斉藤和義の『君の顔が好きだ』という歌があるけれど、あの歌はいい。
よくよく聞けば別に綺麗な顔が好きとは言ってない。
ただ形あるものが好きなんだという真っ正直な歌だと思う。
最近、久々に俳優に一目惚れした。
初めて見た瞬間、多少の動揺と共にバキューンと撃ち抜かれた。
顔でこれほど突き刺さるのは稀。
斉藤和義と違って私はこのかっこいい顔が好きだ。
ラキース・スタンフィールド、31歳。
え、ちょ、かっこよすぎでは!??
初めて見たのはジョーダンピール監督の『ゲット・アウト』。
主役のダニエル・カルーヤもいいけれど、ちょっとしか出ていないラキースにやられた。
白人だらけのパーティーで黒人の後ろ姿を見つけ声をかける主人公だが、
振り返ったラキースの顔に戸惑う。
はっ、かっこいい!!、、、けど怖い。
笑顔なのに人を不安にさせる表情だ。
その時は「なんなんだ彼は?」という衝撃体験として終わった。
ちなみに『ゲット・アウト』はとても面白かった。
人種差別がテーマのホラーなのだけど、着眼点が他と違う。
一見リベラルな白人による理解と無理解、そこらへんの塩梅が絶妙で怖かった。
黄色人種がほとんどの日本で人種差別はピンとこないけれど、我ながら無自覚すぎると思う。
日本人だって欧米に出れば差別される側だ。
今年のオスカーは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』祭りだった。
作品賞と主演女優賞、助演男優賞など最多7冠を受賞した。
同じアジアにルーツを持つ者として、やはり嬉しいものは嬉しいのだ。
それから1ヶ月も経たないうちに彼に再開した。
軽い気持ちで見始めた『ナイブス・アウト 名探偵と刃の館の秘密』だ。
主演がダニエル・クレイグで気楽に観れるかと思ったら、いるではないかラキースが。
こんなメジャーな映画に出る俳優なのか。
物語そっちのけでラキースに釘付けだった。
はぁかっこいい。
ちなみに『ナイブス・アウト』シリーズはどちらも観たけど、あまりはまらなかった。
1作目はジェイリー・ミー・カーティスが印象的だった。
2作目の『グラスオニオン』にはエドワード・ノートンが出ていたので最後まで観た。
薄っぺらで胡散臭い役が本当にうまい。
最後グラスオニオンの邸宅を燃やしたのはよかったと思う。
前半は丁寧に物語を作っておいて、
ラストは理屈抜きで暴力をふるってぶっ壊すという映画が最近増えた気がする。
もはや理屈など通じぬ世界なのかもしれないね。
そして知人に勧められたドナルド・グローヴァーのドラマ『アトランタ』。
勧められてから数ヶ月決め手がなかったけど、ラキースが出てることを知りすかさず見た。
まーーた変な役、でも本当にかっこいい。
今まで顔に持っていかれて気づかなかったけど、この俳優演技派なのでは?
知性と柔らかさと愚鈍さと怖さを持ったつかみどころのない役だ。
言葉を持っている人なんだけど、実社会ではつまはじきにされるタイプだ。
まだ途中だけど、このドラマ面白いぞ。
主役のドナルド・グローヴァーもいい味出してる。
助演のブライアン・タイリー・ヘンリーは初めて見たけど、
屈強な体躯とは裏腹に、たまに見せる不安そうな表情がいい。
『アトランタ』https://www.cinra.net/article/202206-atlanta_ymmtkclより引用↓
オフビートなコメディでありながらアメリカのポップカルチャーや社会状況をクリエイター二人のパーソナルな実感に基づいて描き出してきた『アトランタ』。シーズン1、2ではラッパー「ペーパーボーイ」のマネージャーを担当する主人公アーンを取り巻く周囲の人々を通じて、アメリカで黒人として生きる上で感じる不条理や欺瞞をアイロニカルに描写していたが、今回配信のシーズン3では舞台をヨーロッパにまで広げ、よりシュールかつ幅広い物語が展開される。
9月に日本公開される『ホーンテッドマンション』のリメイクにも出るらしいから観に行こう。
その前にエディ・マーフィーの『ホーンテッドマンション』も観なきゃな。
好きな俳優がいると、映画ライフが思わぬ展開をするから楽しいね。
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