私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

紫陽花が美しい播州清水寺 西国三十三か所 第二十五番札所

2017年06月28日 | 札所巡り
                                   御嶽山  播州清水寺

                  天台宗  本尊 十一面観世音菩薩 (根本中堂 秘仏)
                       西国三十三か所札所本尊は大講堂の千手観世音菩薩 (拝観可能)
                  開基   法道仙人   創建  推古天皇35年(627)

         この地は標高550mの御嶽山頂であり、水が乏しいため法道仙人が水神に祈ったところ、霊泉が湧いたところから
         「清水寺」と名付けられた。京都の清水寺よりも創建は古いが、区別するために「播州清水寺」と呼ぶようになった。

         寺伝によると、その始まりは今から1.800年前に天竺(古代インド)から渡来した「法道仙人」が鎮護国家を祈願した
         ことからと伝わる。推古天皇35年(627)に天皇の勅願により根本中堂を建立。さらに725年(神亀2年)聖武天皇が
         行基に命じて講堂を建立したと伝えられている。

         根本中堂には法道仙人が一刀三礼をもって刻んだとされる十一面観音が安置されているが、この本尊は秘仏であり
         御開帳は 30年に一度とされ、普段は「お前立ち」の十一面観音像が迎えて下さっている。

                  *根本中堂は天台宗のお寺での本堂の呼び方。
                  *一刀三礼(いっとうさんれい) 一刀入れるたびに三度のお辞儀をすること。
                  *法道は天竺から紫の雲に乗って日本に渡来したとされる。素敵な伝説である。
                             



    歩いて登る遊歩道と車で登る登山道があります。
    登山道を車で走っていると、前方を野ウサギが横切って行きました。
    さすがにここは、深山幽谷の地。ウサギものびのびと暮らしているのでしょう。
    車道の脇には数々の紫陽花が植えられており、とてもきれいです。




    紫陽花は6月中旬から7月中旬まで楽しめます。
    その他、春は桜、こぶし、ツツジ、シャクナゲ、クリンソウ。
        夏は紫陽花と蝉しぐれ。
        秋は紅葉。
        冬は雲海など四季折々に楽しむことができるそうです。



    これは、参道から下を見たところです。
    お寺の方のお話では、この紫陽花の群生は人の手が入っていないそうです。
    沼地で蛇も生息しており手が付けられないとのことでした。
     蛇も安住の地を得て、さぞ悠々と暮らしていることでしょうね。    



    
    それにしても、このお寺の紫陽花の色は格別です。
    鮮やかというよりも「艶やか」というのでしょうか。

    この紫陽花は、多宝塔跡に咲いています。    
    多宝塔は、平清盛の武運長久を祈願して、祇園女御により建立されたと
    言われています。きっと美しい塔だったのでしょうね。
    そして、その壮麗な塔にこの艶やかな紫陽花がよく似合うだろうと、
    想像するだけでもワクワクしてしまいます。



                     薬師堂



                     大講堂
    こちらで千手観音様にお参りして、ご朱印を頂きます。お寺オリジナルの
    美しい散華を戴くことが出来ます。

    講堂の中の裏側に回ると、お寺に残る色々な物が展示されています。
    その中に弁慶さんが遊んだ碁盤と碁石があり、その説明がありました。
    弁慶さんは、姫路の書写山からこのお寺に遊びに来ていた時に、このお寺の
    お坊さんと碁を打ち、負けてしまい、あまりの悔しさで碁石を碁盤に押し付けて
    めり込ませてしまったそうです。

    碁盤にめり込んだ碁石をみて、その怪力ぶりに驚くやら、それほどまでに本気で、
    無邪気に遊ぶ弁慶さんを可愛くも思ってしまうのでありました。
    思わぬ所で思わぬものに出会う。これもまた楽しいものですね。
   



