どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

シン・仮面ライダー、鑑賞

2023年03月19日 18時38分00秒 | 映画
先週末の最速上映...今さら言うまでもなくだけど(^_^;

場所はTOHOシネマズららぽーと冨士見、大型スクリーンTCXと、DOLBY ATMOS で鑑賞環境としてはバッチリだ。

1時間ちょっと前の予約状況だが、実際の客入りは1〜2割多めだったかな。

客層は男性多めだが、思ったより女性も。

年齢層はやはり中高年中心で、昭和ライダーに親しんだ世代だろうと感じる。

上映前にメインキャストによる部隊挨拶中継があったが、それ目当てではないので、ダラダラで退屈なトークにイラッとくるばかりで、良いから早く本編始めてくれ〜!という心境(^_^;

30分ほどの舞台挨拶がようやく終わり、他作品の予告編もなく、本編上映開始。

東映マークのあと、ドーンとインパクトあるバイクとトラックのカーチェイスに引き込まれ...。

まぁ...まだ上映始まったばかりで、ネタバレは無粋だろうから具体的な内容は避けるが...大まかに言えば前半90点、中盤60点、後半50点...全体的には65点というところか...。

一回のみの鑑賞では細かいところまで把握しきれてないので、複数回観れば感想も変化するかもだが、初頭のテンポとインパクトは中盤に差し掛かって失速、正直いって終盤はアクビが出てしまった...(´д`)

庵野さん独自の演出とストーリー展開には躁鬱極端なところがあり、鬱展開になってほしくないなぁ...という嫌な予感はあったのだが、やはりメンタルの深い沼に沈んでいくかのような展開に自分の心が離れてしまったようだ。

石森原作の拾い方や、ネタのチョイスは流石だなと思わせてくれるのだが、仮面ライダーの真骨頂はフィジカルなものだ。

メンタル描写は味付け程度に抑えて、前半のようなテンションを終盤まで維持してほしかったなと思う。

そのネタも敵オーグも満載すぎて、まとまりと深みに欠け、このキャラまで出す必要あるのかなぁ...とさえ感じ、違和感もあった。

緑川ルリ子の描写は面白いものもあったが、ちょっと前に出すぎて、本郷猛の存在感が薄れ、なんだかルリ子の使いっ走りにみえたりね。

シン・シリーズからあのキャラが登場したのは驚いたが、脇役にしては大きすぎて、変な展開になってしまうのではないかとかえって困惑...。

ちょっとノイズ感の多いネタばかりだったかなぁと。

ショッカーの組織としての存在感の稀薄さも気になった。このご時世で何らかの影響を受け、脚本の見直しや改編があったのかもしれない。

期待していたところを小さく、どうでも良いところを大きく取り上げた感があって、モヤモヤばかりが残ってしまった次第。

CG多用もガッカリで、特にパンチキックの格闘シーンでは止めてほしかったなぁ。

一番好感触ポイントはサイクロン号、その描写は凄く良かった!

自走するのはオリジナルにもあったし、飼い犬のように後からついてくるのが可愛かった(*^o^*)

ロケット噴射MAXに吹き、飛び上がる描写も原作再現で嬉しかったポイント。

サイクロン号にAI的なコミュニケーション機能を持たすなどして、もっとキャラ化しても面白いんじゃないかなぁと思ったくらいだ。

できればもう1〜2回観た上で、細かいネタをもとに後日また感想を書きたいと思っている...。

「シン・ゴジラ」は如何に奇跡的な傑作だったんだなぁ...と思うばかりなり。



影武者

2023年01月09日 18時00分00秒 | 映画
たまたまだったが、TVを付けたらBSPでやっていた。

おそらく昨日放送開始された大河ドラマ「どうする家康」に合わせての事だろうと思われるが...。

黒澤作品をリアルタイムで鑑賞できた思い出深いものなのだが、今観るとテンポも良くないし、ダラダラくどいなぁ...と感じてしまいつつラストまで観てしまったのだが...どのシーンも今じゃ撮れない豪華で大規模なスケールは凄まじいなとも。

