木村茶道美術館への入口
満天星つつじの垣根の紅葉が見事です
こちらは新潟県柏崎市にある国内でも珍しい茶道専門の美術館です。
大正15年に造られた池泉回遊式の日本庭園「松雲山荘」の中に建てられています。
この美術館の素晴らしさは美しい立地にあるだけでなく、逸品揃いの所蔵品とその
所蔵品を使用してのお茶一服にあります。
今日はその一服を楽しみにやって来ました。
満天星つつじの垣根の紅葉が見事です
こちらは新潟県柏崎市にある国内でも珍しい茶道専門の美術館です。
大正15年に造られた池泉回遊式の日本庭園「松雲山荘」の中に建てられています。
この美術館の素晴らしさは美しい立地にあるだけでなく、逸品揃いの所蔵品とその
所蔵品を使用してのお茶一服にあります。
今日はその一服を楽しみにやって来ました。

この松雲山荘は、昭和46年に所有者より柏崎市に移譲され今日では市民に開放されています。
適度なアップダウンがあり、紅葉を眺めながらの散策はとてもいい気分です。

松葉と落ちたばかりの紅葉の葉が美しく散らばっていました。
人間の演出ではこんな風にはならないでしょうね。
葉の表と裏の割合、葉の寄り具合など、本当に絶妙です。

美術館前の景色です。
赤一色でなく、緑の中に赤と黄色が混在しているところがきれいです。
紅葉の頃にはライトアップされて、また違った風情が楽しめるとのことです。

木村茶道美術館の年間のご案内です。
雪国ですから、12月から3月末まで休館です。
4月から11月までは季節に合わせたお茶席が設けられます。
このお茶席では、国宝級のお茶碗を実際に手に取ってお茶を頂くことが出来ます。
今年は開館30周年として、10月には特別に楽家初代から三代のお茶碗が使われました。
こんなことは、全国唯一この美術館だけです。
また、二期に分けて所蔵品の展示があります。
今秋の茶碗展は圧巻です。
楽家初代長次郎から十五代当代までの作品が全部揃っています。
これも国内で唯一この美術館だけのことだそうです。


本日使用されたお道具です。
正客は、八代得入の黒楽茶碗
次客は、無地刷毛目塩笥(はけめしおげ)李朝初中期
三客は、人間国宝、加藤卓男作の志野茶碗
※塩笥は塩壺として使われていたもの。

待合の床
澤庵和尚のご詠歌で小堀遠州の孫、小堀宗中の書です。

本席の床
宗旦宛で大徳寺世譜185世玉舟の書です。
茶事に招かれたお礼の書状とのご説明を頂きました。
ほとんどの人は古文書は読めませんので、このような説明は有り難いですね。
席中では席主と気軽に会話をすることが出来ます。
分からないことをお尋ねしても大丈夫です。
立派なお茶碗でお茶を頂けるだけでなく、勉強にもなってとても得した気分です。

茶花は、鎌柄(かまつか)と椿(初嵐)
花入れは、竹一重切

お点前は江戸千家の皆さんのご奉仕です。
着物姿でのお点前は優雅で素敵ですね。

私は三客でしたので、人間国宝、加藤卓男作の志野茶碗で頂きました。
惜しげもなく出されるお茶碗の数々、お道具の数々、これこそが木村茶道美術館の真骨頂!
いよっ、太っ腹!
いよっ、大統領!と叫びたくなる気分です。

使われたお道具のご説明を頂きました。
向こうから順番に、(小山健藏作、黒中棗)(茶杓、即中斎)(得入作、黒楽茶碗)
(李朝、無地刷毛目塩笥茶碗)(菓子器、呉須赤絵魁鉢、17世紀)(菓子器、呉須赤絵印判手皿)
本来ならば、ガラス越しにしか見られない国宝級のお茶碗やお道具を、こんなに近くで見ることが出来て
しかも、手に取ってお茶を頂くことが出来るのは、日本中でこの木村茶道美術館しかないとのことでした。
それが出来るのは、設立者である故木村重義翁(寒香庵)の「私のコレクションを皆様にお使い頂き、
美の世界を楽しんで頂きたい」との思いを設立当初から実践しているためである、とパンフレットにありました。
そして、「使ってこそ道具であり、使わなければ道具が死んでしまう」とも。
収蔵品の大半は木村翁が一生をかけて収集したもので、他にも先祖伝来の山林、家屋敷と一億円相当の株券を
含め一切を柏崎市に対して寄付し、それらを元にこの美術館が生まれたとのことでした。
昭和59年11月3日にオープン。木村翁88歳の米寿のお祝いの開館だったそうです。(木村茶道美術館ホームページ参考)
木村翁の志は、美術館の志としてずっと光り輝いていくことでしょう。
今でも、その志に賛同した方々からの寄贈が絶えず成長し続けているとのことです。
天晴れ!木村茶道美術館
頑張れ!木村茶道美術館