誰にもわかりよい映画ではないかもしれない。
でも好きな人は、好きだと思うんだ。


「ルビー・スパークス」75点★★★★




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19歳で“天才作家”としてデビューした
カルヴィン(ポール・ダノ)は


その後スランプに陥り、10年間小説を書けずにいた。

彼はある日
とびきりチャーミングな女の子ルビー・スパークスの夢を見る。


彼女を主人公にカルヴィンは小説を書き始めるが
とんでもないことが起こった。
ある朝、カルヴィンの目の前に
ルビー(ゾーイ・カザン)が現実となって現れたのだ!

ウソだろ?あり得ない――?


一体、どうなっているのか――?!
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自分が小説に書いた女の子が
現実に現れて――?!

奇想天外なファンタジー?

これは
「人は、自分の思い通りにはならないのだ」

超基本でいて、実はみんなが意外と忘れてる真理について
いま一度、考えさせる映画であり、
それに気付く青年の成長を描いた
切ないラブストーリーなのですね。


脚本はルビー・スパークスを演じる
女優ゾーイ・カザン。


主人公を
彼女の現実の恋人であるポール・ダノが巧く演じ、
さらに
「リトル・ミス・サンシャイン」の監督が
人と人の心の機微を
みずみずしくセンスよく切り取っている。


しかしホントに
「人は自分の思い通りにならんのだ」って
基本だけど、つい忘れちゃうんですよねー。

だから
ちょっとした意見の違いにカチンときたり
相手の行動に「あれ?」と思ったり。
それが積み重なると失望し
「こんな人じゃなかった」


別れてしまう。

全て自分の思い通りになる他人なんて、いやしないのに
何度もおんなじことを繰り返してしまったり(苦笑)
そういうことを
スコン!とわからせてくれる作品です。


にしてもポール・ダノ
ほのん、とした雰囲気ながら
実は未成熟で気難しい青年役をこなしてる。


「リトル・ミス・サンシャイン」(06年)もよかったけど
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(07年)の神父役が当たってたなア。
この後は
ジョセフ・ゴードン=レヴィット×ブルース・ウィリスの
「LOOPER/ルーパー」(1/12公開)にも出てきますよ。

★12/15(土)からシネクイントで公開。
「ルビー・スパークス」公式ブログ