私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

断捨離の賜物、山水画沈金の会席膳

2014年12月16日 | 時空を超えて来たものたち

友達の家で眠っていた会席膳を頂いた。
最近、断捨離をしているのだとか。
「あなたお茶で使わない?」と有難いお申し出に「はーい!頂きますよー!」
善は急げと早速に出かけて持ち帰って来た。

一枚一枚点検すると、ほとんど傷んでいないし光沢も失われていなかった。
輪島塗の十客揃いで木箱入り、お膳を包む和紙には「竹中榮蔵」と塗師の名前があった。
インターネットで調べてみると、現在70歳の男性がこの塗師の会席膳をオークションに
出していて、そのお膳はその方の曽祖父の代からあるものだということだった。

頂いたお膳がいつの時代のものかは分からないが「竹中榮蔵」なる塗師が
同じ人なのか、代替わりした人なのかは別として、
古くから存在していた「名前」なのだと分かって嬉しかった。

~ ~ ~ ~ ~

このお膳は黒の本塗で、表面に山水画が描かれ(彫られ)、建物と舟、飛ぶ鳥の三点に沈金が施されている。
シンプルで静かな雰囲気がすんなりと自分の中に入ってくる感じだった。
茶道具も着物も、よく「出会い」と言う言葉を使う。たまたま出会った物で、自分の気持ちにすとんと落ちる物が
「もともと自分に縁がある物」と言う意味だが、このお膳はまさにそんな感じだった。
友達の断捨離のお陰で「良い出会い」を頂いた。物との出会いは本当に面白い。


*沈金(ちんきん)ー漆器の装飾技法の一つで、漆面に刃物で文様を彫り、この瘡に金箔や金粉を押し込むこと。
彫ったままで、何も埋め込まない場合は沈金とは言わず「素彫り」と言う。

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古い木の本棚との再会

2014年12月10日 | 時空を超えて来たものたち


古い古い本棚

就職が決まり、赴任先の住宅に荷物を送ろうとしていた時、突然、父が「これも持って行きなさい」と
この本棚を渡してくれた。骨董好きの父が、就職祝いのつもりで買って来てくれたのだろうか、、
自分が使うつもりで買ったのか、初めから私のために買ったのか、聞かなかったが
古くて味わいのあるところが気に入って、有難く他の荷物と一緒に送った。




そして、二年間の赴任中、私の部屋の主のようになっていた。
すっかり自分の生活に溶け込んだ頃、結婚することになり、
また荷物の整理をしていると父がやって来て「これは置いていきなさい」と言った。
「あれえ、これはくれたんじゃなかったの?」と聞くと「嫁に行く時には古いものは
持って行くもんじゃない」との答えに、そんなものかと思って言われるままに置いて行った。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
それから数十年、毎日の忙しさに明け暮れ、その本棚のことはすっかりと忘れていた。
それが先日、母の納骨で実家に帰った時、骨董好きの姪っ子と骨董の話をしていてふっと思い出した。

「そう言えばね、独身の頃におじいちゃんがくれた古い本棚気に入って使ってたんだけど、結婚する時に
返せって言うから返したんよ、その後どうなったかわかんないんだけど、、」「これくらいの高さで、、」と
姪っ子に説明していると「それなら二階にあるぞ、このくらいの高さのだろ?」と傍にいた兄が言った。

「えーっ!あるの?」「二階の物置にあるよ」
そんなこんなで、その懐かしい本棚との再会を果たした。
その後、家に送ってもらい無事にまた私の部屋の一員となった。

すっかり忘れ去られていた本棚、またこうして出会えたのはよほど私の元に来たかったのだろう。
そうか、、そうか、、よかったね。心から嬉しい再会であった。

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秋の日の大石神社骨董市に遊ぶ

2014年10月16日 | 時空を超えて来たものたち

       10月15日 秋晴れの大石神社骨董市
         ちょっとぐずぐずしていて、到着が8時半過ぎ、広い駐車場の半分以上は埋まっていた
         ナンバーを見ると「北九州」「香川」「京都」「大阪」など、結構遠くからの車だ
         遠くから来てこの時間、熱意のほどが見て取れる
         熱心な骨董ファンが来場とあらば、こちらも益々元気が出るというものだ
         兜の緒を締めて、いざ!出陣!



       あれこれと物色中
       このひと時がたまりません♪
       どこからか、ノスタルジックなサンタルチアが聞こえる♪
       古い蓄音機からの音色は温かくて素敵だった       
       




       須恵器風の焼物が面白い店,
       障子の桟やガラス戸など、古い木のぬくもりが素敵です
       木の物は、時を経れば経るだけ魅力を増します
       捨てられずに骨董市に並んでいるのは嬉しいことです
       
       




       時代タンスとランプシェード
       いい色になっています
       玄関に小ぶりなタンスを置いて、その上に花を生けたら素敵でしょうね
       その玄関にガラスのランプシェードを吊るすのが目下の夢
       いつか出逢えますように、、
       




       9時を過ぎた頃、添乗員さんらしき人に先導されて
       大勢の人達が来場して来ました
       駐車場の入口に大阪ナンバーの大型バスが二台停まっていました
       お天気がよくてよかったですね




       こけしや籠、塗り物など上品な品揃え
       綺麗に並べられた商品にご主人の人柄が偲ばれます
       女性たちが熱心に見ていました
       お目当ての物は見つかったかな、、
      



       本当におもちゃ箱のような雑貨屋さん
       若い女性たちが楽しそうに物色していました
       小さい小物でも、なかなかお洒落な物あり
       見るだけでもとーっても楽しい♪




       同じ雑貨屋さん 変哲のない物の塊、だけどこれが宝の山です
       今日はアイアンの写真立てを買いました
       ト音記号のデザインが楽しい気分にしてくれます♪
       壁かけにもなるように作られています


                



       和歌山の柿
       6つで300円、種無しで結構大きくて、その上甘くて美味しかった
       入れ物は女流作家の作品で揖保川焼です(これは作品展で購入した物)
         



       会場は赤穂城趾公園の中 広い芝生が清々しい
       




       11時半に帰る頃には駐車場はいっぱい
       会場ではまだまだ皆さん奮闘中です

       いやあー、楽しかった!
       何ででしょうかねぇ、、この楽しさはどこから来るのでしょうか、、
       父の骨董好きが私に遺伝して、その血を姪っ子が受け継ぎました
       いまでは、姪っ子と骨董談義、益々楽しくなりました

  
         

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骨董市で掘り出した明治の版画

2014年09月08日 | 時空を超えて来たものたち
                    
                                      縫い物 
               この版画を見つけた時は本当に嬉しかった。
               40代くらいの女性店主の店で、箱の中にいっぱいあった中から
               文字通り掘り出してきたものだ。

               紙類のものは、たいてい箱の中に重ねてしまわれているので、
               それを一枚ずつ鑑賞しながらめくり、お目当てのものを探す
               ことになる。

               何が出て来るか分からない、、次は何だろう、、
               これがたまらなく楽しいのである。

               そんな楽しみの最中にハッと出会ったのがこの版画である。
               明治31年、宮川春汀の有喜世の華(うきよのはな)美人画
               シリーズの内のこれは「縫い物」。

               開け放たれた縁側から時折涼しい風が入る居間。
               まだ夏模様の襖。
               そして着物には、秋海棠が描かれている。
               夏と秋が混在するちょうど今頃。

               赤くて可愛い着物を縫っている。
               娘さんのものだろうか、、、
               あたりはシーンとしていて、チクチクと縫っている音が聞こえる、
               そんな一コマである。

               前回の大石神社の骨董市では、明治の戦記物がほとんどだった。
               戦記物のコレクターにはお宝だが、私はやはり人物や花などの
               優しく美しいものが欲しい。

