ブラックソックス事件 - ご存知でしょうか?1919年のワールドシリーズは、シカゴ・ホワイトソックスとシンシナティ・レッズの間で、優勝が争われましたが、この試合で八百長が行われました。そのことを指します。
この事件に関わったホワイトソックスの8人の選手が、球界から永久追放されました。そのうちの1人が、生涯打率3割5分8厘という偉大な記録を残した、シューレス・ジョー・ジャクソンでした。スパイクが足に合わないことから素足でプレーしたというエピソードの持ち主で、シューレス・ジョーと呼ばれた人気選手でした。
・・・と言えば、1989年の映画「フィールド・オブ・ドリームス」(Field of Dreams)を、思い出す方もいらっしゃるのでないでしょうか?アカデミー賞でも作品賞などにノミネートされましたが、日本では特に高い評価を受けました。劇中には、シューレス・ジョーだけではなく、「ライ麦畑でつかまえて」で有名なJ・D・サリンジャーまで、実名で登場していました。
さて、1920年の今日、八百長に関する聞き取り調査が行われ、裁判所から出てきたジョーに、1人の少年が声を掛けました。
“Say it ain’t so, Joe.”
「ウソだと言ってよ、ジョー!」
当時、この少年の悲痛な言葉が、アメリカ人の心を揺さぶったと言います。実際には“It ain’t true, is it, Joe?”と声をかけ、
“Yes, kid. I’m afraid it is.”
「いや、残念ながら本当だ。」
と答えたと言われていますが、この“Say it ain’t so, Joe.”は、アメリカ全土にあっという間に広まったそうです。いつの時代も、大人は子供を裏切ってはなりません。心したいものです。