今では見なくなった、映画の手描き看板。昔はあちこちで見ることが出来ましたし、それはそれは見事な出来栄えでした。繁華街の駅の近く線路沿いには、映画看板が並んでいました。十三を過ぎて梅田駅に向かう間には、電車の左右の窓どちらからでも大きな看板を見ることが出来たものです。
青梅に久保板観(くぼばんかん)という映画看板絵師がおり、生涯に3,000余枚の映画看板を描いたと言われています。余りにも見事な作品のため、保管されていましたが、青梅の街の活性化のために使う事になったそうです。それで青梅駅前の旧青梅街道(通称シネマチックロードと呼んでいます)に懐かしい映画看板が何枚も掲げられています。
僕も関東に住んでいる間に、絶対にここだけは行こうと、看板を観に青梅に足を運びました。1枚1枚の看板を観て歩くのが、楽しくて仕方がありませんでした。
この街道の映画の看板を見ていると、本当に昔の映画は良かった・・・そう心から思います。どの作品も、人間味に溢れていて、命の躍動感やエネルギーを感じます。最近の映画は・・・人、1人の命が実に安っぽく描かれています。そこに僕は反発します。自分の人生の主人公は、自分、つまり「あなた」です。