               いつかまた、ハッとしてグーなものに出会えるのを楽しみにしよう。

                                *また明日お会いしましょう。
               
               
               
               

                         

                                  
          
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のんびり、じっくり、大石神社骨董市堪能

2014年08月19日 | 時空を超えて来たものたち
                     毎月15日は赤穂市にある大石神社の骨董市の日

              大石神社の駐車場内外に100店ほどの出店があり、西日本最大級の骨董市だ。
              軽く一巡りするだけで午前中が終わってしまう。

              8時前に行くとまだ人影まばらで、ゆっくりと見ることが出来る。
              しかし、8時半にもなると、すでに戦利品を抱えて悠々ご帰還の人の姿も。
              本気で行くなら早く行くべし!

              会場は、骨董品から生活雑貨まで、高額品からガラクタまで、おもちゃ箱をひっくり返したよう。
              骨董市は「大人の遊園地」、玉石混交の宝箱でもある。古い物好きにはたまらない空間だ。

              さあ!今日はどんな出会いがあるのか、、
              ワクワクしながら、いざ!参戦!

            
 

                  会場に緑のオアシス
          古い物の中に、瑞々しく華やかなお花屋さんは目立ちます。          買った「鷺草」の鉢
          店頭に群れ飛ぶ「鷺草」の鉢が目を引いた。

          「おじさーん、これ、いくらですか?」
           「それ可愛いやろ、小さいのが500円で、大きいのは高いで!」

          「小さいのはどれも満開やね、大きいのはいっぱい蕾がついてるね」
           「そうや、これからやったら大きい方がええわなぁ」

          「そうやねぇ、、どっちにしようかなぁ、、やっぱり大きい方にしようか?」
           「大きい方は600円や」

          「600円ね!じゃっ、これにするわ」
           「おおきに!また来てな」

          陽気なおじさん、大きな鷺草の鉢、600円で有難う!

          
  

                  レトロな雑貨屋さん
          大阪から来たきれいなお姉さまが店主です。                         買った花籠              
          京都東寺のガラクタ市にも出店しているそう。

          「この花籠いいね!           
           「いいでしょう!」
          「形がいいわ」
           「そうやね、変わってるでしょ!」
          「古い物?」
           「それはあんまり古くないよ」
          「いくら?」
           「800円です」
          「うーん、ちょっとおまけして!」
           「じゃあ,500円!」
          「えーっ、有難う!500円ね。これ下さい」
           「はいっ、有難う!椿油で磨くといいかもね」

          美人なお姉さま、私好みの花入れを持って来てくれて有難う!
          今度は、東寺のガラクタ市でね。



                  古い磁器、陶器の専門店
          神戸から来た元美術館の学芸員だったおじ様が店主です。
          さすがに一つ一つの説明が丁寧で勉強になる。

       淡路の民平焼や古出石焼など日本の古陶磁器あり、李朝あり、中国物ありで
       私好みの物がざくざく!

       茶碗は木箱に入っているものが多いが、中に入っている布や古い習字の紙など
       そちらの方も良かったりすることもあり、そんなことも楽しい店だ。

       今回は磁器の花入れが良かったが、あいにく、口が狭くて使いにくそうなので
       断念!また今度ね!



                  駐車場の外側のブース
     机、椅子、建具など大きめの木工品や、珍しい黒柿などの木切ればかり売ってる店など
     それぞれが好きな物を売ってるって感じ。                 



                  珍品の店あり
     品数はそれほど多くないが、中国や朝鮮のかなり古い、しかも上等な物ばかりを
     扱っている店がある。店主は男性で無口。ただ黙ってゆっくりと見せてくれる。
     気軽るに買えない値段だが、欲しいと思う物はあれこれとあった。
     でも、まだ決断できない。「これを持つにまだ自分の内面が釣り合わない」
     そんな気がする物たちだ。もう少し待とう、、

     まだ買えないけど、また寄せてね。



                染付山水人物文水指
     版画を売っていた店で、箱の奥にしまわれていた水指を発見!
     ゴソゴソと引っ張り出してみると京焼で平安窯製。
     先日買った木地の棚に合いそうだ。
     
     「ご主人!この水指いくら?」
      「それいいだろ、2000円!」
     「2000円?もうちょっと考えて?」
      「勘弁してよ、俺は直球勝負なんだよ」(笑)
     「直球かぁ、、じゃあ仕方ないね」(笑)

      
     そういう訳で、直球2000円の水指が稽古道具に仲間入り。
     今度はどんな直球勝負品があるか楽しみだわ!               



