スーパーボランティアとして有名人となった尾畑春夫さん。
東京から大分まで歩いて帰る計画だったらしいが断念したらしい。
今朝のモーニングショーで尾畑さんが帰る道中の様子を紹介していた。
大勢の人が集まり、握手やサインを求めていた。
中には涙を流す人もいる。
まるで御利益でも得られるかのように縋り付く人々。
ボクは少し異様なものを感じた。
これではまるでゴルゴだの丘を目指して十字架を背負って歩く、イエスキリストではないか。
映画で描かれたイエスのヴィア・ドロローサ(苦難の道)。
人々はイエスの苦難を悲しみ、涙を流した。
水を与えようと近づく人々もいる。
それは尾畑さんの手を握り褒め称える人々、一緒に写真に収まる人々、抱きしめる人々の姿に重なる。
こうして人は神格化されるのだと思うと、ちょっと恐ろしかった。
尾畑春夫さんが喋った言葉が名言として持て囃されてもいる。
尾畑さんの存在を一躍日本中に知らしめた山口での救出劇の後でも「朝は必ず来るよ」という言葉が話題になったが、モーニングショーでもいくつか紹介されていた。
ネットでは名言としてまとめられたサイトもある。
「かけた情けは水に流せ 受けた恩は石に刻め」
「人がどうしようと関係ない 尾畑春夫は自分なりのやり方がある」
相田みつをが人気なんだから、尾畑さんの言葉を集めて「名言集」として出版する動きがあっても不思議ではない。
大分まで歩く計画を断念したのはテレビ等が追っかけ人々が集まりすぎたからという見方が強いようだが、こうした「神格化」を嫌がったというのが真相ではないかとボクは思っている。
尾畑春夫なる人物が、これまで伝えられているように真に無私の人であるならば、こういう扱いは最も嫌うはずなのだから・・・。