どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

ツラ

2009年07月07日 14時14分11秒 | 生活
普通に暑いです(汗)、夏到来って感じですかね。


今日の天声人語、冒頭で「のちに大スターになる三船敏郎は、当初は俳優ではなく撮影部の志望だった。曲折があってニューフェースに回されたという。『男のくせにツラで飯を食うのは好きじゃない』と、本人はふてくされていたそうだ。豪胆で売った役者らしい逸話である」とあり、ふと先日放送されたドラマ"刑事一代"を思い浮かべました。三船の言うツラは上辺だけで中身がないと言う意味ではないかと。今で言えばチャラチャラとしたアイドルやタレントもどき、イケメンとか草食男子とか言われ、ぽっと出の人気俳優なんかを想像してしまいます。

ドラマや邦画を観てて、ガッカリさせられることが多いのですが、そんな時ってまさに"ツラ"だけで画面に現れている感じなんですよね。そんな中で"刑事一代"は久々に役者とか演者の力量というのを見せてくれた稀少な作品でしたねぇ。主演の渡辺謙や、高橋克実は骨太な迫真の演技をみせてくれて、ストーリーにグイグイと引き込まれ、ビデオ録画していた前後編4時間くらいのものを一気見してしまいました。ドラマでしかも民放(^_^;で、これは凄いと思いましたね。

悪い例としてはシリーズ化されている映画"20世紀少年"とか、黒澤作品リメイクの"椿三十郎"です。出てくる俳優全てが、"ツラ"だけという印象しか残りませんでした。漫画に出てくるキャラそのもの生き写しみたいなことをウリにしてましたが、パロディとか隠し芸大会レベルで、俳優が作品に打ち込んでいないのが伝わり、観ている側になにも訴えてくるモノがないんですよね。俳優も情けないですが、監督をはじめとする制作陣の方がもっと駄目なんじゃないかと思います。

今の俳優はテレビやなんかの出演掛け持ちで忙しく、なかなか一つの作品に集中できない事情はあるのでしょうし、主演を人寄せパンダ方式で決める大人の事情もわかりますけど、一時の興行的成功だけで先を見なければ、じわりじわりと自分の首をしめていくだけではないかと、余計な心配をしてしまいました(^_^;