                    お休み処
    大石神社は赤穂城趾内にあり、周辺は広々とした公園になっている。
    お店巡りに疲れたら、ここでひと休み。
    駐車場内には飲料水の自販機もあるので、喉の渇きを潤してゆっくりできる。

    この芝生のブースには、アクセサリーと可愛い小物専門の店や着物の店など、
    見るだけでも心の中がキララーンとする物が売られている。
    レトロなブローチは子供時代によく見た感じ、なつかしーい。

       ああ!たっぷり遊んだ!  
       体中の細胞が全部新しくなったようだ。
       骨董市は私のビタミン剤。

                         *では、また明日お会いしましょう。



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明治の版画 有喜世之華 宮川春汀の世界

2014年08月11日 | 時空を超えて来たものたち
                                  有喜世之華 囲碁

                 この版画は明治31年に刷られた「有喜世之華」美人画シリーズの内の一枚である。
                 絵師 宮川春汀(しゅんてい) 版元 秋山武衛門(ぶえもん)

                 シリーズの一枚一枚に、それぞれ名前がつけられており、これは「囲碁」という。
                 縁側を開け放ち、手には団扇、夏の日の静かな午後、ゆったりと時間が流れている、、
                 そんな感じだろうか、、
                 四隅に碁石が置かれ、これから対局なのだろう、引き締まった顔が美しい。

                 この「囲碁」のほかに「外出」と「縫い物」の二枚が手元にある。
                 三枚とも骨董市で掘り出して来たものだ。どれも美しい。
                 「外出」は以前に「菖蒲とお嬢様」と名を付けてブログで紹介している。
                 「縫い物」は秋の絵。乞うご期待である。
                 
                 
                                                   
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古出石焼の大土瓶  コレクター展にて

2014年06月22日 | 時空を超えて来たものたち
                4月30日から6月9日まで赤穂市御崎の桃井ミュージアムにおいて、幻の陶磁器と
                呼ばれる古出石焼のコレクター展が開かれた。

                館長の桃井さんの呼びかけで、神戸、豊岡、明石など約20人のコレクターが、50点
                にも及ぶ作品を貸し出して下さり実現した貴重な展示会であった。

              大土瓶
                写真は、桃井さんの了解を得て撮影した古出石焼の大土瓶である。
                おおらかな器体と絵付け、蓋のつまみの獅子はぴりりとアクセントになっている。
                展示室の入口で、花入れとして使われ私達を出迎えてくれた。

                花は、西洋山法師(黄色)、源平下野(一つの花房に赤色と白色が混じる)、紫露草
                柴蘭(黄色)の、どれも珍しい種類が入れられ入館者の目を引いていた。

                持ち手は蔓で頑丈に作られており、多くの職人さん達にお茶をいれるため、実際に
                使われていたであろう、とのことだった。

              古出石焼
                「但馬の小京都」と呼ばれる兵庫県豊岡市出石町一帯で、江戸中期から明治初期にかけて
                焼かれた陶磁器をいい、伊万里の影響を強く受けた染付や青磁、色絵の物も焼かれていた。

              現在の出石焼
                古出石焼は盛衰を繰り返しながら、明治初期に完全に途絶えた。
                現在では、磁肌に浮き彫りや透かし彫りによる精緻な文様を施す白磁が中心である。

              作品は多岐に渡り、大土瓶のようにおおらかな物があるかと思えば、青磁の多宝塔があったり
              染付詩人物文水次があったりと、古出石焼と呼ばれる時代の陶工たちの旺盛な創作意欲が
              感じられたのであった。
              

