桃栗三年柿八年
梅の酸っぱい十三年
ゆずの大馬鹿十六年
~ ~
木が育って実を結ぶのに桃や栗は三年、柿は八年かかり、
梅は十三年、そしてゆずは十六年もかかる ということである。
こんなことを何故言うかと言えば
それは、我が息子がゆずだからなのである。
今から○十年前の11月29日、陣痛が来ているのに彼の児心音が無くなっていた。
出産は、母親も頑張るが、中にいる赤ちゃんも頑張らなければ生れ出られない。
そんな大事な時に彼は、お腹の中で息を潜めてしまったのである。
~ ~
そんな彼が無事にこの世に誕生出来たことは、その時の医師や助産師の方々の
適切な処置と温かい励ましがあったからこそと、今でも有難く感謝している。
そして、昨日の誕生日、彼が聞いてきた、
「僕って何時に生まれたの?」
「○○が生まれたのは、夕方の5時36分だよ」
「あの時はねえ、児心音がしないって言われて心配したんよ」
「ははは、、きっと生まれるのが怖かったんだよ」
「それで息を潜めていたって訳?」
「そうそう、、ずっとお腹の中にいたかったんだ」
~ ~
何とも、いいおっちゃんになった今の彼の言葉は、幼稚園児のような言いぶりだが、
なまじ嘘っぱちではないのである。
この言葉こそ彼の性格を表し、その後の生き方そのものだった。
「ずっとお腹の中にいたかったんだ」、、、
今でも、彼の時間は止まったかのように、ゆっくりと、のんびりと流れている。
人よりもずっと遅い時の流れを、少しずつ、少しずつ歩んでいるのである。
梅の酸っぱい十三年
ゆずの大馬鹿十六年
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木が育って実を結ぶのに桃や栗は三年、柿は八年かかり、
梅は十三年、そしてゆずは十六年もかかる ということである。
こんなことを何故言うかと言えば
それは、我が息子がゆずだからなのである。
今から○十年前の11月29日、陣痛が来ているのに彼の児心音が無くなっていた。
出産は、母親も頑張るが、中にいる赤ちゃんも頑張らなければ生れ出られない。
そんな大事な時に彼は、お腹の中で息を潜めてしまったのである。
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そんな彼が無事にこの世に誕生出来たことは、その時の医師や助産師の方々の
適切な処置と温かい励ましがあったからこそと、今でも有難く感謝している。
そして、昨日の誕生日、彼が聞いてきた、
「僕って何時に生まれたの?」
「○○が生まれたのは、夕方の5時36分だよ」
「あの時はねえ、児心音がしないって言われて心配したんよ」
「ははは、、きっと生まれるのが怖かったんだよ」
「それで息を潜めていたって訳?」
「そうそう、、ずっとお腹の中にいたかったんだ」
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何とも、いいおっちゃんになった今の彼の言葉は、幼稚園児のような言いぶりだが、
なまじ嘘っぱちではないのである。
この言葉こそ彼の性格を表し、その後の生き方そのものだった。
「ずっとお腹の中にいたかったんだ」、、、
今でも、彼の時間は止まったかのように、ゆっくりと、のんびりと流れている。
人よりもずっと遅い時の流れを、少しずつ、少しずつ歩んでいるのである。