映画は予想と違うことがまた
おもしろい。
「あさがくるまえに」70点★★★★
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フランス、ル・アーブル。
夜明け前、眠るガールフレンドの横をそっと抜けだして
友人たちとサーフィンに出かけた
少年シモン(ギャバン・ヴェルデ)。
だが、シモンはそのまま
戻ってくることはなかった。
シモンの両親は病院で
白衣のトマ(タヒール・ラヒム)から
ある選択を提案される――。
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夜明け前、
サーフィンに出かけて行った少年が
帰らぬ人となる。
そこから、なにが、どう展開するのか。
たとえば
「そうならなかった」パラレルワールドを見せるとか
少年が彼を想う人たちのところへ姿を見せる
スーパーナチュラルものとか
なんとなーくそんなイメージを想像していた
ワシの陳腐な脳みそを
ポコン!、と叩かれたような感じでした(苦笑)
たしかに
瑞々しさやリリカルさはイメージどおり。
でもどこか夢と現実のあわいのような感覚もあり
しかし、起こるできごとは「臓器移植」というリアルな問題で
その描写はくっきりとグロテスクでもある。
とにかく場面転換や
新しい登場人物の出現などが唐突なので、
「???」としばし翻弄され
やがて腑に落ちて落ち着いていく、ということの繰り返し。
その、寄せては返す波のような感覚に
だんだんハマっていきました。
1980年、コートジボワール生まれの
フランス人、カテル・キレヴェレ監督は
ガス・ヴァン・サントの映画が好きなんだそう。
なるほど~
なんだかわかる気がする。
★9/16(土)からヒューマントラスト渋谷ほか全国順次公開。
「あさがくるまえに」公式サイト