どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

SHOULDERS OF GIANTS

2023年10月30日 17時30分00秒 | 映画
小津安二郎さんの体躯と精神みたいなのもの端的にあらわす、とても良いキャッチコピーかと(^_^)

学生時代に柔道で鍛えたその肩幅は逞しく、身長云々以上に大きく見えた人だったという。

それはともかく、今年生誕120年没後60年、そして東京国際映画祭において、まだなお凄まじい存在感を醸す映像の数々...。

そのカット、どのシーンを見ても、一発で小津さんのものと認識できる巨大な存在感とその個性。

俳優・役所広司さんによる抑揚をおさえたナレーションも素晴らしい。

退屈だと思っていた。
同じ事の繰り返しに過ぎないと思い込んでいた
それが大きな間違いだと気づいた時
巨大な宇宙が目の前に現れた

同じ事の繰り返しの中に
小さな波紋を感じたその時
その波紋はそのまま私の心を揺らした

まるでまだ誰もが眠っている早朝の霧の中の美しい池に
小さな石が落ちたように
そしてその波紋は永遠に続いている

SHOULDERS OF GIANTS

小津安二郎の恐ろしさは
一つの作品でそれを成し遂げただけでなく
同じような映画を作り続けることで
人生をかけて
美しき波紋を作り上げてきたことだ

映画は宇宙だ
その事を小津は教えてくれている

SHOULDERS OF GIANTS

巨人の肩にのって
映画の未来をみてみよう


中学生の時に出会い、ファーストインパクトでグサリと突き刺さったあの時の感想は「昔の映画って変」だった。

でもその認識は次第に間違っていたことに気づく。

「昔の映画って変」なのではなく、「小津安二郎の映画って変」だったのだ。

その「変」は私の中で、年数をかけて徐々に大きくなり、いまや虜となって抜け出せない沼のような存在になってしまった。

「SHOULDERS OF GIANTS」をみて、あらためて溜め息だ...(´д`)