日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

高校サッカー決勝戦 広島皆実初優勝!大迫勇也は大会新記録の10得点

2009年01月13日 | soccer

2008年12月30日から始まった第87回全国高校サッカー選手権大会は、ついに決勝戦を迎えることになりました。今年の決勝のカードは鹿児島城西VS広島皆実の対戦。鹿児島城西はチーム全体で27得点、現在9得点の大迫勇也はこの試合で新記録となる10得点目を叩き出せるのか?対する広島皆実は、堅守で城西の攻撃陣を封じ込み、広島勢では久々の高校日本一を目指します。どちらが勝っても初優勝の大一番、試合は点の取り合いとなりました。

決勝戦の舞台・国立競技場は、試合開始前から曇り空→小雪が舞っていました。運命の決勝は皆実ボールでキックオフ。序盤から皆実がペースを握ると、城西エース・大迫勇をマークしてシュートを打たせません。5分、ペナルティエリア内でクリアボールを奪った玉田耕平がバランスを崩しながらも右足でシュートを放ちますが、城西GK・神園優がこれをセーブします。対する城西は18分、左サイドにいた野村章悟のクロスに勇也が飛び込んでいきますが、僅かに左へ外れていきます。
試合が動いたのは前半20分、城西は大迫勇也が大迫希のパスを受けると、ペナルティエリア内で相手DFに囲まれますが、最後は左足で決めてゴール!大迫勇也が大会新記録の10得点目を挙げて鹿児島城西が先制します!勇也は先制点を決めた後の22分、相手ボールを奪って右サイドでドリブル突破した後にミドルシュートを放ちますが、GKに阻まれます。23分、広島皆実は中盤でボールを支配すると、浜田晃が左サイドでクロスを入れ、佐々木進が頭で落とした後に中央から走りこんできた金島悠太が右足で豪快に決めて同点に追いつきます。先制からわずか3分で試合は振り出しに戻ります。
皆実は32分、中盤でボールを奪った後左サイドでパスを繋ぎ、ゴール前にいた金島へパスを出すが、GKが先にキャッチします。33分、金島のパスを受けた谷本泰基のシュートが相手DFにブロックされるが、もう一度拾うとクロスと見せかけて右足シュートが決まり逆転!前半終了間際、右サイドからのFKを松岡祐介が頭で合わせますが、ゴールライン手前で城西DF・松井駿佑が間一髪でクリア。今度は玉田が頭で押し込もうとするもバーの上。前半は2-1で広島皆実1点リードで折り返します。

後半、1点を追いかける鹿児島城西は、大迫希に代えて平原慎也を投入。平原が投入されると、城西のパスが繋がりだし、平原もギリギリのところからエリア内に進入する場面も見られたんですが、なかなか同点ゴールが生まれません。
そして17分、右サイドの平原がドリブルで進入して中央へパス。これを野村が右足で決めて同点に!試合はまたも振り出し!城西の交代策が的中し、流れが城西に来ているのか?しかし後半21分、皆実は右サイドの村田俊介がクロス、ボールはGKの頭上を越えると金島が頭で合わせてゴール!同点にされたものの、金島のこの試合2点目のゴールでまたも勝ち越しに成功!流れを取り戻しました。
皆実はこの後、城西の猛反撃に遭いますが、ここは堅守で同点を許しません。城西はロスタイム直前、左サイド寄りのところでFKを獲得。GKも上がって総力戦となり、平原がゴール前へセンタリングするが皆実GKがキャッチ。さらにまたFKのチャンスを得るも皆実がクリア。大迫勇也もドリブルで上がるもシュートが打てず。そしてロスタイムの2分が過ぎたところで試合終了!広島皆実が終盤の猛攻を守り切って見事初優勝を飾りました!