                      根本中堂
    このお寺の「本堂」と言われるところです。本尊の十一面観音様は秘仏ですので
    お前立ちの千手観音様にお参りします。
  



    緑の木々に囲まれ、静寂な境内、、整然と整った階段、、美しい花々、、
    心がゆったりと安らぐ空間でした。 さて、次はどのお寺に参りましょうか、、

           *台風が心配ですね。どの地域も被害がないことを祈ります。
            では、また明日お会いしましょう。
    
 ※ 2014年7月9日にアップした記事です。
クリンソウの時期にもう一度訪ねたいと思いますが、
いつになるか分かりませんので、アジサイが美しい時に
訪ねた時の記事をアップさせて頂きました。

ー 2017・6・28 ー    



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ラストサムライロケ地・書写山圓教寺/西国三十三か所二十七番札所

2015年11月26日 | 札所巡り
ー 圓教寺パンフレットより ー

こちらは、ハリウッド映画 「ラストサムライ」やNHK大河ドラマ 「軍師官兵衛」のロケが
行われた圓教寺の中心道場と言える三つの堂がコの字に配置された伽藍空間です。

右手の建物は大講堂、中央は食堂、左手が常行堂。

いずれも室町時代の建物で、「一度は訪れてみたい名建築」として、
「週刊古寺をゆく・別冊」(小学)で紹介されたことがあります。




樹齢数百年の杉木立の道を抜け、急な坂道を上ります。




ー 大講堂 ー (国重要文化財)
こちらは僧たちの勉強と修行の場

播磨の諸将が信長に加勢する中、別所長治が毛利方に寝返り、
窮地に立たされた秀吉は、官兵衛の進言によりこの圓教寺に
本陣を移し難を逃れたと言われています。

ここは、信長からの大勢の援軍を収容でき、山上にあることから
敵を監視するのに好適との官兵衛の判断だったのでしょう。
そんな歴史の一コマを彷彿とさせる凛々しい雰囲気が漂っています。




大講堂の軒下
風雪に耐えた木材の貫禄



お祀りしているのは、釈迦三尊像 (脇侍は文殊菩薩と普賢菩薩)ですが、
普段は拝観不可で、GWの新緑まつりと12月14日~16日のみ特別公開されます。




ー食堂 (じきどう) ー

修行僧の寝食のための建物 (国指定重要文化財)
長さ約45mの二階建ての建物は他に類を見ないそうです。

今では、1階が写経や座禅体験の場として解放され、
2階は寺宝の宝物館となっています。

圓教寺は弁慶が修行したことでも知られていますが、
この宝物館には 「弁慶の勉強机」 も展示されています。
分厚い一枚板のかなり重そうな机ですが、弁慶はこの机を
境内のあちこちに持ち運んで、そこで勉強していたようです。

あの屈強な弁慶さんが机を持ってウロウロしているなんて、
想像するだけでも、益々弁慶さんが可愛らしく思えてなりませんでした。




ー 金剛薩た座像 (こんごうさった) ー
この座像は金剛堂の本尊ですが、この宝物殿に展示されています。

※「薩た」の「た」は漢字ですがパソコンでは出てこないので平仮名にしました。



ー 常行堂 (じょうぎょうどう) ー
本尊は阿弥陀如来座像 建物と共に国の重要文化財

ここは、常行三昧という修行の場
(常行三昧とは、ひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら本尊を回る修行のこと)

舞台と楽屋が付いた珍しい建物
張り出した舞台は、向かい合う大講堂の釈迦三尊に舞楽を奉納するためのもの。


~ * ~ 三か所の特別公開 ~ * ~



ー 本多家廟所 5棟 ー
食堂の向いに土塀で囲まれた姫路城主本多家の墓所があります。
この度、特別公開で中まで入らせて頂きました。
江戸初期から中期にわたる廟建築として、県下でも類例のない貴重な遺構とのことです。




ー 十妙院 及び狩野永納襖絵 ー(国指定重要文化財)

江戸中期に建築され、圓教寺型といわれる独特の構造を持った塔頭といわれています。
内部にある襖絵は狩野永納筆で、この度特別公開されました。




ー 金剛堂 ー (国指定重要文化財)