武田の城もオープンセットなのだろうけど、かなり広域で緻密に作り込んであるし、人も馬も物凄い数を動員している。

あんな絵面はもう撮れないんだろうなぁ...と昨日の大河みて思っていたが、なんだか追い打ちかけられた気分に。

まぁ映画とTVドラマを比較するのは可愛そうなのだが...。



君たちはどう生きるか

2022年12月16日 19時10分00秒 | 映画
大々的な監督「引退」宣言したにも関わらず、いつの間にやら大作映画を5年かけてコツコツと...(^_^;

どんなワガママも大きな実績あれば蹴散らすのも容易なんでしょうな。

ファンタジー作品らしい。本田雄さんが作監してるってのが気にはなりますが...どんな作品なんだか見当も付かない。

まぁ...来年をお楽しみにってことですな...(´д`)



直接振動ときたか〜

2022年11月30日 20時36分00秒 | 映画
爆音とか重低音を観客にどう伝えるか...ついにシートから直接にってことでね。

もう40年以上も昔のことになるけど、パイオニアだったかな...マッサージチェアみたいに背もたれと座面に重低音を振動で響かせるオーディオ製品があったのを思い出す。

そのころから重低音好みだったので、使ってみたが、まぁそこそこ楽しめた記憶あり。

今のところはお台場のみだが、近隣のシネコンでも採用してほしいなぁとは思った次第。



王立宇宙軍、鑑賞

2022年10月29日 23時15分00秒 | 映画
「オネアミスの翼」とは決して言わない...「王立宇宙軍」あるいは「王立」ね(^_^)

それにしても公開35周年か〜...年取るワケだよねぇ...(´д`)

立川シネマシティ、fスタジオでの極上音響上映にて鑑賞。

客入りはほどほど。

客層はほぼ同年代のオッサン...それ以上か(^_^;

それはさておき...いやぁ良かったですねぇ!最高の鑑賞環境だったと思う(*^o^*)

やっぱり監督した山賀さんも仰っていたとおり、映像はもとより、それ以上に音響のクオリティがハンパなかった。

自ら立ち会って調整されたワケで...。

効果的だったのは、ど派手な爆発音などより静かな木造家屋に響く「ミシッ」とか「ギシッ」みたいな軋み音とか、宇宙船内に響く計器類のクリック音などが、生々しく心地良く伝わってくる...。

極上音響上映を存分に浸れた。

期待できないけど爆音上映バージョンでも鑑賞していたかった...ロケット打ち上げのドドーン!ズズーン!はきっと腹に響くと...!

ストーリー的には、やはりカウントダウンの緊迫感は映画館で増幅される...TVでは味わえないテンションが伝わってきた。

敵襲来で打ち上げを諦めかけた将軍が、シロツグの説得により「...やってみるか...秒読み戻せ」にグッときて涙が滲み出てきた。

そう...気づいたら、この作品を将軍の気持ちにシンクロして観ていたのだ。

映画は時を経る度に年齢や置かれた状況が影響して変わるものだが、まさに強くそれを感じさせられたなと...。

立川駅の前に設置されているアーチ状の巨大モニュメント...何度も来て見慣れたものだが、なんだかシロツグ達の住む星にありそうなテイストに見えてしまった(^_^;

鑑賞特典のポスターやらクリアファイル...なかなか満足感たかい記念品に(*^o^*)

ここのところ嫌な...凹むことばかりで、正直いって映画館に足を運ぶ心境ではなかったのだが、友人にも久々に会いたかったし、思い切って観にきた甲斐はあったかなと...。



目下一番の楽しみは〜

2022年10月21日 18時15分00秒 | 映画
おぉ!新聞に記事が出た!

これこれ!「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(*^o^*)

しかもですよ。

立川シネマシティ(おそらくシネマ・ワン)で極音上映という超理想な鑑賞に\(^o^)/

監督・山賀博之さん立ち会いの下で音響調整されたらしい...。

まさに極上です(*^o^*)



シャイニングに後も先も要らないなと

2022年09月20日 20時00分00秒 | 映画
同作に前日譚なる続編が企画されていたんですねぇ。

企画していたのは「ドクター・スリープ」の監督さん。

まぁ...アレはアレで色んな意味で面白かったし、前日譚ってのもネタ作品として楽しむことはできたのかも(^_^;

「ドクター・スリープ」の興収がふるわなかったのが要因みたいですけど...それでもね、「シャイニング」はアノ一作で完成度が高く、前も後も必要ないワケですよ。

出れば冷やかし半分で見てみるかってなるけど、ボツになっても残念でも惜しいとも全く思わないし(笑)



