青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

罪の声 ~読書の秋

2020-09-04 | 本は友達・読書も大切です!
警察庁広域重要指定114号事件。僕はこう覚えていますが、一般には「グリコ・森永事件」と言った方がピンと来るでしょう。1984~85年に世間を騒がせた、昭和の大事件です。2000年に時効が成立。言いたくはないが、完全犯罪となりました。
 
この事件を題材にした、小説「罪の声」を読みました。作家が神戸新聞社に勤務していただけに、素材の扱い方は一級です。
 
「これは自分の声だ!」自宅で見つけた古いカセットテープに録音されていた音声。それはかつて、日本を震撼させた脅迫事件に使われた、幼い子供の声だった・・・。
 
500ページを超える読み応えのある作品でした。実際の事件を素材に取り上げ、作者が言いたかったことには、読後も納得出来ました。同じように、「三億円事件」を題材にした小説も数多くありますが、それとは比較にならない骨太な作品です。
 
当時のことを覚えている人ほど、引き込まれると思います。関西圏では特にタブーとされる、社会の特徴にも触れていますが、逆に、実際の事件では、失態の責任を取って焼身自殺した滋賀県警本部長(ノンキャリアながら本部長まで出世した人物)がおられましたが、そこはこの作品では使っていません。そういう配慮がなされている点も良かったと思います。
 
 
 


最新の画像もっと見る