先に、「恋歌」で第150回直木賞を受賞した朝井さんが12年にリリースした書下ろし長編。
物語~江戸詰め武士のお内儀だった知里は、夫の赴任先の大阪で夫に先立たれ、青物問屋の住み込み女中になった。江戸もんが大阪の大店で奉公する辛さは並大抵ではない。しかし、浪速の食の豊かさに目覚め、「すかたん」の若旦那を助けて奮闘する内に・・・。
兎に角、面白い。
この一作だけでも、直木賞ものだと思った。
朝井さんの著わす物語は、スケールが大きいだけでなく個々のエピソードにも念がいっていて、その度にうなづきながら読み進めて行くと、いつの間にか大きな話の高みから全体を見下ろすような感じになっていて心地よい。
つまり、それだけ事前準備に余念がなく、腰を据えてじっくり筆を進めているからだろう。読者にとって何よりなのは、安心して最後まで読み通せることなのだから。(お勧め度:★★★)
物語~江戸詰め武士のお内儀だった知里は、夫の赴任先の大阪で夫に先立たれ、青物問屋の住み込み女中になった。江戸もんが大阪の大店で奉公する辛さは並大抵ではない。しかし、浪速の食の豊かさに目覚め、「すかたん」の若旦那を助けて奮闘する内に・・・。
兎に角、面白い。
この一作だけでも、直木賞ものだと思った。
朝井さんの著わす物語は、スケールが大きいだけでなく個々のエピソードにも念がいっていて、その度にうなづきながら読み進めて行くと、いつの間にか大きな話の高みから全体を見下ろすような感じになっていて心地よい。
つまり、それだけ事前準備に余念がなく、腰を据えてじっくり筆を進めているからだろう。読者にとって何よりなのは、安心して最後まで読み通せることなのだから。(お勧め度:★★★)