時々忘れた頃に発売する「昭和39年の俺たち」という雑誌があります。「あ!また発売したんだ」と、今回が3号目です。
昔を懐かしむ本ならば、「昭和40年男」という隔月本がありますが、そちらはきちんとした製本、上質な紙、豊富なカラー写真で読者を楽しませてくれます。資料的な価値もあり、毎号集めて保存すべき素晴らしい本です。
しかし、こちらは「週刊現代」やら「文春」のような質の悪い紙の、読み捨てのような雑誌です。広告は大人の玩具やら、怪しげな商品ばかり。(笑)写真は白黒で紙が悪いから、読み捨てる新聞のようなものです。まさに文字通り「雑誌」。
サタンの爪、M3号、ゴア、ラー、ドルゲ、死ね死ね団、ベルク・カッツエ、ドロンジョ様・・・今号の特集を飾る、懐かしい名前の数々!
「昭和40年男」が、誰にでも見せることが出来る、リビングのテーブルに置いておける「明るく楽しい本」なら、こっちはスポーツ新聞のように、人目をはばかる「大人のおもちゃ箱」のような本です。しかも、値段は「昭和40年男」と変わらない、たかが雑誌なのに600円もします!
表紙の片隅の一文「ネットでは伝えきれない凄すぎた昭和の時代」が、この本のテーマで、言い得て妙です!
でも、正直面白い。上品に資料的な面白さを前面に出さず、巻頭カラーから、かつてのアイドルのパンチラ写真!ところが記事は、あくまでも庶民的に生活密着型とでも言うのか、男ばかりではなく、50歳代の女子なら「あったね」と笑ってページをめくれてしまう恐ろしさ!(笑)
みんなが知っていた話から、「え?何?そんなのあったの?」という、知っている人は知っている話題までを、思わずニヤりとさせるような書き飛ばしでページを埋め尽くしています。まさに、ゲリラ的なアイデア勝負の本。
利益率はきっと、喫茶店の珈琲のように高い雑誌だと思います。本日発売なので、書店で見かけたら手に取ってみて下さい。会社員なら、家に帰るまでの通勤時間があっという間に過ぎる事でしょう。