セクハラで四面楚歌となっていた狛江市長が、進退窮まって辞職することになった。
見るからにスケベおやじ風の風貌や言動は分が悪すぎた。
あれでは誰も味方しない。
しかし、冷静に考えてみると、お尻や胸を触ったなどはもっての外だが「オッサンが口をつけたグラスで飲むことを強要された」ということがセクハラに認定されるのなら、多くの業界の宴会はセクハラだらけと言うことになる。
最近はその手の宴会自体に出席しないから分からないが、少なくともボクが所属している業界の宴会で、かつてその手の行為は横行していた。
鬱陶しい上司が「まあまあ飲めえ」と自分の杯を差し出してくることも普通の光景。
「オレの酒が飲めねえのか」は質が悪いが、ないこともない。
酒を持って先輩たちの席を順繰りに巡り酌をする。
すると大抵の場合、そのグラスや盃で返盃となる。
もちろん男女など関係ない。
とりわけこの業界は男女を差別しないのが建前。
都合良く解釈される。
元々、回し飲みに拒否感を持つボクとしては嫌いな風習だが、郷に入れば郷に従え。
それに酔うとどうでも良くなる。
今の時代は、きっとそんな昭和の光景はセクハラでありパワハラなんだろう。
セクハラの判定は行為者のパーソナリティに大きく関わると言う点で不公平となり得る。
福山雅治なら良いけど、出川はイヤ(最近は人気があるが)というヤツである。
女性の好みでセクハラかそうでないかを判定されてはたまらない。
セクハラやパワハラは時代のムードで、より厳しく断罪される危険もある。
こういうことを言おうものなら、それだけで批判の矢が飛んでくるご時世。
そうなると男女の関係はとっても無味乾燥なものになる。
事務的会話以外は怖くて口に出来ない。
下ネタは潤滑油などという考えは古代の遺物である。
昔、第三の新人と呼ばれた吉行淳之介や遠藤周作など下ネタ名人はもはや生きていけない。
もっとも吉行淳之介はモテ男だったから、誰もセクハラだなんて言わないだろうが。
世知辛い世の中だ。