ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ペーパーバード 幸せは翼にのって

2011-08-13 14:46:23 | は行

うまい子役、うまい助演役、うまい展開、
そしてうまい後味。

いい映画!

「ペーパーバード 幸せは翼にのって」75点★★★★


1930年代、スペイン内戦下のマドリード。

喜劇役者のホルヘは
相方のエンリケと名コンビで
観客を笑わせていた。

そんなある日
ホルヘの家が爆撃され
彼は妻と幼い息子を亡くしてしまう。

失意のホルヘはそのまま姿を消した――。

そして1年後。

戦争が終わり、エンリケは
戦争孤児となった少年ミゲルと出会う。

エンリケは芸で身を立てたいというミゲルの
面倒をみることに。

そんな折、ホルヘが劇団に戻ってきた。

ホルヘとエンリケ、ミゲルの3人は
新しい出し物を考え、舞台に立つようになる。

だがそこに
戦後の独裁政権の弾圧が影を落とし――。


喜、笑、涙、ハラハラをまんべんなく盛り込み
うまく収束させています。

子役が効いてることや
喜劇にのせた悲しみ、という意味で
「ライフ・イズ・ビューティフル」に近い感覚もありました。


相方のエンリケが
ゲイなのがまた、うまい設定なんだなぁ。

厳しさで少年に対する主人公に、
優しさで包み込む相方、と役割分担もばっちり。

演じるスペイン人俳優、ルイス・オマールがめちゃいいです。


そんな三人のおだやかで、笑えて、温かい喜劇に
つねにレジスタンス運動など
不安要素や影を散らし、

その効果がラストに向かって
予想以上に生きてくる、という。

モントリオール映画祭、観客賞は納得!

ちなみにペーパーバードとは
折り紙みたいにして作る紙の鳥のことですハイ。


★8/13から銀座テアトルシネマほか全国順次公開。

「ペーパーバード 幸せは翼にのって」公式サイト
コメント
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