              
              
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明治の香り ウランガラスの氷コップ

2014年06月21日 | 時空を超えて来たものたち
              これは明治時代に作られたウランガラスの氷コップ
              ぽってりと厚みのある様子が、いかにも明治の時代らしくて素敵です
              くるんと巻いた取手は柔らかそうで、まるで飴細工のよう

              この氷コップでどんな人が氷を食べていたのでしょう
              また、どんな食器棚にしまわれていたのでしょうか
              タイムスリップして見てみたい気がします

              旧家に代々伝わった物なら、その物の歴史が分かりますが、骨董市で
              出会った物は、ほとんど由来が分かりません
              ごくまれに、「どこどこのこういう人が持っていた」と説明があったりしますが
              本当かどうかは分かりません

           そういったことは分からなくても、見て、手にとって、これを自分のそばに置きたい!
           その気持ちがあれば、自分にとっては価値ある物だと思っています

           100年もの時を渡ってきたこの氷コップ
           さらに100年も200年も渡っていくことでしょう
           未来に行って見てみたい気もします
            
                    
                    
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宮川春汀の版画・菖蒲とお嬢様

2014年05月19日 | 時空を超えて来たものたち


                この版画は明治20年に刷られた「有喜世の華」美人画のシリーズの内の一枚である。

                絵師 宮川春汀(しゅんてい) 版元 秋山武右衛門(ぶえもん)


                シリーズの一枚一枚に、それぞれ題がつけられていて、これは「外出」というらしい。

                姉妹らしい女性二人がお洒落をして、池のほとりに佇んでいる。

                池の端には菖蒲が見える。お花見だろうか、、楽しそうに語らっているようだ。

                姉らしき人は、綺麗に乙女島田(娘島田)を結い、振袖に亀甲文様の袋帯を締め、足元

                は可愛らしい「ぽっこり」を履いている。きっとお年頃なのだろう。

                妹らしき人は、振袖に赤い半衿を合わせ、花柄の赤い袋帯を締めて、やはり「ぽっこり」

                を履いている。髪型は桃割れだろうか、、手には小さなバッグ、なかなかキュートだ。

                明治20年と言うと、美人画もまだ幕末からの様式を引き継いでいたという。

                このお嬢様たちのお顔も、浮世絵の美人画そのものだが、上品でとても美しい。


              この「外出」のほか「囲碁」と「縫い物」の二作品も手元にあり、
                どちらも、とても美しい。「囲碁」は夏。「縫い物」は秋。乞うご期待である。              
                

                

               
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日本男児 頑張れ!

2014年05月05日 | 時空を超えて来たものたち


                     疫病を除く魔除けの神様

                       我家の鐘馗様 左手で小鬼をむんずと掴み、右手には剣を握って
                       空を睨んでいる。
                       
                       今にも画面から飛び出しそうな迫力である。

                       古い短冊で、落款はあるが、どこの誰なのかは判らない。
                       小さな水墨画だが、細かいところまで丹念に描かれていて
                       力がこもった絵である。
                       これも骨董市で掘り出してきた物だ。

                       鐘馗様 ようこそ我家へ。
                       









                     ヒロ画伯の兜飾り

                       三人姉弟の末っ子で、甘えん坊大将軍のヒロ画伯。
                       少しでも、強く逞しくと願って飾っている。

                       こうして兜に大弓、太刀を並べてみると中々勇ましいものだ。
                       女の私でさえ勇気が湧いてくる。これ以上「勇ましくなって
                       もらったら困る」などと、どこかから聞こえてきそうだが・・

                       
                       今頃は、後ろ姿を見ても女か男か分からない。
                       前からみてもわからない時もある。

                       経済も政治も先行き不安。
                       ここらで気合いを入れ直さなくてはいけない。

                       今日は端午の節句だ。日本男児 頑張れ!







