大女優です。
NHKEテレでやる「古典芸能への招待」を時々ビデオに録り観ていますが、
以前とっておいた人間国宝 野村万作の「袴狂言 釣狐」を先日やっと見ました。
「釣狐」は若い人でも気力体力のいる作品です。
野村万作も25回ほど演じたそうですが、なんといっても91歳。
そこで、面や狐の着ぐるみをつけず、素の姿で魅力を見せる
袴狂言として演じられました。
今回はそれをご本人が工夫を凝らし、10台のカメラで 撮影した
映像が放映されました。普段は見られない幕前の姿なども観られました。
長年鍛錬してきた芸や狂言という芸に向かう姿勢が顔の表情やしぐさから
感じられ、素晴らしいものでした。さすが人間国宝です。
息子の野村萬斎との共演でした。野村萬斎も色々新しいことに取り組み、
力のある人だとは思っていますが、やはりこれをみるかぎり、まだまだ父親には
及ばないと思いました。
これから年を重ね、何回かこの「釣狐」を演じ父親の芸を引き継いで行くのだと思います。
野村万作さんはお年のせいか多少声がかすれているようにも思いましたが、
91歳にもなっておなかから声を出し全身で演じていらっしゃる姿は本当に敬服いたします。
私たちも芸、演技に対する姿勢を学ばなければと思いました。