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ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

奇蹟がくれた数式

2016-10-20 23:56:21 | か行

苦手科目だからこそ
理数ネタの映画は大好き。


「奇蹟がくれた数式」70点★★★★


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1914年。
イギリスの植民地であるインドで暮らす
ラマヌジャン(デヴ・パテル)は
数学の才能に溢れた青年。

彼はケンブリッジ大のハーディ教授(ジェレミー・アイアンズ)に
自らの数学の“発見”について手紙を送る。

彼の才能に驚いた教授は
ラマヌジャンを大学に呼び寄せるが
彼は「ひらめき型」の天才だった。

しかし数学には「証明」が重要。

教授はラマヌジャンに
辛抱強く「証明せよ」と教えるのだが――?!


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アインシュタインに匹敵する、と評される
実在した天才インド人数学者の物語。


映画はその彼の研究を世に出した
ハーディ教授(ジェレミー・アイアンズ)の回想、というスタイルで
進んでいきます。


ワシは理数が全く不得手だから、
もともと数学ネタは好きなジャンル。
この手の話は何をしているのかわからなくても
「どこがすごいのか」をどれだけ描写できるかがカギですが、

この映画では、数学がよく「芸術」に例えられる
その意味がわかったのが大きな収穫でした。

教授がラマヌジャンの才能をたたえる演説が必聴で
「数式はすでに存在し、それを神が、彼のような人物に託すのだ」――って。
なるほどねえ!と思いました。


“コミュ障”なハーディ教授とラマヌジャン青年とのすれ違いや悲運は
もどかしすぎて、若干イラっとすることもあるけれど

実話の重みもあり
映画としては非常に正統派の作りでした。


しかしジェレミー・アイアンズは
天文学者に建築家、数学者――と
とにかく学者が似合いますなあ。


★10/22(土)から角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国で公開。

「奇蹟がくれた数式」公式サイト
コメント
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