試合前は鹿児島城西が大量得点で勝つか、皆実が堅守でロースコアに持ち込んで勝つのかのどちらかと思っていました。内容からすると、序盤から広島皆実が優位に進めたものの、大迫勇也選手の先制点で城西ペースになるだろうとなるはずでした。しかし、すぐに金島選手のゴールで同点に追いつくと、谷本選手が逆転ゴールで皆実がリードする展開。後半も両チームにゴールが生まれ、終わってみれば3-2のゴール合戦、試合前の予想を覆す内容と結果になりました。
優勝した広島皆実高等学校は、創部60年目で悲願の高校日本一に輝き、広島県勢では山陽高校以来40年ぶりの全国制覇をもたらしました(単独優勝では修道高校以来47年ぶり)。広島勢の優勝はこれが9回目、首都圏大会に移行してからは初優勝となります。決勝戦で2ゴールを上げた金島選手は、3得点全てに絡む活躍で優勝に大きく貢献。準決勝・決勝の2試合で3得点を叩き出しました。実は金島選手、今週末にセンター試験が控えているそうで、宿舎に戻れば参考書を片手に試験勉強に取り組んでいたんだとか。これで意気揚々とセンター試験に臨むことができ、志望校に合格したら大学サッカーで活躍することでしょう。
チームは6試合で3失点、そのうち完封勝利が4試合ありました。決勝では2失点喫しましたが、超攻撃的チームの城西を相手に2失点に抑えたことで、広島皆実の堅守ぶりを改めて証明することが出来ました。もし他のチームが決勝で城西と戦ったら、大量失点はしていたかも。鹿児島城西とは今季3度練習試合で対戦していて、皆実は全てその試合で勝っているんです。城西のプレースタイルを知り尽くしていた事が優勝に繋がったんじゃないでしょうか。
敗れて準優勝となった鹿児島城西は、大迫勇也選手と野村選手が6試合全てゴールを挙げる活躍を見せ、チーム全体のゴール数が6試合で29得点を挙げたことになります。一時同点弾を決めた野村選手は、7得点で今大会の得点ランキング2位、得点王争いの上位を城西の2トップが独占するということに。一方で守備面の課題が最後まで浮き彫りとなった形となりました。広島皆実が3失点だったのに対し、6試合で13失点、1試合平均で2失点は喫しています。来季も出場するためには、守備面の強化が求められそうです。
さて、今大会の№1ストライカー・大迫勇也選手は、前人未到の10得点を挙げて文句なしの得点王となりました。決勝でも先制点を決めたのですが、試合後に「力不足でした」と反省の弁を述べていました。それでも鮮やかさと豪快なゴールで大会を大いに盛り上げ、10ゴールの記録と強烈なインパクトを残してくれました。いつもは激辛なサッカー協会の犬飼会長も「鹿児島のようなJクラブがない県でこういう選手が育つのはうれしい」とお褒めのコメントを頂きました。卒業後の進路先である鹿島アントラーズでは主力クラスの活躍を期待したいし、2012年のロンドン五輪では香川真司選手と共に日本代表の中心選手となってくれることを願っています。

全国高校サッカー選手権は、野洲高校、盛岡商業、流通経済大学柏、広島皆実と4年連続で初優勝校のチームが出ました。「九州VS関東」の時代から群雄割拠の時代となった現代の高校サッカー、来年はどんなドラマが生まれるのか?1,2年生は来年もあるけど、3年生は卒業後はJリーグや大学に進む人や、この大会を最後にサッカーを引退する人もいます。卒業後はそれぞれの道で頑張ってほしいと思います。選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして広島皆実高校の生徒の皆さん、優勝おめでとうございます。


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コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (スポーツ瓦版)
2009-01-13 10:41:05
TB有り難う御座います。
やっぱり守備が良い方が有利ですよね。
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城西、惜しかったなあ… (たかびごん)
2009-01-15 19:23:33
皆実はサッカーがクレバーだったですね…
来年こそは、九州勢が優勝ばい!!
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コメントありがとうございます (魔胃蹴)
2009-01-16 22:34:49
スポーツ瓦版さん
守備のよさも勝敗を左右したんでしょう。城西の場合は失点が多かったからな…。

たかびごんさん
5年前の鹿児島実業を最後に九州勢の優勝がないんですよね。最近は国見も全国大会に出ていない…。
九州勢が優勝してほしい気持ちはあるでしょうが、私の場合は関東勢、特に埼玉の高校には頑張ってほしいですね。
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