どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

宮崎アニメ新作公開まで...。

2023年07月06日 20時30分00秒 | 映画
あと一週間か。

NHK夕方のニュースでインタビューを。

目が二重に描かれているのがポイント...鳥の扮装をしている人物っぽいけど。

今回は製作委員会形式を採らず、ジブリ1社による自主制作映画だという。

それだけに好きなことができるのだ...勝算タップリな博打だけどね(こうやってメディアが気にして寄ってくるワケだし)。


まぁ...確かにそれはそう。

ネットによる情報合戦で、我々はいつの間にか公開前に見てしまったくらいの気持ちにまでなってしまっているしね。

コロナとか近年勃発した戦争をイメージしての事なんだろうが...この辺りは誘導されてるっぽいけどね(^_^;

期待が膨らむのはここの部分。

本田雄さんというちょっと違和感のある組み合わせ...いい意味での窯変となるのか...宮崎さんにどんな影響を与えているのかが楽しみなところ。

したり顔で締めくくり(笑)

鈴木さん背後のカオナシが何かを物語っているようで、気になってしかたなかった5分ほどのインタビューだったなと(^_^;



やはりヴィム・ヴェンダースは...。

2023年06月05日 20時50分00秒 | 映画
自分には敷居が高すぎて...(´д`)

今回カンヌで「パーフェクトデイズ」が注目されたし、あらためて彼の作品を抑えておこうと、代表作でもある「ベルリン天使の詩」とその続編をアマプラ配信にて鑑賞。

恐らく今回が初鑑賞ではなく、作品を観ていくとチョイチョイ覚えのあるシーンやカットがあるのだが、途中で挫折したり寝落ちしたりしているんだよね(^_^;

正直、今回も途中睡魔との戦いになったのだが、なんとか最後まで見通せた。

カラー部分の色合いはアグファっぽく、シーン所々に赤いものを挿したりして、小津っぽい(*^o^*)と唸らされたり、ナチスドイツの重く暗い影を引きずる辛さ...そして2作通して壁の崩壊前後の変化など、いろいろ印象的なのだが...。

如何せん、文化・宗教・哲学思想などなど、あまりに知識不足なので、囁くようなセリフのほとんどが難解で理解が追いつかない辛さが...(´д`)

そのため筋の展開も所々繋ぎがわからず難渋するばかりだった。

でもまぁ...こういう作風なのだなと改めて見ておいて良かったのだと思う。

ピーター・フォークさんも味があるし、あの天使の描写も後々の作品に多大な影響を与えたのがよく分かったしね。

エヴァなんかもその系譜となるのだろう。

決して面白いとは言えないが、良い作品だなと思った次第。

勉強になりました〜。



役所広司さん、男優賞!

2023年05月30日 19時15分00秒 | 映画
昨日、こんな想い(というか愚痴(^_^;)を書いていたら、カンヌ映画祭からすばらしいニュースを目にした。

俳優・役所広司さんが男優賞(ん?主演とか助演っとかってのは無いのか?)を獲得したという。

柳楽優弥さん以来の快挙で、ベテラン俳優が若手に向けて「やっと追いついた」というコメントが微笑ましい(^_^)

監督のヴィム・ヴェンダースさんは小津作品の信奉者でもあり、該当作「パーフェクト・デイズ」も小津風味タップリな作風なので公開が楽しみだ(*^o^*)

「私の笠智衆がここに」なんて...最高な贈り言葉じゃないの〜(ノД`)

小津さんも天国で喜んで...いや苦笑ってところかな(^_^;

この写真有名だけど、ジャンプしていたのか...そんな風に見えないところがまた小津さんらしい(笑)



映画「首」、なかなか良いかも

2023年05月24日 18時39分00秒 | 映画
北野武監督作、6年ぶりなのだそう...。

北野作品ってほとんど観ないのだが、これまで唯一の時代劇「座頭市」がとても良いと思えたので、ヤクザものよりそっちをもっとやれば良いのになぁと思っていた。

原作小説も彼によるものらしいが、ここの来て待望の本格的時代劇のようで楽しみ(*^o^*)

プロモーション映像を見るに、軽妙な中にも狂気が潜ませてあるようで、合戦シーンはかなり気合いも入っていて、おそらく「影武者」や「乱」など後期黒澤作品を意識している感じがする。

11月か...映画館行ってまで観る価値はあるかもしれない。



つるばみ色のなぎ子たち

2023年05月22日 18時35分00秒 | 映画
「マイマイ新子と千年の魔法」や「この世界の片隅に」など、素晴らしい作品を手がけてきた片渕須直さんの最新監督作!

そのタイトルがこの度発表された(^_^)

「つるばみ」は漢字で「橡」と書き、クヌギやドングリの古語らしい。

どんな色なのかを求め、深く検証しているメイキングも。


「マイマイ新子と千年の魔法」との繋がりが深そうな作品だけど、まだまだ判らないことだらけ...。

実際に作品を拝めるのは数年先のことになりそう...。

だけど...片渕さんの作品は特に時間がどれだけかかっても問題なし!

