どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

小津さんの遺言

2022年06月26日 17時55分00秒 | 映画
松竹プロデューサー(のち同社会長)の城戸四郎さんが見舞った際...。
死ぬ間際、お茶の水の病院に見舞いに行った時、「城戸さん、やっぱり映画はホームドラマだ」と言っていた。色々悩んだ末、自分の撮って来たものは、これでよかったんだ、とふっ切れたのだろう。長い間悩んでいたことを証す言葉であった。 あの言葉が、小津君の私に対する遺言だったとも言える。───「小津安二郎・人と仕事」より

同時期、後輩の映画監督・吉田喜重さんに託した「映画はドラマだ、アクシデントではない」という謎めいた言葉を思い起こす。

小津さんにとって上司・城戸さんも、後輩である吉田さんも気が置けない関係とは言えず、むしろギクシャクしていた間柄だったようだが、そんな人達に(微妙にニュアンスの違いはあるものの)同じような言葉を遺していたというのは興味深いものがある。

吉田さんは以後、その言葉に引き摺られて考察を深め、「小津安二郎の反映画」という論考の一冊まで著すことになる。ここで解かれている「反復とズレ」の考察の炙り出しは同じ作品内だったり、同じような複数の作品の比較において表現されている...まるでパラレルワールド、今流行りのマルチバースとも感じ取れる。

本当に小津さんが遺した作品群は奥深く、考察も限りないのだ(^_^)



シン・ウルトラマン、鑑賞5回目

2022年06月15日 20時35分00秒 | 映画
なんとか時間が作れたので近くのシネコンへ...。

ど平日の昼なので、ガラガラ〜。

もうちょっと入ってたけど、10人弱ってところか。

ほぼ中高年男性、複数回観てる人がほとんどって感じ...巨大・長澤まさみとかザラブやメフィラスに反応してはクスクス笑う声や、ど〜のこ〜のと話す声も聞こえたりで、皆マッタリした雰囲気で観ていた感じ。

回を重ねても観ている内に好きになったのはこのシーン。

KATO太くんではなく、早見あかりさん演じる船縁由美が菓子袋を覗き込むカット。

禍特対メンバーがホテルだかの一室に軟禁拘束されているシーンだけど、船縁ひとり供された菓子を爆食いしているのが何か良くて。

それを浅見が白眼視して「意外とストレスに弱い子ね...」って言うんだけど、そうとは思わなかった。危機に接して我が身を充足させ生き抜こうとする逞しささえ感じとれる。

軟禁解除され退室する際に持ってけるだけ持ってくのも良い(^_^)

派手な戦闘シーンとかよりも、そんなマッタリ場面をマ〜ッタリだら〜っとして楽しんだ...(´д`)



シン・ウルトラマン、鑑賞4回目

2022年06月10日 20時10分00秒 | 映画
初日に勇んで出撃し、軽いだの緊迫感がないだのと散々困惑してたクセに気がつけば何度も観に行ってるという(^_^;

映画館で一番くじやってたので、運試し...。

結果はE賞のミニタオル...まぁこんなもんですわ...(´д`)

今日から配布開始されたメフィラス名刺ポスカもゲット(*^o^*)

もはや本作にとって影の主役といっても過言ではない存在になりましたね。山本耕史さんが演じるメフィラスは見れば見るほど味わい深いものがありますしね(^_^)

スクリーンも小さく、音響も普通...近いだけが取り柄みたいなシネコンで鑑賞。

図よりも数人増えていた程度。二十代くらいの若い女の子が楽しそうに観ていたのが印象的でしたね(^_^)

構えることもなくマッタリ鑑賞しました。

傾向としてザラブパートで落ち着きすぎてウトウトくるんだなと気づいた(^_^;

メフィラスの山本さん、そして政府の男の竹野内豊さんが本当に良い味を出し、作品に貢献しているなと。

いや〜なんだか病みつきな映画になってきてるな〜(^_^;



シン・ウルトラマン、主役を食ったメフィラス=山本耕史さん(^_^)

2022年06月06日 19時06分00秒 | 映画

もうこんな動画まで出してくれちゃって(*^艸^*)



完全に山本耕史さんが映画全体のイメージをかっさらった感がありますな!


