これは想像以上に、ショッキング!
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「あまくない砂糖の話」74点★★★★
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「人間は1日ティースプーン40杯の砂糖を取っている」
というデータに驚いたオーストラリア人監督が
実際にその量の砂糖を60日間、食べてみたら――?という
人体実験ドキュメンタリー。
「砂糖を取るなんて、太るに決まってるじゃん!」と
かなりあなどっていたんですが
いやあ、これ、想像以上にショッキング。
なぜかというと監督は
砂糖をそのまま食べたり、
ジャンクフードや菓子パンやお菓子で取ってるのではなく
低脂肪ヨーグルトやシリアルバーなど
一見ヘルシーそうなものを食べてるんですよ。
なのに、例えばスムージー1杯には
軽くスプーン30杯分くらいの砂糖が含まれているのだ!
ガーン!
いかに食べ物のなかに砂糖が大量に入っているか、
そして、その弊害が「太る」だけでなく
精神にも影響を及ぼすという怖さが
監督の変化によって
よ~くわかるという映画なんです。
ひええ。
砂糖を取り始めた監督は「なんだかダルい」状態になり、
砂糖を取ると、ハイになるんだけど、
長くは続かず、砂糖を取らないと、また「どよん」としてしまう。
これは肥満よりもまずい“害”じゃないですか。
考えさせられました。
また
監督は俳優でもあるので
「見せる」コツをよく心得ていて、
ビッグな俳優が解説役でちょい登場したり、
ポップでファニーなしかけをしたり、
飽きさせない工夫がしてあります。
まあ、ちょっと遊び過ぎにも感じるけど(笑)
あと食品に興味を持つきっかけが
「自分に子どもが出来たから」って
男の人にあるある、だとも思った。
で、おまけの話。
この映画でワシが一番衝撃だったのは
果糖について。
果糖も怖いってことなんですが
え?あの毎日飲んでるワインってもともと果糖じゃない?!(ガーン)と
かなりショックだったんですが
おなじみ
『週刊朝日』「ツウの一見」で
健康と食の評論家・幕内秀夫さんにお話を伺ったところ
「ワインは果糖がアルコールに変化したもの(確かに。)
アルコール発酵が十分でない、甘いぶどうジュースのようなものをのぞいて
摂取する果糖はほとんどない」
とのこと。
ホ~ッ・・・。まあ飲み過ぎがよくないことには変わりないけど(苦笑)。
取材後に
幕内さんのご著作『ドラッグ食』(春秋社)を読ませていただきましたが
まさにこの映画と同じことが書かれていて
すごくおもしろく、勉強になりました。
合わせておすすめです!
★3/19(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
「あまくない砂糖の話」公式サイト