これはせつな演技に胸つぶれ系!(泣)


「リリーのすべて」80点★★★★




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1926年、デンマーク。
アイナー(エディ・レッドメイン)は
気鋭の風景画家。


彼ほど有名ではないが
妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)も画家で

互いに触発し合う芸術家カップルは
結婚6年目にして
アツアツの仲良しだった。



そんなある日、アイナーは
ゲルダの絵のモデルとして
バレエダンサーの恰好をさせられる。


ためらいながらも
ストッキングを履き、チュチュを身体に当てたアイナーに
いままで感じたことのない感覚がこみ上げてきて――?!

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世界でもっとも早く
性別適合手術を受けたひとりである
実在人物の映画化だそうです。

そういう方がいるんですねえ。

そして、演じるエディ・レッドメイン、
いやぁ、物凄いですねぇ。

昨年「博士と彼女のセオリー」(14年)でオスカー獲ってなければ、
またしてもディカプリオ危うし!

そう「博士~」の
ホーキング博士もすごかったけど、
ワシはこっちの演技のほうに
より掴まれました。


男として生まれ、大好きな妻と暮らしながらも
しかし、何かに、どこかに違和感を持ち続けている画家。

画家として才能もあるし、
職業柄そういう気質もありなん?

周囲にも思われていたのだろう。
しかし、あるきっかけで
彼のなかの「女性」が目覚める。

そのきっかけとなるのは、急場しのぎのモデル役として
ストッキングを履いたことなんだけど
その滑らかな感触をいつくしむように、
彼のなかの何かが開いていく瞬間の
繊細な演技といったら!

感極まる思いがスクリーンから溢れてきて
やられました。

女であってもそういう感覚を持ち合わせていない自分にも
「なるほど」と思わせるほどで。

しかもそこにベン・ウィショーまで登場するとは……
繊細&胸震わせ演技対決か!

監督もカメラマンも、カメラをのぞきながら
その演技に引きずり込まれたのではないでしょうかね。

もちろんアカデミー賞助演女優賞を受賞した
アリシア・ヴィキャンデルも
難しい立場になる妻を熱演してる。

それにトム・フーパー監督は
感情を盛り上げる
エモーショナルな音楽使いが抜群にうまいですねえ。


1920年代のデンマーク、コペンハーゲンの街並みも
絵画のように美しいので
ぜひお楽しみください。

★3/18(金)から全国で公開。
「リリーのすべて」公式サイト