2016年に事故で急逝したアントン・イェルチン主演。
……切ない!
「ポルト」71点★★★★
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ポルトガル北部の湾岸都市ポルトに暮らす
アメリカ人青年ジェイク(アントン・イェルチン)。
冴えない風貌で
愛犬だけを相棒に、その日暮らしを送る彼は
数年前のある出会いを忘れられずにいた。
それは、彼が26歳のとき。
仕事先で見かけた
6歳年上のフランス人留学生マティ(ルシー・ルーカス)に恋した彼は
彼女と、忘れられない一夜を過ごした。
だが、マティにはずっと年上の恋人がいた――。
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1982年生まれの34歳、
ブラジル出身の新鋭ゲイブ・クリンガー監督作品。
いやあ、切ないんです、これ。
ポルトガルが舞台だから、でしょうか
深みある赤、街に滲む黒……
どこかメランコリックで刹那な感覚が
巨匠、マノエル・ド・オリヴェイラ監督を思わせるんですが
プレスのインタビューを見ると
監督、やっぱり相当な影響を受けているようです。
さらに
ジム・ジャームッシュ監督の「黒」の印象もあり
彼の最新作「パターソン」に
酷似したシーンにびっくりしましたが
まさに、そのジャームッシュが製作総指揮&全面サポートと聞いて、
なるほど!納得いきました。
そして見ながら、やっぱり胸に迫るのは
事故で急逝したアントン・イェルチンの存在感。
ただ一度の愛に出会い、破れ、
異国ポルトガルで「いっそ、この世から、消えてしまいたい」的にたゆとう青年役が
あまりにうますぎて、ハマリすぎていて
切なすぎる(涙)。
惜しい存在を亡くしたと
つくづく思いました。
改めて、合掌。
★9/30(土)から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
「ポルト」公式サイト