じゅんきーです
宮沢賢治の名作童話「どんぐりと山猫」の朗読劇をWEB配信するために、稽古中です。
短編の明るく楽しい童話ですが、読めば読むほど、味わい深い物語です。
主人公の一郎さんが、不思議な手紙に誘われて、山猫が裁判長を務める不思議な裁判に立ち会います。
「一番偉いどんぐりは誰か?」を決める裁判で、
「自分が一番偉い」と言って譲らない自己主張の強いどんぐりたちに
山猫の裁判長が困り果て、機知に富む一郎さんに助けを求めます。
一郎さんは、機知を働かせて、「一番偉い」の新しい定義を提案すると
誰も主張して争わなくなり、一見落着する物語です。
さて、一郎さんは、どんな提案したのでしょう・・・お楽しみに!
どんぐりたちを見ていると、まるで自分達を見ているようです。
意欲や意見がある人が集まると、自分の考えの正しさを主張したくなるのが私たち。
だから、世の中からいつまでたっても戦争や紛争が絶えず、
世界平和が永遠のテーマになるのだと思います。
争いごとのさなかにいると、
自分の正しさを信じて主張し、相手に何とか認めさせたくて、主張をやめられないどんぐりの気持ちも、
争いを何とか収めようとして、何をしても収められない山猫の苦しい気持ちも、
よくわかります。
皆苦しいです。
一郎さんのような提案をしてくれる人がいたらいいと思うのですが・・・
一郎さんの提案は、なんだったんだろうか・・・考えています。
皆が争っている「一番偉い」にそれほど価値がないという、新しい発想を提供してくたことなるのか・・・、
ならば、正しさを主張しているときは、その正しさにそれほど価値がないかもしれないと、考えてみることが大切かもしれない・・・
別の言い方をすると、
一郎さんの提案は、今まで気がつかなかったもの価値を認めたり、多様性を尊重することにもつながるのか・・・
など考えています。
いずれにしても、
多様性を認め合う、尊重し合うということが大切なのでしょうが、
それがそう簡単にできず、一郎さんのような発想の転換を生み出すにはどうしたらよいか、考え続けることが大切なのかもしれません。