こちらは室町時代の建物で二間四方の小さいお堂
天女の天井絵が特別公開されました。
本尊の「金剛薩た」は食堂の宝物館に展示されています。




金剛堂前の山上公園からは、はるか瀬戸内海や小豆島まで見渡せます。

はるばると のぼれば書写の 山おろし
松のひびきも 御法なるらん



※釈迦三尊像と金剛薩た座像の画像は「西国三十三所をめぐる本」より
(株 京阪神エルマガジン社)

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西の比叡山・書写山圓教寺・魔尼殿/西国三十三か所二十七番札所

2015年11月25日 | 札所巡り

はるばると のぼれば書写の 山おろし
松のひびきも 御法なるらん

西国巡礼は1300年の歴史を持つ日本最古の巡礼で、三十三か所の観音霊場を参拝します。
その霊場は岐阜県から兵庫県までの二府五県に点在しており、圓教寺はその西端の札所です。

こちらは、圓教寺の中核をなす本堂である魔尼殿 (国登録有形文化財)
ご本尊は六臂如意輪観音 (国指定重要文化財)です。

こちらで参拝を済ませ御朱印を頂きます。




開山は、今からおよそ1000年前の966年(康保3年)
性空上人によって開かれた天台宗の古刹です。

最盛期には山上に30余の塔頭が建ち並び天台宗の
三大道場の一つとして西の比叡山と呼ばれてきました。




魔尼殿は京都清水寺の舞台と同様に、崖に造られた懸造り (かけづくり)
桜の霊樹に天人が礼拝するのを見た性空上人が、その生木に如意輪観音を刻み、
これを本尊とする堂を築いたのが魔尼殿の始まりと伝えられています。




魔尼殿に入るために懸造りの足元を右に回ります。
その美しい姿を間近に見ることが出来ます。




曲がり角にも観音様が佇んでおられます。
柔和で静かなお姿に心洗われる思いです。




一つ一つに人々の思いが籠められているようで
胸が熱くなります。




魔尼殿の前にそびえる大イチョウの木

水分を多く含んでいて火に強く、火が迫ると水を吹いて社殿を守ると言われています。

幾度か火災に見舞われており、昭和期に建て直されたということですので
この大イチョウは魔尼殿にとっては大事なお守り、イチョウに寄せる思いが伝わります。




魔尼殿の西側の下から見上げたところです。
紅葉の赤が美しく、建物をベールのように包んでいました。




黄楊 (つげ) に彫られた桜のお守り

寺社にお参りしても、ほとんどお守りは頂かないのですが、
このお守りは番外です。桜の美しい彫刻に惹かれました。

※11月21日から23日までは書写山もみじまつりとして
三か所の文化財の特別公開がありました。

次回はその様子と、ラストサムライや軍師官兵衛のロケ地となった
大講堂、食堂、常行堂の投稿です。


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もみいづる書写山圓教寺・西国三十三か所巡礼二十七番札所/仁王門まで

2015年11月24日 | 札所巡り

書写山圓教寺(えんぎょうじ)は姫路駅より北西にバスで30分の位置にあり、
山頂11万坪の広大な敷地に、十数棟のお堂を持つ大寺院です。

ハリウッド映画「ラストサムライ」やNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」などの
ロケ地として使われ、歴史的にも秀吉の本陣が置かれるなど見所の多い寺院です。




