思ったのは(全部同じ監督だけどね)正体がはっきりしすぎなんだと思う。

ビジュアルもたくさん流れれば慣れてくる。

前述のシスターの姿をした悪魔もクライマックスでは、禍々しい顔が画面に映り続けている。

そうなるともはやモンスターに近くなるので、心の奥底の恐怖心はくすぐられない。

私が怖いのは想像する余地がたくさんある正体不明の湿っぽい静かな存在だ。



でもやはりこの映画はホラーによりすぎずとも、ストーリーがちゃんと立っているので面白い。

実話だと思うから面白いのかもしれないけど。

エンフィールド事件はもっとも信憑性の高い心霊現象としてそちら界隈ではとても有名な事件らしい。

前作と同じく子供の多い一家が異常事態に巻き込まれるのだが今回は父親がいない。

それもあってか母親が子供たちを守る姿が胸を締め付ける。

ウォーレン夫妻の夫エドが家族を楽しませるために子供たちの大好きなエルビスの曲を歌うのだが、

嬉しそうな家族の顔を見てこれまたボロボロ泣いてしまった。

大人の男の人がいるだけでホッとする。

それにしても我ながら涙腺どうなってんのか不思議。



前作に引き続きようござんした。

『死霊館』シリーズはスピンオフ含めあと7作もあるようだけど、この2作が評判がいいらしいのでもういいかな。

また忘れた頃に観るとしよう。





『インシディアス』

監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
製作:オーレン・ペリ、スティーヴン・シュナイダー、ジェイソン・ブラム
製作総指揮:ブライアン・カバナー=ジョーンズ
出演者:パトリック・ウィルソン、ローズ・バーン
音楽:ジョセフ・ビシャラ
公開年:2011



とにかくネームバリューがすごい。

監督がジェームズ・ワン、脚本が『ソウ』のリー・ワネル、製作には『パラノーマル・アクディビティ』のオーレン・ペリ。

『パラノーマル・アクディビティ』はすごい話題になっていたのでホラーに疎い私でも知っている、見てないけど。

前2作とは全く別物で完全なるノンフィクション。

あらすじ
ジョシュ(パトリック・ウィルソン)と妻のルネ(ローズ・バーン)は、3人の子どもと一緒に新しい家に移り住む。
彼らは、多少老朽化してはいるものの、広い家で子育てと仕事に専念するはずだった。
だが、引っ越し直後から屋根裏で奇妙な物音が聞こえたり、勝手に物が移動したりする現象が起こり始め、一家は不安に陥る。
Yahoo!映画より引用)



思わずこれはホラーなの?って突っ込みたくなるびっくり箱みたいな映画だった。

恐怖指数はかなり低い、というか全く怖くない。

アメリカのホラーってもしかして怖さはあまり重要視していないのかな(全部同じ監督だけどね)。

大抵悪との対決という明確なクライマックスが待っており、

あくまで人間が悪に打ち勝つということが大事だと言わんばかり。

『シャイニング』とか『時計仕掛けのオレンジ』とか精神に訴えかけてくる映画は確かに怖い、

けどどっちもキューブリック!!

あとアメリカのサイコスリラーは超怖い。



『インシディアス』は恐怖心を煽る音がとにかく大きい。

まずタイトルコールとともにガガーーンギュイーーン!!みたいな不快な音が大音量でなる。

霊など異形が出てくるときもわざとらしいくらい大ボリュームなので、怖さという点においては逆に白ける。



幽体離脱という題材は新鮮だった。

貴志祐介ファンとしてはやはり小説『十三番目の人格 ISOLA』を思い出す。

最後の方は幽体離脱した魂の戦いがメインでもう何が何やら。

戦いの舞台も現実世界とは異なるよくわからない空間でもはやファンタジーだ。

そして最大の敵たる悪魔がまさかのダース・モール!!!

赤い顔に黒い線の入った手足の長いダース・モール!!!

これには思わず笑ってしまった。

調べたら観た人はみんなそう感じるらしい。



怖くないし、ストーリーもなんだか散らかってるけど発想は面白かった。

途中で一回寝ちゃったけどね。



そんなこんなで3作連続ジェームズ・ワンホラー映画鑑賞会はなかなか面白かった。

もうお腹いっぱいなので、しばらくホラーはいいかな。

3作ともそこまで怖くなかったとはいえすっかりホラー脳になっていたのだろうね。

昨日深夜トイレに入ったら水がジャーって流れててかなりびっくりした。

夫はまだ帰ってきてないし誰かがトイレを流したばかりというわけでもなさそう。

えっもしかしてホラー映画ばかり観てなんか寄ってきた?

こういうこと本当にあるんかな、、、、どうしよう用足したいのにこれじゃ困る、、、。

でもやっぱり現実的じゃないので原因を探るとレバーが上がったままだった。

ずっと流れっぱなしだったようだ。

な〜んだと思いつつ少しホッとしたのは言うまでもない。

最大の敵は恐怖心なんでしょうね。

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