最近、キュン

しかも
予備知識ナシで見るのがおすすめです。


(ここではネタバレしてないのでご安心を)
「リメンバー・ミー」72点★★★★





「トワイライト」のヴァンパイア役で人気者になった
ロバート・パティンソン主演作です。
1991年、ニューヨーク・ブルックリン。


母親と電車を待っていた少女アリーに
ある悲劇が起こる。

そして10年後。
NY大学の聴講生、タイラー(ロバート・パティンソン)は
6年前に兄を亡くして以来、
父(ピアース・ブロスナン)との衝突も絶えず、
虚無的に日々を過ごしていた。

いまは別々に暮らす
11歳の妹(ルビー・ジェリンズ)とだけは
心を通じ合わせている。


そんなある日、タイラーは大学の授業で
鋭い発言をした女の子に目を留める。
彼女は成長したアリー(エミリー・デ・レイヴィン)だった。

ともに
「喪失」という過去を背負った二人は
やがて親しくなっていくが――。


人気俳優を起用したアイドル映画にあらず。

丹念な人間ドラマであり、
実に「キュン」なラブストーリーでした。


と、いうのも
パティンソンは「トワイライト」をやる前から
「どうしてもこの役をやらせて欲しい」と
名乗り出ていたそうで、
結局、自身も
製作総指揮を務めたほど惚れ込んだ作品。
なるほど、その意気込みが誠実さとして
結実した印象がありました。

喪失を経て成長した少女と、
やはり喪失を経験し、人生を足踏みする青年。
短いなかに二人の過去を匂わせ、
丁寧に段階を踏むことで、
もともとは他人同士の二人が
ひと触れ、ひと呼吸ずつ近づいていく、
「恋愛」のキモである震えるような想いを
うまく表現しています。



字で書けば「二人は恋に落ちた」なんだけど
その字間を埋め、空気を含ませていく。
「映画という作業」とは
こういうことなのだ、と思わせてくれますわ。


これから起こる出来事を予感させる
音楽の使い方といい、
「映画」のお作法を教えるような
スタンダードな良さがある。
タイラー、という主人公の名前からして
ちょっとクラシックだしね。

ああ、そこにつながるんだな、と
さあ、どのへんで気づくかな?


★8/20からシネマート新宿、シネマート心斎橋で公開。ほか全国順次公開。
「リメンバー・ミー」公式サイト