着物や帯に格があるように、帯締めにも格があります。
格の違う着物と帯のセットに、同じ帯締めを合わせたらどうなるのでしょうか、、
準礼装にもなる一つ紋付きの色無地と、おしゃれ着扱いの小紋に
カジュアルな帯締めから、少し改まった雰囲気の帯締めまでの4本を合わせてみました。
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~ こちらは一番カジュアルな帯締めです ~
※左の着物は、絽地に桐竹鳳凰紋の地紋、帯は引箔の紗の袋帯
格から言えば準礼装となり、正式なお茶席からパーティー、
その他行事まで通用する便利で失礼のない安心の組み合わせです。
※右の着物は、絽縮緬に金彩の小紋、帯は絽つづれの名古屋帯
格としてはおしゃれ着で、軽いお茶席、パーティーならOKですが、
正式なお茶席、パーティー、行事には不向きです。
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ここでは4本の帯締めの中で一番カジュアルなものを合わせてみました。
こうして見ると色無地のセットには、帯締めの格が追いついていないのが分かります。
対して、小紋のセットには難なく馴染んで、格もぴったりと合っていますね。
帯も帯締めも互いに生き生きとしました。
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~ レース組の中でも少し格を上げてみました ~
同系色の色無地のセットによいアクセントになって、帯も帯締めも互いを
引き立てあい、帯締めの格が色無地の格に追いついているのが分かります。
対して、小紋の方は、格上の帯締めに、帯が少し無理をしているように見えます。
考えようによっては、帯締めが帯の格を上げているとも言えますが、ちょっと落ち着きませんね。
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~ 繊細な網目で上品な帯締めです ~
格はそこそこですが、色無地に使うには、少し力が足りないように見えます。
せっかくの袋帯が頼りなく見えてしまいました。
対して、小紋の方は力関係も同等で、どこにも無理がなく美しい組み合わせになりました。
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~ フォーマルな帯締めとオールラウンドに使える帯締め ~
左側の帯締めは、一部金糸を使ったややフォーマルな帯締めです。
力のある帯締めで、全体がキュッと引き締まりました。
改まった席にも対応できる組み合わせになりました。
※この帯締めの場合には帯揚げの色を変えるようにします。
対して、小紋の方には、さすがにこの帯締めは格が合いません。
小紋はおしゃれ着ですから、どんなに頑張ってもこの帯締めは締められませんね。
代わって、この冠組の帯締めなら、何の無理もなく似合っています。
さっぱりと涼しそうに仕上がりました。
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洋服の場合にも、小物は装いの総仕上げと言いますね。
着物の場合、体の真ん中にある帯締めはよく目立ちます。
そこで、格も合い、雰囲気もピタリとあった姿に出会うと
その方の内面的な美しさまで感じられるようです。
なかなか難しいことですが、常にそれを意識して勉強していくしかありません。
「着物姿は一日にしてならず」
日々に努力ですね。