99歳、新藤兼人監督は
本作を最後とするそうです。残念。


「一枚のハガキ」70点★★★☆




戦争末期。
松山(豊川悦司)ら100人の中年兵は
クジ引きで赴任先を決められ、
それがすなわち、生死の分かれ目でもあった。


ある日、松山は
同僚兵士の森川(六平直政)に一枚のハガキを見せられる。

それは彼の妻・友子(大竹しのぶ)からのものだった。


「もし生き残ったら、妻を訪ねて欲しい」――。

そして終戦を迎え、クジ引きで残ったのはわずか6人。

そのなかに松山もいた。

松山は森川の遺言に従い、
友子に会いに行くことにする。



そのころ友子もまた、つらい状況のなかで、
必死に生きようとしていた――。



クジ引きで運命が決まる
戦時中の兵士たちの不条理と

残された妻の運命を描いた作品です。


ただ陰鬱になることなく、
まるでコメディのようなおかしみと、名調子が独特で、

繰り広げられる
ギャグとしかいいようのない“戦争の狂気”が
本当にナンセンス風刺のよう。



舞台劇のようなシーンも多々あり、
そんななかで大竹しのぶ氏の
ぶちギレた芝居も、さすがにこなれてる、というか
プラスの味わいになっていました。

映画のなかで
「納得していますから」を
「のどを通っとりますから」と言い表すなど
古風な言葉使いも、
なるほどストンと府に落ちました。


★8/6からテアトル新宿、広島・八丁座で先行公開。
8/13から全国で公開。
「一枚のハガキ」公式サイト