ジックリと良い作品となるよう期待して待ちましょう(*^o^*)



「2001年宇宙の旅」に「晩春」を感じる(3)

2023年05月21日 17時55分00秒 | 映画
今日ひさしぶりにアマプラで「2001年宇宙の旅」を日本語吹き替え版で観た(字幕版が観たいカミサンはブーブーしてたがw)のだが、いや〜いつみても古びず素晴らしい作品だなぁ...と。

鑑賞に満足しつつ、読みさしの本「小津安二郎」に目を落として、思いも寄らぬ一文に驚いてしまった(^_^;

京都での二度目の夜、父と娘は帰りの仕度をしながら会話する。その中で、笠智衆がカバンにしまう本のタイトルを写すためかのように、本を手に取って眺める場面がある。大学教授らしく洋書であり、それはニーチェの『ツァラトゥストラ』ではないか。

ツァラトゥストラと言えば、「2001年宇宙の旅」のイメージ濃厚なワードでもあり、以前同作に小津監督作「晩春」の匂いというか影みたいなものを感じ、当ブログにアレコレ書いてみたことがあったのだが...。

確かに父・周吉はこの本と手に取り、明確に表紙を見せている。

「THUS SPAKE ZARATHUSTRA」...紛れもなくドイツ語で「ツァラトゥストラはかく語りき」とあるではないか。

これは初めて気づかされた...著者は「2001年〜」との関連づけをしているワケではなく、別の考察をしている。

またキューブリックさんが小津作品に影響を受けていたという話しも聞いたこともない...。

だがあまりのタイミングに自分としては「2001年〜」との繋がりをますます深く感じ入ってしまった次第。



突貫小僧

2023年05月17日 18時15分00秒 | 映画
言わずと知れた...まぁ知る人ぞ知るって感じだろうが、サイレント時代の小津安二郎監督による名作だ。

原版は失われてしまっていて、これまでは9.5ミリフィルムの不鮮明な短縮版のみだったが、それがなんと20分39秒に編集されたものが発見されたという。

NHK・かながわ情報羅針盤

なんといっても16ミリフィルムというのが凄い!

より解像感・鮮明度が増し、原版に迫る画質なのではないだろうか。

これまでカットされていて確認できなかったシーンも含まれているという...。

是非とも男鹿みたいものだ!

それにしても...そのフィルムがネットオークションに出品されていたという...。

今風っちゃ今風だけど、有識者の目にとまったことに感謝したいものだ。



シン・仮面ライダー、メイキング

2023年04月02日 19時30分00秒 | 映画
とても興味深く見ることができた。

アクションシーンの表現について試行錯誤の経緯...。

オリジナルでアクションシーンを担当していた大野剣友会への思いとコダワリ...それは東映時代劇からの伝統芸でもあり、経験を積んだカタと段取りから成り立っている。

だが...庵野さんはその「段取り」が次第に鼻についてきて、全て否定的に。

アクションスタントマンの動きも嘘くさく見えるばかりで徐々に排除していき、仕舞いには池松さんなどメインキャストだけに絞ってしまう。

準備期間に時間が無かったのか...事前の演出プランの段階で方針を固められるはずではなかったのか?

あれではアクション担当の立場もないし、扱いも酷いなと。

意外だったのは主演でもある池松さんの活躍ぶりだった。

監督とアクション担当の間に立って、一緒に悩み、一緒に考えていた姿に好感がもてた。

それも現場で認知、影響していったのだろう、池松さん自身がアクションするシーンが目立って増えていく。

ショッカーライダーとの格闘シーンは結果的には全部カットされたが、池松さん自身が起こしてしまったアクシデントで何かが見えて来たという。


まぁ...やはりアニメ畑の人ゆえ、脳内で構築された映像にカッチリハマらないとダメなんだろうし、どれもこれもイメージとの差異をどれだけ埋められるかが課題なのだろう。

その結果が物凄い数の iPhone カメラでの撮影に繋がっているってワケで。

現場は凍り付くばかりで、尾上さんや轟木さんらの沈鬱な表情からは「ここに樋口さんがいてくれたらなぁ...」という心の声が聞こえてくるようだった(^_^;

それに比して、ライダーのデザイン設定会議やCGシーン制作の現場は和やかで楽しそう...。

やっぱりアニメ畑の人なんだよなぁと思うばかりだったね。

...ともあれ、このドキュメンタリーは非常に良かった。あのギクシャク感が作品によく反映されているなと。

ちなみに「段取り」臭いんでしょうけど、クモオーグや戦闘員との肉弾戦描写は素晴らしく、これがライダーのアクションだよなぁと個人的には一番好みだ。

重みを感じないCGは全くライダーらしくないし、新しいとも思えなかった次第。



シン・仮面ライダー、鑑賞2回目

2023年03月31日 22時10分00秒 | 映画
一番近場のユナイテッドシネマ新座にて。

本日から3週目特典の色紙・第2弾が貰えるのは知っていたが...。

前週特典・第1弾のとセットで貰えた(*^o^*)