人を食った胡散臭ささが堪りません。


当ブログタイトルでもある「鼓腹撃壌、私の好きな言葉です」もなんか嬉しかったり(*^o^*)

指パッチンするヤツは大抵あやしいキャラなお約束。


河岸を変えての居酒屋がまた良い味だしている...美味そうにツマミを口に運び酒を楽しむ。


ベーターボックス引き渡しに失敗し、「捲土重来、私の苦手な言葉です」と(^_^)



正体を現すメフィラス。





戦いの行方はいかに!!

「千客万来、私の好きな言葉です」\(^o^)/


メフィラスとのシーンを見るためだけでも、また観たくなってしまう中毒性あり!



シン・ウルトラマン、鑑賞3回目

2022年06月04日 19時30分00秒 | 映画

ということで三杯目おかわり(^_^)

もちろん立川シネマシティでね。

客入りは相変わらず大入りで、3〜40代が中心かな。女性は2〜3割という感じか。

爆音も堪能しましたが、やはり禍威獣メインの前半が素晴らしいですわ(*^o^*)

モーションキャプチャを古谷敏さんや庵野秀明さんなんかも参加しているらしいけど、今回みて怯えて後ずさりするネロンガにゆっくり歩いて近づくウルトラマンのアノ感じ...古谷さんじゃないかなと。

庵野さんは、ガボラ戦で尻尾に吹き飛ばされるとか、ジャイアントスイングでよろめくとか、ニセにチョップして痛テテとかソックリ芸的な細かいニュアンスのとこをやってる気がする(*^o^*)

そして...ラスト出現時の厳しいゾーフィが、ゼットンを他次元に追いやった後に優しいゾフィーになっていたのも明確に認識。

戻った神永は森の中で横たわっていた元々の本人なんでしょうね...画面の端っこにチョロッと緑が見えていたし。

満足な3回目でした。これで取りあえず締めって感じかな。

次は本命・庵野秀明ご本人の監督作に期待でございます\(^o^)/

 


シン・ウルトラマン、米津玄師 「M八七」MVより

2022年06月03日 20時10分00秒 | 映画

歌の内容はともかく、個人的にお気に入りなカットが多く含まれている(^_^)


大空高く飛び上がっていく美しさ。


ネロンガの回転ツノ電磁熱線攻撃!


ニセウルトラマンの微妙な目の形状違い。

居酒屋でのメフィラス(^_^)

怖い存在のゾーフィ...。

夕陽に重なるゼットン...もっとこういう見せ方を多くしてほしかったなぁ。

森に眠る(?)神永と、見つめるウルトラマン。


初降着時、Aタイプっぽい顔つきのウルトラマン(*^o^*)

まるでシン・ゴジラなガボラの放射熱線攻撃...こういう禍威獣の形態進化をもっと見せてほしかった。


シン・ゴジラの赤坂補佐官を想起させる「政府の男」...ちょっとゲンドウのように見えてきた(*^o^*)

手前に樹木や建物などの実景を重ねて巨大感を...こういう対比はもっとあって良い。


このグングンカット、オリジナルを良い感じでアップデートしてますな(*^o^*)


これ絶対イデオンだろw



いや〜もう一回観たくなってきたなぁ(^_^;



公開直前になって鑑賞に悩む

2022年06月02日 18時07分00秒 | 映画
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」なんだけど...。

公開を前に登場人物や内容の一部を見せてくくれて大変ありがたいのだが、それら情報に触れれば触れるほど違和感が強く増して来てしまっていて。

やはり演出の方向性は「THE ORIGIN」と変わらずのようで、苦手を感じてしまう。

例えば冒頭10分で、ホワイトベース館長室と思しきシーンでブライトと命令伝達に来た参謀将校の会話なのだが、ハ虫類のごとくイヤらしい笑みを浮かべ、終始落ち着かない挙動の将校がどうも鼻につく。

