「第94回全国高校サッカー選手権大会」は、9日に埼玉スタジアム2002で準決勝2試合が行われました。2015年12月30日に開幕し、ベスト4まで勝ち進んだのは、前回優勝校の星稜(石川)、東福岡高校、青森山田、国学院久我山(東京A)の4チーム。11日の決勝戦に駒を進めたのは?
準決勝第1試合 星稜高校VS東福岡高校
4年連続ベスト4入りの星稜は、連覇まであと2勝。昨年夏の高校総体を制した東福岡は、1999年大会以来の決勝進出を目指します。
試合は序盤から東福岡ペースで進みます。前半6分に右サイドのスローインから、MF三宅海斗がドリブルでペナルティエリア内に進入し、そのままシュートまで持ち込んだが、サイドネット右に当たる。12分には左サイドからのCKを、ファーサイドにいたDF小田逸稀が頭で合わせたが、枠を捉えることができず。
星稜は40分、右サイドの高い位置にいたDF六田邦宏が味方の縦パスに反応したが、フィニッシュには持ち込めず。前半43分、東福岡は三宅のスルーパス→左サイドでフリーになっていたMF橋本和征がパスを受け、左足でシュートを放ったが、星稜DF・東方智紀が体を張ってブロック。0-0のまま迎えた前半終了間際、MF中村健人の縦パス→左サイドの橋本がグラウンダーで折り返し、MF藤川虎太朗が左足でゴール右隅に流し込み、東福岡が1点を先制します。
後半、1点を追いかける星稜は、後半9分に六田がミドルシュートを放つも、GKにキャッチされる。東福岡は後半10分、左サイドで中村がドリブルで持ち込み、右足を振り抜いたが、シュートは星稜GK・坂口璃久にセーブされる。後半12分、右サイドからのパスを受けたMF鍬先祐弥がドリブルから右足シュートを決める!東福岡が2-0とリードを拡げます。
2点差とされた星稜は、後半16分にFW窪田翔、後半24分にMF敷田唯を投入するが、なかなか流れを変えられず。東福岡は後半29分に左サイドのクロスから、中村が反転した後にヒールパス、最後は三宅が左足でシュートを狙ったが、ゴール右にそれてしまう。試合はその後、スコアが動かないまま試合終了。2-0で東福岡が星稜を下しました。
準決勝第2試合 青森山田VS国学院久我山
東京勢として17年ぶりにベスト4進出を果たした国学院久我山と、優勝候補の一角・青森山田の一戦は、後半アディショナルタイムにドラマが生まれました。
先制したのは青森山田でした。前半17分、左サイドでDF原山海里がロングスローを入れ、ニアサイドでDF常田克人が頭で落とし、最後はFW鳴海彰人が頭で押し込みゴールを奪います。先制点を取られた久我山ですが、20分にFW小林和樹が左サイドから強烈なシュートを叩き込むが、青森山田GK廣末陸の好セーブに阻まれる。しかし25分、CKのセカンドボールを拾ったMF名倉巧がPA左でクロスを上げ、最後はDF野村京平のヘディングシュートが決まり、1-1と試合を振り出しに戻します。
前半33分、青森山田は右サイドのFKから、ゴール前詰めていたMF嵯峨理久が右足ボレーシュートを狙ったが、クロスバーを直撃。久我山も40分、左CKからDF山本研の左足ミドル→野村が頭でコースを変えたが、これもクロスバーに当たってノーゴール。
後半に入り、青森山田は12分にカウンターからMF神谷優太がシュートを打つも相手に阻まれ、22分には左CKで変化をつけ、神谷がミドルを狙ったが、惜しくもクロスバー。久我山は24分に右サイドでFW内桶峻がグラウンダークロス→MF鈴木遥太郎のシュートはバーの上。28分には名倉が中央を突破してシュートを放ったが、わずかに左に外れる。
後半34分、青森山田は左サイドで神谷がクロス→途中出場・吉田開がこぼれ球をシュートするが、わずかに左。41分、久我山は名倉のスルーパス→FW澁谷雅也がGKをかわして左足シュート。しかし、ボールは枠を外す。
このまま同点のまま90分終了、PK戦突入かと思われた後半48分、久我山は比留間公祐の右CKが逆サイドに流れると、山本が左足ミドル→戸田佳佑の右足に当たってゴールイン。この1点が決勝点となり、久我山が2-1で逆転勝利を飾りました。
高校サッカー準決勝は、東福岡と国学院久我山が勝利し、11日に行われる決勝戦に進出しました。星稜との「王者対決」を制した東福岡は、好守で相手を圧倒。藤川選手と鍬先選手の2年生コンビがゴールを挙げ、守備でもシュートを1本しか打たせませんでした。チームは5試合で9得点。失点も1点のみで、3回戦の市立船橋戦から3試合連続無失点です。「史上最弱」といわれながらも磐石の強さで決勝まで進出。17年ぶり3度目の優勝&夏冬2冠まであと1勝です。
国学院久我山は「青森山田有利」の下馬評を覆し、初めての決勝進出。青森山田と互角の戦いを演じ、後半終了直前に勝ち越し点が生まれました。決勝ゴールを挙げた戸田選手は、山本選手のミドルシュートを右足でコースを変えました。青森山田のGKの廣末選手が一歩も動けませんでしたね。準々決勝の前橋育英戦に続き、またしても強豪校を撃破。快進撃を続けるダークホースが、勢いそのままに頂点を狙います。
福岡勢VS東京勢の決勝といえば、東福岡と帝京が2年続けて決勝で対戦し、「雪の国立」として今なお有名な1998年は、東福岡が2-1で勝利。翌年の99年は東福岡がリベンジに燃える帝京を返り討ちして連覇を達成しています。果たして今年はどうなるのか?注目の決勝戦は11日の午後2時5分にキックオフ予定。