王立宇宙軍

2022年07月15日 19時25分00秒 | 映画
4Kリマスター化され、今秋Blu-ray発売とリバイバル上映が予定されてますね(^_^)

特に印象深いのは作品冒頭、雪が積もる原野を一人ゆくシロツグのシーンに重なって語られるナレーション...。

良いことなのか、それとも悪いことなのか、わからない。
でも、多くの人間がそうであるように、オレもまた自分の生まれた国で育った。
そして、ごく普通の中流家庭に生まれつくことができた。
だから、貴族の不幸も貧乏人の苦労も知らない。別に知りたいとも、思わない。
子供のころは、水軍のパイロットになりたかった。ジェットに乗るには、水軍に入るしかないからだ。
速く、高く、空を飛ぶことは何よりもすばらしく美しい。
でも、学校を卒業する2ヶ月前、そんなものにはなれないってことを成績表が教えてくれた。
だから、宇宙軍に入ったんだ。


至極名文!d(^_^)

80年代に20代だった我々世代の気分を代弁してくれている様で、概ね暗誦できるくらい大好きな一文です(*^o^*)

ガンダムでお馴染み安彦良和さんと、ガイナックスに関わり深く、本作にも携わった樋口真嗣さんの対談が本音炸裂で面白い。

樋口 何も知らない若造が、アニメ業界が何十年で構築してきたプロフェッショナルのシステムを全部、無視してやろうという気概でつくった映画でした。
安彦 『オネアミス』以降、アニメを知らない人は、あんなふうにやってほしいというんだ(笑)。ああいう緻密すぎる作画は病気みたいなものだから、引き合いに持ち出さないでくれと。

──週刊文春エンタ+より

これは本当に判りきったことで、アニメ業界は(今もなお)コストを極限まで切り詰めて業界として成り立っていたところに、樋口さんも言うように全く採算度外視で超絶なものを作ってしまった。宮崎駿という巨大な存在に加え、「うとましいニュータイプみたいなこいつら」まで出現し、すっかり心が折れ業界を去るキッカケになってしまったと想像に難くない...。

その空気感は当時もなんとなく感じていたし、流れはそっちになっていくんだろうなという...まぁターニングポイント的な作品ではあったかなと。

まぁ...それはともあれ(^_^;、今回の4Kリマスター化を期してシロツグ・ラーダット役・森本レオさん新録ナレーションが素晴らしいです。

コメントもまた良い(^_^)

森本さん独特の飄々とした個性が本当に良い味付けになっていたんだなぁ...と改めて感じ入った次第(*^o^*)

15年ほど前...当時も迷いに迷って買った(^_^;Blu-rayボックスもありますし、今回は購入するかは正直微妙...でも10月末予定の上映は大きなスクリーンで是非味わいたいなと思ってます!

立川シネマシティで極爆上映やってほしい!やってくれたら絶対観に行くぞ(^_^)



小津さんの遺言

2022年06月26日 17時55分00秒 | 映画
松竹プロデューサー(のち同社会長)の城戸四郎さんが見舞った際...。
死ぬ間際、お茶の水の病院に見舞いに行った時、「城戸さん、やっぱり映画はホームドラマだ」と言っていた。色々悩んだ末、自分の撮って来たものは、これでよかったんだ、とふっ切れたのだろう。長い間悩んでいたことを証す言葉であった。 あの言葉が、小津君の私に対する遺言だったとも言える。───「小津安二郎・人と仕事」より

同時期、後輩の映画監督・吉田喜重さんに託した「映画はドラマだ、アクシデントではない」という謎めいた言葉を思い起こす。

小津さんにとって上司・城戸さんも、後輩である吉田さんも気が置けない関係とは言えず、むしろギクシャクしていた間柄だったようだが、そんな人達に(微妙にニュアンスの違いはあるものの)同じような言葉を遺していたというのは興味深いものがある。

吉田さんは以後、その言葉に引き摺られて考察を深め、「小津安二郎の反映画」という論考の一冊まで著すことになる。ここで解かれている「反復とズレ」の考察の炙り出しは同じ作品内だったり、同じような複数の作品の比較において表現されている...まるでパラレルワールド、今流行りのマルチバースとも感じ取れる。

本当に小津さんが遺した作品群は奥深く、考察も限りないのだ(^_^)