goo blog サービス終了のお知らせ 

ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

神様のカルテ

2011-08-21 18:15:49 | か行

おだやか~な雰囲気なのは
悪くないんですが。

「神様のカルテ」50点★★☆

本屋さんが選ぶ「本屋大賞」2位となった
現役医師のデビュー小説の映画化です。


長野県・松本市。

一止(イチト、略してイチ)(櫻井翔)は
24時間患者を受け入れる、小さな地方病院の医師。

休みナシのハードな日々だが
持ち前の飄々、淡々とした風情で、
やりすごしている。

なにより、家に帰れば
最愛の妻榛名(ハルナ、略してハル)(宮あおい)が待っているのだ。

ハルとイチが暮らす家とは、
元旅館の風情あるアパート。

二人は風変わりな画家や学生らと
共同生活を楽しんでいた。

そんなある日、
イチは大学病院に勤めないかと誘いを受けるが――?


病院モノには珍しいほど
色合いも、時間の流れも、おだやか~な映画です。


主人公のイチが
なぜか夏目漱石みたいな言葉使いをしていたり、

彼が妻ハルと暮らす
古い旅館(下宿)には
明治時代みたいな浮世離れした人々が出てきたり

どこか失われつつある
「古き良き」人の心を追求したような
いい印象はありました。


ある種のドライさがないとやってけない
医療現場の描き方として面白く、

アプローチは嫌いじゃなかった。


しかし、なんか
全編に「いい人オーラ」キラキラで、
どうも消化に悪かったのは事実。

そこまでアタシ、いい人じゃないのよ!みたいなさ(笑)

話の行き着くところが
ターミナルケアっていうのも
早くに見えちゃうし、

アフラックのCMで
二人が出てるのがちょっと映画の印象を
決めてしまってたりもして。

とにかく、こんなに時間かけなくてもいいよ!

セリフを2倍速にすれば、1時間半で済んだんじゃね?なんて(苦笑)

しかし
「この町の何処に、こんなに大勢の人がいるんだ」と言われる
地方病院の混雑ぶりはリアルでした。


★8/27から全国東宝系で公開。

「神様のカルテ」公式サイト
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする