旅行二日目。
今日の朝の出発は10時20分と遅めです。
今日は昼間観光をして、夕方青森に向かい、ねぶた祭りを観覧する予定となっています。
この余裕のあるスケジュールも、今回のツアーを選んだ理由の一つです。
しかし、朝食は8時から。
これには理由が二つあって、一つは宿の人出確保の問題、もう一つは今日も早めの夕食となるため、朝食を遅くする訳に行かない、ということになります。
宿の朝食。
見た目シンプルですが、なかなかおいしいです。
朝食は品数が多かったり、凝っていたりする必要はなくて、このくらいで十分です。
さて、この日から乗車するバスが変更となりました。
このバス、本来は弘前~仙台間の高速バスに使用される車両とのことで、後部にトイレ、乗務員仮眠ベッド、交代乗務員席があり、補助席もないため定員が少ない仕様となっています。
バス会社の都合で、他の場所で定員の多いバスが必要となったため昨日のバスをそちらに回し、参加人数のすくない我々のツアーにこのバスを用意したようです。
座席には余裕があるので実害なし。むしろ多少シートピッチが広くなったかもしれません。
宿を出発し、金木に向かいます。宿から金木までは20分程度、ここまで来ると竜飛岬、十三湖もすぐ近くです。
今回、久しぶりにバスガイド付のバス旅ですが、バスガイドさんの話てくれる解説が非常にためになります。
津軽の地理、農産物の話から歴史、有名人の話まで、個人で旅行していたら知らずに過ごしてしまうような話も多く、この面でもこのツアーに参加してよかったと思います。
ツアーの添乗員さんとのコンビもよく、動きに無駄がありません。
弘南バスはこの地域では大手なので、このような優秀なバスガイドさんが在籍しているのでしょう。
途中からバスが走るとすれ違うのがやっとの細い道に入り、金木に到着。
金木、言わずと知れた作家 太宰治の生誕地です。
当方は太宰の読者ではないのでそれに特に感想はないですが、金木の魅力はそれだけではありません。
金木は津軽三味線発祥の地でもあります。
まずは津軽三味線会館へ。
ここでは津軽三味線関連の展示を見ることができるほか、プロの演奏を聴くことができます。
本日の演奏は福士豊勝師匠。
津軽三味線は詳しくはありませんが、一音一音が繊細できれいな音に聞こえました。
ちなみに撮影は可、録音録画は不可となっています。
続いて斜陽館へ。太宰治の生家、津島家の邸宅です。
津軽三味線会館からは道を挟んだところにあります。
太宰について語れるほど詳しくなないので詳細は省きますが、一言でいうと豪邸、並大抵の豪邸ではありません。
太宰治の祖父が事業に成功した金で金融業を始め、金を返済できない農民から抵当の田畑を手に入れ、豊作の時は米、凶作の時はさらに田畑が手に入るというサイクルで富を集積し、
一時は金木周辺の田畑はすべて津島家の物であったといいます。
そんな津島家の当主、太宰治の父が建てたのが現在の斜陽館です。
高いレンガ塀で囲われているのは、小作農の暴動から守るためでしょうか。
廊下は鏡のように磨かれています。これは現在の保存状況が良いということでしょう。
仏壇。
そのまんま中尊寺金色堂という感じです。
二階の廊下はウグイス張り。
戦後の農地解放で津島家は田畑のほぼ全てを失い、この屋敷も手放すことになるのですが、その後旅館として営業されます。
しかし経営の悪化により平成8年に金木町(当時)が買い取り、現在の姿となっています。
これだけの建物が良く残ったものだと思います。
続いて三味線会館の敷地内にある観光物産館へ。
時間があるので知輿買い物をします。
とりあえずリンゴジュース。
昨日ほどではありませんが、今日も暑いです。
珍しいハスカップのジャム。
こぎん刺しのポーチ。こぎん刺しにしては安いのと、柄が変わっているので購入しました。
ここで昼食。
奴寿司というお店、金木では結構有名な店のようです。
握り寿司八貫。
ネタが変わっていて北寄貝、フカヒレが含まれています。
どれも新鮮で、ホタテも非常に柔らかで非常に美味しい寿司でした。
これは大満足。
トマトが非常に美味しいです。
続いて旧津島家新屋敷。
入り口はギャラリー風の店で、奥が新屋敷になっています。
もともとは斜陽館とつながっていたようですが、数十m動かされ、今の位置にあるようです。
全盛期の津島家の敷地。斜陽館はごく一部に過ぎないことがわかります。
昔ながらの歪のあるガラス。
今では歪のないガラスしか入手できないので、割れたら終わりです。
晩年に太宰治が執筆した書斎と文机。
この施設の人に説明をしてもらいましたが、ものすごく詳しく、太宰治への愛が感じられました。
これを機会に太宰治を読んでみよう、という気に少しだけなったかもしれません。
<その2に続く>