                     おまけの兜

                       これは、私が木目込みで作った兜である。
                       下駄箱の上に飾って楽しんでいる。



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今日の戦利品  ガラスシェードスタンドランプ

2014年04月15日 | 時空を超えて来たものたち


                   このランプは本日の骨董市の戦利品である。

                   一枚板の座卓を手に入れてからは、その上に置くランプがほしいと願っていた。
                   しばらくは見つからないだろうと観念していて、今日のお目当ては花入と香合に
                   絞っていたのだが、思いがけず出会ったのである。


                   空色の花入れを買って、そろそろ帰ろうかなと思っていた頃、
                   まだ未訪問の店があることに気づいて、その店を覗いた時だ。
                   奥の方にポツンと置かれていたのが、このランプだったのである。

                   手に取って見ると、それは素敵なランプだった。
                   ガラスのシェードは乳白色で、その中に薄ピンクのマ-ブルが入っている。
                   そして、支柱と台座の一部は真鍮(黄銅)で、台は大理石のようだった。


                   店の主人に聞いてみると、大理石オニックスではないかということだった。
                   真っ黒ではなく、墨色に近い黒で、中にところどころ白い筋が入っているのが、
                   いかにも大理石らしく控えめだが、重厚感を持っていて素敵だった。


                   小さくても「本物」の雰囲気だ。
                   今日はこのランプを手に入れたのが、何よりの幸せであった。
                   これで当分の間はご機嫌で過ごせそうだ。

                   あとはいよいよ「更紗の布」だ。
                   出会いは思いがけなくやってくる。
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レトロな本棚

2014年04月04日 | 時空を超えて来たものたち

            この本棚は数年前に手に入れたものである。
            身の回りをスリムにしようと思いたち、学生時代から使っていたスチール製と
            合板製の2つの本棚を処分して、この本棚一つに絞ったのである。

            この1日より、NHKの朝ドラ「花子とアン」が始まり、毎日楽しみに見ている。
            そして、その中に出てきた教会の「本の部屋」にある本棚とこの本棚がそっくり
            なのを発見して驚いた。そして、花子の生きた時代に、この本棚も存在していた
            のだと思うと嬉しかった。

            この本棚は、天板、棚板、側板は全て一枚板で釘を使わない楔(くさび)留めの
            仕様になっている。この仕様の本棚は、明治から昭和の初期に造られたものだ。
            小ぶりだけれど、しっかり造られていて、古きよき時代の職人さんの一生懸命な
            姿が目に浮かぶようだ。このような古民具は、庶民的なものでも文化遺産として
            大事にしなければならないと思う。

            幾人もの人から人へと伝わって、私のところにやってきた。
            この先も、次から次へと人の手に渡って、ずっとずっと生き延びていって
            ほしいと願っている。
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「匠の技」 一枚板の座卓

2014年03月29日 | 時空を超えて来たものたち


            この座卓は近くのリサイクルショップで見つけたものだ。
            長い間、一枚板でできた簡素なものを探していたが、なかなか気に入ったものには
            出会わなかった。

            装飾過多だったり、引き出しがついていたり、金具がついていたり、
            どこかここか気に入らない。これは見つかるまでは「長期戦だな」、そう思うしか
            なかった。

            ところが、ある時に、「ふと」、くだんのリサイクルショップに行ってみたくなり、
            何かに引かれるように行った時のことだ。

            店の奥の奥に進むと、そこにはこの座卓が何気なく置かれていた。
            一目みるなり、「これかも知れない!」、そんな気がして、右からも左からも、
            上からも下からも、どこから見ても「嫌だ」と思うところがなかった。

            望んでいた一枚板だ。しかも、釘を一本も使っていない組物だ。
            さらに、側板には露芝の透かしが入っていて風情がある。
                         *露芝:三日月形の芝草と丸い露の模様

