2月20日発売、ベースボール・マガジン社の写真集「アントニオ猪木~永遠の闘魂、激闘伝説」が、既に昨日より1部書店には並んでいます。猪木追悼の最後の1冊を飾るにふさわしい箱入りの、豪華な装丁(そうてい)の1冊は値段も7,700円と高額で、ファンでも購入に躊躇するかも知れません。しかも、本はラッピングされているので、中身を見ることが出来ない!気になって仕方がないファンの方もいらっしゃると思います。
僕はこの際なので、思い切って購入しました。結果は「当たり!」です。
日本プロレスの若手時代から東京プロレス時代の猪木。BI砲の猪木もしっかり押さえられています。
猪木の名勝負と言われている試合は、そのほとんどが網羅されています。何よりも嬉しいのは、写真の1枚1枚が大きいので迫力があり、猪木の表情・躍動感が伝わって来る元気の出る書籍だという事。
近年の猪木をまとめた本や、昔の名勝負集の類の本は、どうしても1点1点の写真が小さい。そこを解消しながらも、つまらない写真は極力省き、通のファンでも懐かしく眺めることが出来る写真が選定されています。
かつ、80年代の新日本プロレス黄金時代からのファンが楽しんだ光景も、押さえています。
また、猪木信者ならよくご存知の猪木らしい仕草、表情の写真もサラリと納められています。
それなりの値段の書籍ですが、ファンなら懐かしい満足の行く写真が多数納められており、何度か繰り返して眺めるほどに味が出て来る写真集になっています。そして、この写真集を眺めていると、思わず「この試合がもう1度観たい!」となって、本棚のDVDに手が伸びる事でしょう。
僕は自身が柔道に打ち込んで4段ですし、いろんな格闘技も長年観戦して来ました。明日の「BREAKING DOWN」も観戦します。しかし、一般人が憧れて練習の末にプロのリングに上がるのではなく、強くてどうしようもない人たちがリングに上がっていた時代の方が楽しかった。
オーディション等の場で怒鳴り散らしたり、煽りPVを作って強く見せるのではなく、強くて仕方がない人たちが、黙って東京都の電話帳を引き裂いたり、リンゴを握りつぶしたりするシーンに、子供の頃は素直に驚き、その強さに憧れました。古き良き時代の強くて仕方が無かったヘビー級の格闘家。その体や動きを見るだけでお金を払っても良いと思わせる選手たち。そういう昭和の雰囲気さえ嗅ぎ取れる1冊ですので、購入を迷われている方は思い切って買う事をオススメします。