ー 地図は姫路観光なびポート(観光案内所)パンフレットより ー

標高371mの山上の境内は東西に延び、三つの小さな谷があり、
幾つもの坂を登ったり下りたりしながら奥まで進んで行きます。

※あまりに広大で見所も多いため、三回に分けての投稿になります。
今回はロープウェイ乗車から仁王門までの様子です。





ロープウェイは姫路のキャラクター。しろまる姫と官兵衛が描かれています。
71人乗りのゴンドラで約210mの山上駅まで4分の空中散歩が楽しめます。




眼下を流れるのは夢前川(ゆめさきがわ)
山々も少しずつ秋色になって来ました。



ロープウェイ駅からの眺め
山の向こうは姫路市街です。



仁王門までの道々には観音様が佇まれて参拝者を迎えておられます。
この観音様は、西国三十三か所霊場のご本尊のお姿を写されたものとのことです。




仁王門まで少しずつ坂を上ります。



観音様と紅葉の荘厳



だいぶ上がりましたがもう少し歩きます。



杉木立の中の観音様を拝みながら進みます。



10分ほど歩いて仁王門に到着です。
山麓と違い紅葉の鮮やかさが光ります。

次回は、圓教寺の中心伽藍である魔尼殿(まにでん)です。



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西国三十三か所巡礼 第一番札所 青岸渡寺

2014年09月13日 | 札所巡り

                                      那智の大滝
                                 補陀落や 岸打つ波は 三熊野の
                                         那智の御山に 響く滝津瀬

                     那智の滝は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の那智川にかかる滝で
                     落差は133m、一段の滝としては日本一を誇り、栃木県の華厳の滝、茨城県の
                     袋田の滝と共に、日本三大名瀑に数えられている。

                     国指定の名勝であるが、平成16年7月、「紀伊山地の霊場と参詣道」として
                     ユネスコ世界遺産に登録された。隣接域の那智原生林も世界遺産として登録され、
                     国指定の天然記念物にも指定されている。
                     



                                飛瀧神社

                飛瀧(ひろう)神社のご神体は「那智の滝」そのもので、本殿も拝殿もなく
                大滝自体を直接拝観することになっている。

                落差133m、落ち口の幅13m、滝壺の深さ10m。
                毎秒1トンの水量は、その高さと共に日本一。
                「どうどう」と流れ落ちる様は見るだけで心洗われる思いである。


    


                                青岸渡寺
                        天台宗 本尊は如意輪観世音菩薩(秘仏)
                        開基 裸形上人  創建 仁徳天皇時代(313~399)

              このお寺の始まりは「那智の滝」である。
              仁徳天皇時代に、天竺僧の裸形上人が仏教を広めるために、熊野の浜に漂着し、
              熊野一帯を巡り那智の大滝を見つけた。

              この大滝での修行により、八寸の観音菩薩を感得しこの地に草庵を結びお祀り
              したのが開山の由来である。

              その200年ほど後の推古天皇時代に、大和の生佛上人が椿の霊木で4mの如意輪観音像を      
              刻み、裸形上人が監督した八寸の観音を胸佛として納め、推古天皇の勅願を仰ぎ初めて
              如意輪堂が建立された。

              その後、多く高僧や歴代の上皇が修行や御幸で訪れているが、中でも六十五代花山法皇が
              那智の大滝で千日もの修行を積まれて、ここから巡礼の旅に出られた。
              その旅こそが現在の西国三十三か所の始まりである。

              一番札所の青岸渡寺から三十三番札所の華厳寺(岐阜県)までの巡礼の旅は、総延長
              1200km、難所も多いと聞く。心して巡ろう。

                          



                           那智の大滝と三重塔



                          熊野那智大社

   
            この神社の始まりも那智の大滝である。
            ー神武天皇が熊野灘から那智の海岸「にしきうら」に上陸された時に、
            那智の山に光が輝くのを見て、この大滝を探り当てられ神としてお祀りし、
            そのご守護のもと、八咫烏(ヤタガラス)の導きによって無事大和へ
            お入りになったー以上社伝より

            始まりは青岸渡寺と同じ「那智の滝」であり、明治初期の神仏分離までは、
            隣りの青岸渡寺と一緒に二つあわせて神仏習合の修験道場として栄えた。

            熊野夫須美大神を主神とする熊野十二権現と共に、別宮、飛瀧神社のご神体
            那智の滝を祀る。

            全国に約400社あるといわれる熊野神社の本社であり、神仏霊場巡拝の道
            和歌山三番となっている。
               
               
               



                      美しい熊野那智大社



                   境内からの眺望(向こうに見えるのは太平洋)

            熊野那智大社と青岸渡寺、那智の大滝は周辺の自然と共に世界遺産である。

                                       
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