~ 姫路市書写の里・美術工芸館にて ~
この工芸館は、ラストサムライのロケ地・円教寺のある書写山をバックに
美しい竹林に囲まれた中に、静かに佇んでいます。
本館には円教寺をイメージする大屋根が取り入れられています。
設計: 宮脇壇建築研究所
~ ユーラシア女の手仕事展 : 企画 ・ 大橋ひろ美 氏 ( ギャラリーとーく代表 ) ~
6月18日~6月26日まで、中近東、アジアの伝統的な織り、染め、刺繍の
布や衣装の展示、販売が行われました。
ウズベキスタンの「アトラス絣」、イランの「キリム」、インドネシアの「更紗」
ラオスの「縫取織」、バングラディッシュの「ノクシカタ刺繍」、
インドのペーズリー模様のジャマワショールなど
魅力いっぱいの布たちが並んでいました。
~ サリーの着付け ~
サリーの布は長さが6mあり、それを体に合わせて巻いていきます。
後ろに垂らす部分は、布の中でも見どころのある部分です。
絹地がふんわりと美しく、天女の衣のようでした。
~ 上下セットになった衣装 ~
そのまま着られるように上下がセットになっています。
自分では着られないものでも、色柄やデザインなど見せて頂くと、
自分の感性に訴えてくるものに出会えます。
この三点はどれも素敵ですが、私の好みで順番を付けると
一番は左端の紫の一式、二番は真ん中のベージュの一式、
三番目は右端の臙脂の一式になります。
さて、皆さんでしたらいかがでしょう?
~ラオスの筒スカート (シン) ~
「シン」は、ラオスでは女性が日常的に身に着けるスカートです。
一枚の布をくるりと巻いて筒状のスカートにします。
大橋さんがはいているものは、ウエスト部分に金具がついていて、
自分のサイズに合わせて留めることが出来るようになっています。
織りがしっかりとした布なので、体型をカバーしてくれてきれいな姿でした。
いずれ、気に入った布に出会ったら、このシンを作ってみようと思っています。
~ ショールもきれいです ~
~ ラオスのショール ~
このショールは、寺参りや他家の訪問時に使うものです。
素材はシルク、織りは「浮織」「縫取織」の併用、
約30年前の手仕事で、現在ではほとんど見られなくなったそうです。
茶色の部分は、タイの黒檀染め、
こげ茶の部分は、ラオスの黒檀染めを使用。
※ タイの黒檀は、現在ではワシントン条約で刈り取りが禁止されています。
柔らかな紫色がエレガントなスカーフは、花嫁が身に着けるものだそうです。
黄色に見える部分は金糸で刺繍されています。
産地は記憶が曖昧です、分かりましたら追記したいと思います。
会場には、アジア各国の布、焼物などもディスプレイされています。
インドネシアの古渡の更紗や織物、刺繍の布など、
お茶入れの仕覆や古袱紗などにも仕立てられる、素晴らしい布のコーナーです。
※ 古渡 ( こわたり ) : 室町時代、またはそれ以前に外国から渡って来た物をいいます。
サリーを着物に仕立てたものや「シナの木」の樹皮を用いて織った「シナ布」など、
日本では高価で手の出ない物が、驚くほどの値段で販売されていました。
~ 小物コーナー ~
気軽に使えるショールやマフラーなど、どれも天然の染料で染めた糸を使っています。
~ イランのライオンラグの前で ~
どの作品も現地の女性たちが時間と手間をかけて作り上げたものです。
今では禁止された染料を使った希少価値のある織物や、
緻密な織りや刺繍の技術など、素晴らしい布の数々を堪能しました。
大橋さんが代表を務めるギャラリー「トーク」は絵画、陶芸、ジュエリー、
ガラス、木工などの作家展を開催しています。
特にアジアの伝統的な布の紹介に力を入れているそう。
またの機会を楽しみに待っていましょう。