恐らく余っているからなんだな...と思うと、ちょっと複雑な気分になるが...。

ロビーカウンターにはサイクロン号を模したドリンクホルダーが...まぁバカ高いんで大量に残っている模様。

在庫処分で半額とかにならないかな(^_^;

客入りは平日ということでもあり、10人前後...30台の男性ばかり...濃ゆい面々。

今回は弟と...彼は初鑑賞。

作風とストーリーは理解した上で観たので、それなりに楽しめた。

う〜ん...これはもうバトルアクション作品として観てはいけないね。

カメラフィックスで切り取られた美しい風景と、各人物の会話シーンに独特の味わいを感じた。

意識してるのかどうか不明だが、対面しての会話シーン...人物のセリフごとにカットバックする編集を観てると、コレまるで小津作品じゃなかろうか?と思えてくるのだ。

抑揚を抑えた演技やセリフ回しも、棒読みを揶揄されているが嫌いじゃない...というか好きだなコレと感じたり...。

小津さんがもし仮面ライダーを撮ったら...こんな風か?と想像を膨らませると、とても面白いかった(^_^)

BGMにサシレシアやポルカを流したら、最高なのではと\(^o^)/

涙目でずっと顔ふるわせている本郷と、すっとぼけた一文字のコンビも旧来の格好良さはまるでない。

だが、それが新味に感じてくると、良いダシにもなっていく。

だが、それに対して後半のイチローはやはり面白みのないキャラで、観ていて退屈になるのは初回同様だった。

バトルアクション作品として所々に良い部分もあるのだが、閉塞感があってダイナミックさもカタルシスも感じない。

力強い肉弾戦と、映り込む背景への影響(破壊)が足りなさすぎるのだ。

例えばクモオーグ戦にしたって、あんなに強力なライダーキックをくらい、地上の建造物に叩きつけられれば、そうとうな規模でぶっ壊れるはずなのに、ちょっとしたヒビが出る程度だし...。

特撮にかける予算が限られて仕方なく...なのかもしれないけど、そういうのが醍醐味なんだけどなぁ...。

弟も困惑していて、感想をまとめきれていない様子だった。

まぁ私が盛んにアレコレ言ったので、なるほどねぇ...って感じになっていたが(^_^;

ということで、映画館で本作を観るのはコレがラストかなという感じだ。

「シン・ゴジラ」は17回、「シン・ウルトラマン」は5回、そして本作は2回...まぁ評価の度合いも回数に比例していると言って良いかなというところ。



シン・仮面ライダー、映画作品としての問題点

2023年03月28日 21時20分00秒 | 映画
忖度なしに、ズバリ本作の問題点をついていると思う。

よくまぁこんな細かいネタまで...と随所に仕込まれたオリジナルや、石森作品からの引用は確かに凄い。

得意とするアングルや構図も重みや力強さが伝わってくるし、自分も好みだったり...。

入念に作りこまれた設定とあいまって、これでストーリーに面白さがあればと悔やまれる作品だなぁと。

記事で指摘されているように、現実社会とか一般民衆への接点とか影響...それを身近に感じさせる恐怖がまるでないので、ショッカーという存在が薄くて軽く根なし草のようにただただ空回りしているだけ。

コウモリオーグのエピソードも、肝心のヴィルースを使って人間を死に至らしめるシーンもなく、ハイテンションに暴れまわるだけの印象しか残らない。せめて彼のアジトである劇場の観客席に実験用に拉致してきた人間を並べておけば多少は怖さも表現できたのに...。

最後にイナズマンを持ってきたセンスは個人的にも唸るものを感じた。しかし...あの石森マンガの生々しいイナズマンの姿になった刹那、仮面ライダー第0号だとか言って馴染みのないヘルメットとスーツに隠してしまい、ダブルタイフーンまでブン回し、感情移入しかけたこっちは意味不明な展開に興をそがれてしまった。

「超力招来!」とか言ってくれて、イナズマンの姿そのままで電光バリバリに暴れまくってくれた方がどれだけ嬉しかったことか...まぁこれは個人的に感じた一例だけども、なんだかこんな調子でせっかくのネタもただ並べているだけで、機能していないのだ。

庵野ワールドは父・息子・娘の対立軸でストーリー展開することも多いが、娘を「妹」にした事により石森ワールドらしさが失われたように思う。

石森章太郎は「姉」に対するコンプレックスが世界観の源泉になっているからね。

いろいろ尽きないほどアレもコレもと言いたくなるが、本作に面白みが薄いがないのは庵野さんの「偏愛」ゆえか...好きが高じてネタ盛り込み過ぎ、映画作品としての完成度が疎かになってしまった格好だ。

そう、映画作品というよりも、ズラリと並べた庵野さん自慢の「趣味」...オタクコレクションを見ているかのような感覚だ。

対して「シン・ゴジラ」は愛も想いも薄かっただけに、「仕事」として存分に本領発揮でき、完成度の高い映画作品たり得たのだろう。