今の若い人はソニーのカセットデンスケを知っているのかな?
高性能の「持ち運び用小型録音機」で、映画やテレビの撮影時に、屋外で録音するために使われていたものです。オープンリールで録音していたものを、ソニーがカセットテープ用にして発売したのです。ほぼセミプロ用と言ってもいい機械でした。
録音レベルは左右別に調整でき、ドルビー機能も搭載。ショルダーベルトをつけて簡単に持ち運び出来る。アマチュアバンドが、デモテープ作成や自分達のライブ録音に重宝していました。コンサートミキサーに繋いで高音質で録音も出来ました。またエレキギターを繋いで録音状態にすれば、何とアンプにもなってしまう。映画や音楽を作るのに重宝した、僕の思い出の品物です。
これを担いで、「鉄道の音」を録音に行く鉄道マニアも、70年代には大勢いました。「ナマロク」=生録音という、ちょっとしたブームだったと思います。
驚くほど綺麗な音で、秋の虫の声なども撮れましたが、一度外にこいつを持ち出して「自然の音」を録音すれば、他に録るものが無くなりました。(笑)その後は、高性能・カセットデッキとして活躍しました。故障知らずの名機だった思い出が残っています。