なぜあんなに強い芝居をさせるのか...もっと動きをおさえ冷淡にしてほしいと感じてしまうのだ。

安彦さんの漫画だと同じようにコミカルに描いていても気にならないのだが、どうもアニメにするとダメだと思ってしまう。

こんな調子だと「THE ORIGIN」で受けた落胆の気持ちをまた味わうことになりそうだ...そんな躊躇の気持ちが高まるばかりでね。

それに加えて、シネコン各種割引サービスが効かない「特別興行料金」1900円均一も困惑している。これでは慎重にならざる得ないのだ。

そんなワケで...自分は少なくても初日...いや初週さえ映画館に足が向きそうもない。



シン・ウルトラマン、批評もろもろ

2022年05月29日 17時00分00秒 | 映画

公開から3週間以上経過、ネットを中心に展開する賛否両論も一巡、落ち着いてきた様相。

新聞に映画評論家・声優・政治学者それぞれのクロスレビュー。

中でも一番なるほどねぇ...と思わされたのは池澤春菜さんによるもの。

政界の描写に女性閣僚・政治家の姿が一人もいなかったこと。「シン・ゴジラ」においては辛うじてインパクトの強い女性防衛相が印象的だったが...そこから一歩後退の感は否めないなと。

女性(というより女子)描写は粗くて古くさいままだなと。話題にもなってる尻叩きは個人的にさほど気にならないが、浅見と船縁の会話がいかにも男目線の「女子トーク」然としていて、カリカチュア度が強くて安っぽく感じた。恋愛ものにしようという構想もあったらしいが、うまく表現できず「友情」へと路線変更したっぽい。

まぁ...正解だろうねェ(^_^;

 


小さいおうちへの想い

2022年05月23日 18時20分00秒 | 映画

記事を読んで、なるほどと納得。

映画監督・山田洋次さんの幼少期...満州にいた頃にいた女中・ふみさんとの想い出が綴られていました。

読んで一目瞭然、「小さいおうち」の映画化を熱望、原作者・中島京子さんにお手紙までしたためた気持ちはふみさんへの想いの深さだったんですねぇ。

同作は寅さんシリーズを代表する下町人情喜劇の世界観とは随分と違うテイストですし、異色作とも言えます。当時のインタビューでも自らの経験と重ねるようなお話しもしていなかったと思うのですが、山田さんの少年心が今まで封じていたのかもしれません。でもひょっとしたら中島さんへの手紙では触れていたのかも。

そう、それは作品に登場する平井家の女中・タキへの思慕...甘えて纏わりつく坊ちゃんは山田さんそのものだったのかと...!

ふみさんは内地へ嫁ぎ、何年かして満州・大連に一度会いに来てくれたのだそう...でも思春期だった山田さんは照れくさくて逃げ出すようにその場を離れてしまった...それっきり二度と再会することはなかったと。

そんな後悔の気持ちが「小さいおうち」映画化への原動力だったのかと...原作も映画も好きな作品ですが、山田さんのエピソードに触れジワリと胸に温かいものが沁みる感じがしました。

 


シン・ウルトラマン、鑑賞2回目

2022年05月21日 23時10分00秒 | 映画

友人と弟とともに、立川シネマシティへ。

この作品は極上爆音上映でこそ...まさに相性バッチリでした(*^o^*)

1回目もここを選ぶベキだったと激しく後悔した次第。とても楽しく観ることができた。

特に前半に繰り出される禍威獣の暴れで生じる振動が超低音で腹に響いて大変満足!これはアトラクションムービーだなぁと。

IMAXとかTCX大画面なんかよりも音でこそ魅力が最大限に引き出される作品だなと実感です(^_^)

客入りはこんな具合。

客層は30〜40代でバランスよく、子供連れの親子もチラホラ...戦闘シーンは良いとして、会議や会話のシーンでは退屈で声を上げてたり...ウルトラマン映画ならではだなぁと(^_^;

今回の鑑賞で作品への印象がガラッと変わって評価点がかなり上がりました(細かい粗やツッコミどころは満載だけどね)。まぁこれはこれでアリなのかなと。

友人や弟も面白かったと満足して帰っていきました。

この調子で興収成績上々になってもらい、庵野さんの構想する「シン・ウルトラマン2」とか「シン・ウルトラセブン」に繫いでいってもらえれば楽しいですな\(^o^)/