お客様から、早く早くとの要求があって、愛媛県の新居浜に出かけた。正式な受注は来ていないのに、不思議なことではあるが、「お客様は神様だ」がモットーの私なので、すぐさま対応した。新居浜は初めてなので観光気分でもあったから。
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営業と二人だった。「のぞみ」で小倉から岡山へ。そこからJR四国の特急「しおかぜ」で瀬戸大橋を渡った。香川県には関連会社があって、以前はよく来ていたが、愛媛県の瀬戸内沿いは始めてだ。薄日が差す良い天気だったが、幸いにもそう暑くはなかった。スーツなので暑いと堪らない。
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<o:p>岡山駅で買った駅弁、花だより。岡山の県花は桃の花、北海道ははまなすでした。</o:p>
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5両編成の特急「しおかぜ」の2号車の最後部座席に座っていた。連結部に近いこともあるとは思うが九州の特急と比べて揺れが大きいように感じられた。振り子式などの新メカが搭載されていないのだろうか。
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岡山から1時間半で、目指す新居浜に着いた。タクシーでお客様の事務所へ。新居浜は日立の日立市、旭化成の延岡市のように企業城下町であって、住友の新居浜市である。化学コンビナートと重機系の工場が海岸を埋め尽くしている。
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お客様は待ちかねていて早速商談に入った。開口一番、価格は何とかなりませんか!という。それが我々を待ち受けた目的だった。最近の諸物価高騰の影響で、ゼネコンとして受注した物件が、我社の見積もりを見て泡食ったらしい。何しろ3年前の標準価格が、現在は3倍にも跳ね上がっているという現状を見落としていたようだ。
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最近の材料の高騰・入手困難などを説明し、コストを下げる手段として仕様の見直し案などをディスカッションしたが、そう簡単にはうまくいかない。最終ユーザーの思惑・仕様があるからだ。
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客先の技術陣、購買担当などと膝を詰めて話し合ったが、結論は最終ユーザーに現状の相場、技術ポイントを理解してもらう以外には手はないということになって、早急に最終ユーザーとの打ち合わせの場を持つことになった。もちろん、我社にも同行して欲しいとの要望があった。
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疲れ果てて、帰りの特急に飛び乗った。材料の高騰が、いろんな形で企業へ暗い影を投げかけている。我が社も今期は赤字の見通しだ。これ以上、価格が上がれば、いかに受注が好調でも利益がなくなるだろう。
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帰りに新幹線に乗り込む前におみやげを見た。桃が有名なので安ければと思ったが、なんと8個で4800円、2個でも1~2000円する。日帰り出張だから手当がないので、買うのを諦めた。「桃の夭夭たる!」で、白い果実が好きなのだが。
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