            「あ-、考えてる間に、誰かに買われてしまうかも知れない」、私は即断した。
            以前、気に入った食器棚を2、3日考えただけで、買いそびれた悔しい思いを
            したからだ。
            この店には小さな表示があって、『出会いは一度しかない』と警告していたが、
            本当にその通りだったのである。

            それにしても、2cmもの厚みに透かし彫りを施すのは大変なことだろう。
            また、木と木を組み込む技も、今ではむずかしいことかも知れない。

            今頃、このような座卓を作れる人はいるだろうか。
            もし、どうしてもということなら、木工作家の先生に特別注文ということになり、
            とうてい私のおこずかいでは払いきれない金額になることだろう。

            そんないきさつで、この座卓は私の書斎にめでたく収まり、あとは、この上に
            小ぶりのランプを置き、ジャワ更紗の座布団を置く、というのがこれからの楽しみ
            なのである。
            又、長期戦になることは覚悟している。

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びっくりした王義之の書(おうぎし)

2014年03月25日 | 時空を超えて来たものたち

             この箱は中国茶の詰め合わせの箱である。
             ボ-ル紙で出来ているのだが、分厚くてしっかりしている。
             大きさも手頃で、手鏡やヘアピ-スなど、結髪用の道具を入れて、
             もう10年も重宝に使っている。

             
             赤字に黒で漢字がびっしりと書いてあるのだが、この10年、そこに何が書かれて
             いるのか気にもせず、ただ模様のように見ていた。

             
             それが一昨日のこと、突然に「あ-っ!あの漢字は王義之の『蘭亭序』
             (らんていじょ)ではないか!」と思い至った。

             
             王義之といえば、中国の歴史上の書家の中で最も有名な人である。
             1600年以上も前に活躍した人だ。日本でいうなら、弥生時代から古墳時代に
             かかる頃だ。

             
             また、蘭亭序は「永和九年 歳在発丑・・・」から始まる王義之の不朽の名作で、
             今でも書を学ぶ人の手本として最も有名な古典である。

             
             永和9年(353年)の春の頃、蘭亭に集まった多くの詩人により、詠まれた詩集の
             序文として書かれたものだが、その文末には、「後の人が今の我々をみるのもまた、
             今の我々が昔をみるのと同じく、やがて我々も時代から取り残されて過去の人間に
             なるであろう。それを思えば、なんと悲しいことであろうか。それ故に、この日に
             集まった人々の名を列記し、その折に詠んだ詩を書きとめておこう。
             時代が移り変わっても、人の心は同じであろう。後世の人もまた、この文を読んで
             心を動かすことであろう。」と結んであった。(富田 淳訳)

             
             文面は、まさに時空を超えている。

             
             それにしても、中国の書聖といわれる人の この有名な文がお茶の箱に印刷されて
             いるなんて、もったいないようだが、中国のお茶屋さんの心意気か…..
             たかが茶の箱、されど茶の箱。
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中国の染付

2014年03月11日 | 時空を超えて来たものたち


                白地にコバルトブルーで文様が描かれたこの染付「青花人物紋水瓶」だが、
                一目で気に入った。

                やわらかな曲線、ぽってりと厚みのある器体、そして何より、
                そのエキゾチックな文様が美しく魅力的だった。

                しかも、結構古そうだ。
                底を見ると、「康熙年製」と年款があった。
                康熙と言えば、清の4代皇帝康熙帝の時代だ。1662年から1722年の間のことで、
                今から300年も前のことになる。

                この年代のものが、本来ならば私の手に届くはずがない。
                しかし、幸運なことに小さなキズがいくつかあった。
                それで、私の手元に納めることができたのだ。
                この美しい水瓶なら、少々のキズは私的には何も問題はなかった。

                以来、時々眺めては楽しんでいる。
                最近は、松とヤブツバキを合わせて入れてみた。
                染付の青に、松の緑とヤブツバキの赤が映えて、益々美しく見えた水瓶で
                あった。


                300年もの長い間、この水瓶はいったいどこを旅して来たのだろうか。
                私は夢見る思いでこの水瓶を見ている。

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