この美しき姉妹を観るだけで満足……?!(笑)
「プラネタリウム」69点★★★☆
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1930年代。
アメリカ人のローラ(ナタリー・ポートマン)と
妹のケイト(リリー=ローズ・デップ)は
死者を呼び寄せる降霊術を披露する
人気の美人姉妹。
パリで公演を行っていた姉妹は
フランス人の映画プロデューサーで
お金持ちのコルベン(エマニュエル・サランジュ)の目に止まる。
「新しいフランス映画を作る!」という
夢を持っていた彼は
姉妹を屋敷に泊まらせ、
ケイトが呼び寄せた霊をフィルムに写して
世界初の映画を作ろうとするが――?!
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ナタリー・ポートマン×ジョニデの娘リリー=ローズ・デップが
1930年代のパリで活躍する霊媒師の姉妹に扮するお話。
ナタポーとリリー=ローズが
クスクスと頬を寄せ合い、戯れるだけで
まあドキドキと絵になること極まりなく(笑)
それだけで価値ある映画ですが
印象としては
なんとも風変わりな作品でした。
演出も独特だし
「結局、本当に妹には霊力があったのか?」といった
その核心や答えはなく、霞がかっている。
それでも、見終わって洞察するのが
なかなかおもしろかったですね。
本当に妹に“それ”があったのか?の答えは
ワシは「Yes」だと思うけど
それよりも結局この話は
セクシュアリティや生い立ちを隠してきた中年男の
自分探しの物語なんですよね。
その男とは
姉妹を盛り立てようとする
映画プロデューサー、コルベン氏のこと。
自分の潜在意識を
おそらく無意識のうちに打ち消してきた彼は
ケイトの何かしらの波長に反応して
自分の内的欲望と向き合うことになった。
しかも彼は、自分がユダヤ系だということからも目を背けていたわけで。
そうやって、ずっと自分を欺いていた男が
特殊な姉妹を触媒に、改めて自分を知ろうとした。
そういう話なのかなあと。
彼がそうせずにいられなかった
不穏な時代背景を考えると
つらく、切ないものがありました。
レベッカ・ズロトヴスキ監督のインタビューによると
この話は、実際に19世紀末に活躍していた
スピリチュアリストの三姉妹がモデルで
実際に、ある裕福な男が
姉妹の一人を雇った――という実話にインスパイアされたそう。
さらに1930年代ごろに
ユダヤ人排斥運動の犠牲になった
実在の映画プロデューサーの事件も絡めているそうで
虚実入り交じったような
霞のような味わいの理由は
そのへんにあるのかもですね。
★9/23(土)から新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開。
「プラネタリウム」公式サイト